聴覚障害者と個人情報漏洩問題

聴覚障害者と個人情報漏洩問題


ある日イヤー・モールドがとうとう壊れてしまった。
もうだいぶ老朽化していたので、
新しいものに交換せざるをえなくなっていた。

なじみの補聴器屋さんに、イヤー・モールドの
耐用年数は決まっているのかどうか、聞いてみた。

補聴器屋さんの返事は

「福祉補助は地域(の役所)によってまちまちですが、
イヤー・モールドの耐用年数は決まっていないと
思います。
自分の地域の役所に聞いてみてはどうでしょうか?」

という。

そこで、役所に聞くことにした。
依頼文書を作って、役所の障害者福祉課のFAX番号
を調べた。

インターネットで役所のホームページを見たら、
今は各課にも専用の電子メール・アドレスがあるらしい。
それで、そのアドレスに電子メールで送信してみた。

ところが、待っても返事が来ない。
FAXのほうがいいのかと思い、FAXでも送ってみた。

FAXは確かに「1枚送信しました」と、FAX機に表示が
出たのだから「送信が成功したことは間違いない」と
思っていた。

そして、何日か待って休日も明けたらなぜか、
郵便で返事が届いた。
返事の内容は、おおよそ次のように書いてあった。


①補聴器屋さんに補聴器の状態を見てもらい、
見積書を作ってもらう。

②その見積書を、役所に送る。

③その次に、聴覚障害者が申請書を書いて、
それを役所に送る。

④役所は、見積書と申請書がそろったことを
確認したら、支給券を申請者へ送る。

⑤それから、修理、または交換が実現する。



ともかく、電子メールだったのかFAXだったのか、
それとも両方うまく届いたのかはわからないが、
役所に届いたことは確かだった。

それにしても、手続きだけで、こんなにかかる
のだとわかり、二度ビックリした。

そして今回、一番問題になったことを、これから
書くので、よく読んでいただきたい。



(役所からの、私宛の文書)
●●様

(追記)
■月■日に××××××××××(FAX番号)へ
FAXしました。(メールでいただいた連絡先です)

●月●日にいただいたFAX文書に記載してある
×××××××××▲(FAX番号)へFAXしたところ、
未送信になりました(送信できませんでした)」



とある。
さらに


「このFAXを見ていただきましたら、
TEL又はFAXでご連絡下さい」



とある。
実際はFAXではなくて郵便でポストに
入ってきた文書(役所の封筒入り)だ。
こちらはFAXなのに、なぜ役所はわざわざ、
郵便でやりとりするのか?

何だかよくわからない事情があったようだ。

とりあえず、こちらは指示通りに、FAXで
「受け取りました」という旨の文書を送信した。

その後、事情を聞こうと、会社を休んで役所
に行き、直接聞いてみた。
応接してくれたのは、障害者福祉課のK係長
(健常者)だった。


私;(声)「この前、イヤー・モールドの件でFAX
しました●●です」

K係長;(声)「はい、どうも」
(みたいな、声だけの返事。
私が聴覚障害者だということは、FAXでの
やりとりで、知っているはずだが)

私;(声)「この前に私が送りましたFAXは、
届きましたよね?」

K係長;(声)「はい」

私;(声)「でも、返事は郵便でしたよ。
なぜだったのでしょうか?」

K係長;(声)「その郵便は、私が送りました。
●×▲◇★◎■・・・・・。」
(みたいなことを言っている。
「私が」のジェスチャーがあったので。
後はわからなかった)

私;(声)「あの・・・私は補聴器をしても聞き
取れない障害を持っているのですけれども・・・。」

K係長;(声)「●×▲◇★◎■・・・・・。」
(声でしゃべるだけ)

私;(怒声)「ですからね!」
(怒る。
そして、自分の紙とペンを出して、筆談を始めた)

私;(筆談)「初めは電子メールで送ったのですが、
なぜ電子メールで返事が来なかったのでしょうか?」

K係長;(声)「●×▲◇★◎■・・・・・。」
(また、声で話すだけ)

