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蒼穹 -そうきゅう-

職場内障害者授産施設 第二篇 (20)仕事の割当をじゃんけんで決める職場

ある日の朝、当日の予定表には
仕事がたったの一件しかなかった。

外勤のスタッフは、私とYさんの2人いる。
それに、この仕事は別に大変なわけでもない。

そこで、先輩の私がYさんに

「この仕事はYさんが行ったら?」

と言った。

以前はOKしていたのだが、
この日のYさんは首を横に振った。
理由も何も言わない。

聴覚障害者とのコミュニケーションでは、
よくある健聴者の態度だ。

冗談のつもりなのかと思って、もう一度聞いてみた。
それでも、Yさんは承諾しないので、私は

「何なんだ、コイツは!」

と言いたくなった。

その瞬間、近くで見ていたD上司が割り込んできて

「じゃんけんにしろ」

と言った。

私は

「信じられない言葉だな」

と思ったが、Yさんはニコニコとして、
しかもやる気満々だった。

上司の命令ならば仕方がないと思ってやった。
あいこ一回の後、あっさりと私が負けてしまった。
そして外へ出たら、雨がザーザーと降っていた。

「なるほど・・・・。
だからYさんは、今日は外に出たくなかったんだな。」

そういえば、以前にいたAさんも、
雨の日はこの仕事を嫌がっていた。

他人から見ればワガママなことでも、
そうは思っていないのが精神障害者の
特徴なのだろう。
こんなバカみたいな精神障害者の面倒を
見続けさせられて、もう2年が経つ。

私が仕事から帰っても、Yさんは職場の中で
事務員の女性と楽しそうにおしゃべりをしている
だけだった。
そばにいた、同じ精神障害者のD上司も、
何も言わない。

「え? じゃんけんに勝ったら、何も仕事しなくて
いいの?」

私はそう不思議に思った。

道理で、この部署はつぶれるわけだ。
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by bunbun6610 | 2014-12-19 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E