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利益「3兆円」に肉薄、トヨタに還元の圧力




http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150209-00060087-toyo-nb&p=1


利益「3兆円」に肉薄、
トヨタに還元の圧力


東洋経済オンライン 2015/2/9 06:00 山田 雄大


日本企業では未到の利益3兆円が見えてきた巨人は、
“富”の還元という難問を突き付けられている。

 トヨタ自動車は2月4日、2015年3月期の営業利益が
2.7兆円になるとの見通しを発表した。
2014年11月に上方修正した予想から2000億円引き
上げ、過去最高だった前期を約2割上回る。

 空前の利益をたたき出すものの、日本や東南アジア、
南米でのマイナスが響き、グループ総販売は1010万台
とほぼ前期並み。
今回上乗せした利益2000億円のうち、昨秋以降に
急速に進んだ円安効果が1750億円を占める。

つまり、円安政策を採るアベノミクスの恩恵を最も大きく
受けている企業が、トヨタだといえる。


■ 甘利大臣がトヨタの訪問を公言

 政策をつかさどる安倍晋三首相は2014年12月16日、
政労使会議の場で、

「円安メリットを受けて高収益の企業は、賃上げ、設備
投資に加え、下請け企業に支払う価格についても配慮
を求めたい」

と半ば要請していた。

 それから1カ月余り。これに呼応する動きが表面化する。

「今日、私のところにトヨタの経営陣の方が訪ねてこられ
ました」──。

1月30日に開かれた経済再生諮問会議後の会見で、
甘利明経済再生担当相がこう明かした。
内容はやけに具体的だった。


【グラフ】増え続けるトヨタの利益


 「(トヨタが)報告したいというお話は、競争力強化の
ために、下請け企業に対して毎年半期ごとに納入価格
の改善を求めている。
それを14年度下期はゼロ、つまり構造改革した分は、
下請け企業の利益として取れるようにしましたということ
です。
それから、15年度上期も同様にします、それを下請け
企業の賃上げ原資にしてもらえればいいと思っています
というお話でした」

 甘利担当相が言及した「納入価格の改善」とは、
トヨタが行っている部品メーカーに対する価格改定のこと。
従来は半年に1度、1%程度の値下げを求めてきた。
が、2014年度下期(2014年10月~2015年3月)は、
当初1%弱で部品メーカーに告知していたのを撤回、
値下げを初めて見送った。

 言うまでもなく、完成車メーカーは多くの部品メーカー
に支えられている。
だが、トヨタが最高益を満喫する一方、値下げ要求で経営
難にあえぐ中小部品メーカーは少なくない。
これを放置すれば、トヨタ自身の競争力低下にもつながり
かねない。
今回の値下げゼロは、トヨタが吸い上げてきた原価改善
効果を部品メーカーに残し、経営支援をする意味合いも
持つ。


■ アベノミクスの”体現者”

 例年なら新年度上期の価格交渉は2月後半から3月に
かけて行われる。
2月3日に第3四半期決算に臨んだデンソーやアイシン
精機の首脳は、2015年度上期の価格改定の対応を
問われ、「トヨタからまだ話はない」と口をそろえた。

 しかし、トヨタは甘利担当相に「15年度上期も(14年度
下期と)同様にします」と、部品メーカーに値下げを求め
ない方針を報告済みだ。
アベノミクスを享受するだけでなく、忠実に実践している
という言い方もできよう。

 さらに安倍首相は、

「春の賃上げについて最大限の努力を図っていただく
よう要請したい」

と述べており、アベノミクスの“体現者”はこれも期待されて
いるのだ。
今回の春闘でトヨタ自動車労働組合は、ベアに相当する
賃金改善分を6000円要求する方針を固めている。

 2014年は組合の4000円のベア要求に対して、会社側
は2700円を回答し妥結した。
満額回答とはならなかったが、かつてベア自体を否定した
トヨタがそれを復活させた意味は大きかった。
今年はベアは当然で、焦点となるのはその水準になる
はずだ。

 「利益が出れば税金を払い、従業員にも還元するのは
当然。
経済の好循環も一つだが、中長期での国内生産の競争力
をそぐことになってもいけない。
労使でしっかり議論したい」

と佐々木卓夫常務役員が言うように、賃金交渉は企業の
競争力を考えながら労使で決めるのがスジ。
が、好むと好まざるとにかかわらず、デフレ脱却の一翼を
担わされるトヨタは、政治的な配慮も求められてしまう。


■ 株主に対する配慮は? 

 もっとも、期待するのは政府や従業員、取引先だけでは
ない。
豊田章男社長は新年の動画メッセージで

「ステークホルダーといいますと、まず第一に、やはり株主
様だと思います」

と語っている。
現在トヨタが公約している配当性向は30%。
利益水準が上がれば配当額も増えるが、還元率の引き上げ
を求める声も投資家から強まりそうだ。

 空前の利益水準をたたき出し、還元を欲しがる声は強まる
ばかり。
高度なバランス感覚を問われるのは、トヨタゆえの宿命かも
しれない。

(「週刊東洋経済」2015年2月14日号<9日発売>
「核心リポート01」を転載)



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by bunbun6610 | 2015-02-12 00:31 | 社会