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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

『あしたのジョー』(高森朝雄/原作、ちばてつや/画)

『あしたのジョー』
(高森朝雄/原作、ちばてつや/画)



『あしたのジョー - Wikipedia』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC




昭和の人気漫画に『あしたのジョー』というのがある。

絶大な人気があったボクシング青春マンガで、
物語の最初はライバルの力石徹との死闘に
なっている。

驚くのは、力石はジョーとの試合終了直後に
死ぬということだ。
それでなぜか、マンガの読者まで、
力石の葬式に大勢参列した、
という珍事が起きた、ということだ。

やっぱり、あの力石という男がいなかったら、
ジョーの物語もあそこまで展開していかなかった
に違いないし、ライバルとして、男として、
すごいオーラがあったと思う。


でも、私個人で最も印象に残っているのは、
力石亡き後に登場する、カーロス・リベラという
選手とジョーが試合をし、ジョーが完全復活する
までの物語だ。

誰だって、自分との試合で相手選手が死ねば、
それは大変な精神的ショックを受けるだろう。
ジョーもそれに一人では耐えられず、落ちぶれて
いってしまう。
そこは一種の“心の病”にかかった状態であり、
障害者心理とも共通点がある。

だから、そこのところから読んでいて、
他人事ではないように思えていた。

そんな時期に、ジョーは来日したバンタム級
世界ランカーのカーロス(ベネズエラ)と出会う。
カーロスは、ジョーの試合で挨拶をし、
上位選手から握手をしようとするが、
野生の嗅覚でジョーのほうが上だと勘違い
してしまう。

カーロスは、ジョーを一目見た時から、
彼の方が実力者だと見抜いていたのだ。

その出会いから始まるジョーの復活劇は、
障害者の心にも響くものがあった、と思う。

カネでも名誉でも権威でもなく、ただ目の前に
現れた真のライバルと、燃え尽きるまでぶつかり
合おうとする姿は、私の精神的成長にも影響を
与えていた。

だから、それが社会人になっても消えることなく、
料理人やパティシェの厳しい世界でも生き抜こう
とする、原動力の一部になっていた。
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by bunbun6610 | 2015-04-02 18:30 | 聴覚障害者版サムハル