私;(怒声)「ちょっと! あんたはなぜ、
ここにいるのか?!」

K係長;「・・・・?!」
(びっくりする)

私;(声)「『障害者福祉課』っていうのは、
役に立たない落ちこぼれが配属される部署
なのかね?」

K係長;(声)「●×▲◇★◎■・・・・・。」
(オドオドしながら、何か言っている)

私;(声)「今、何をすればいいのか、
わかってる?」

K係長;(声)「●×▲◇★◎■・・・・・。」
(声でしゃべっている)

私;(声)「だからね・・・。
私は聴覚障害者なんですよ。
それなのに、あなたは声でしゃべるんですか?
手話通訳者は今、どこにいる?」

K係長;(声)「●×▲◇★◎■・・・・・。」
(キョロキョロしてから「今、いません」という
ふうに言っている)

私;(声)「手話通訳者がいないと、あなたは
何もできないのですか?
では、あなたは何のためにここにいるのですか?」

K係長;「・・・・」
(無言で、困った顔をしているだけ。
それから、やっと、近くにあった筆談ボードを
取って、筆談する)

K係長;(筆談)「最初、あなたが送ってくれた
FAX文書にあった×××××××××▲(FAX番号)
に送信しましたら、送れませんでした。
それで、××××××××××(FAX番号)で送ったら、
送れました。」


(注)
・最初に送った電子メール文の、私の
××××××××××(FAX番号)は正しかった。

・2度目に送ったFAX文書の×××××××××▲
(FAX番号)が、実は私のミスで間違っていた。



私;(声)「え? でも、私のところにFAXは
届いていませんよ。」

K係長;(筆談)「一応、手紙でも郵送しました。
それがそれです。」

私;(声)「何でFAXは届かなかったのだろう?」

K係長;「・・・・」
(「さぁ・・・?」の表情)

私;(声)「FAXは、ちゃんと送れたのならば
『●枚送信しました』とか、FAX機器に必ず表示が
出ますよ。
それを、ちゃんと確認しましたか?」

K係長;(筆談)「しました。」

私;(声)「送信成功ならば、私のFAX機器にも
送られてきます。
そうしたら、私のFAX機器にも受信ランプが点滅し
続けるのです。
私がそれを印刷するか消去するか、処理するまでは
ずっとね。
でも、何もありませんでしたよ。
なぜでしょうね?」

K係長;「・・・・」

私;(声)「私は最初、電子メールで文書を送りました。
それはなぜ、返事がなかったのですか?」

K係長;(筆談)「電子メールは、決裁に時間がかかって
しまうからです。」

私;(声)「そうなの? それじゃ、FAXは?」

K係長;(筆談)「FAXのほうが早いです。」

私;(声)「しかし、結果的には、FAXは私のところには
届いていないし、こんなに時間がかかってしまいました。
電子メールだと決裁は何日かかるの?」

K係長;(筆談)「3日ほどです。」

私;(声)「なら、そんなには違わないね。
そのことをまず、電子メールで私に返事・確認をすれば
良かったんじゃないですか?」

K係長;(筆談)「役所ホームページには『障害者福祉課』
の電子メール・アドレスになっていても、実際はその
アドレスではないんです。
まず代表のアドレスに届いて、それから障害者福祉課
へ振り分けられるようになっています。」

私;(声)「電子メールだと、遅くなるの?」

K係長;(筆談)「そんなことはないです。」

私;(声)「なら、まず電子メールで伝えてみれば良かった
じゃないですか。
それで駄目だったら、FAXでやってみればよかった
んじゃないでしょうか?」

K係長;「・・・・」
(返答に窮する)

私;「これがもし、至急案件とか、命に関わることだったり
したら、大変なことですね。」

K係長;「・・・・」

私;(声)「今後は、どうしたらもっとスムーズにいくので
しょうか?」

K係長;「・・・・」

私;(声)「障害者福祉課専用の携帯電話とかないですか?」

K係長;(筆談)「ないです。」

(K係長は、しばらく考えてから、名刺を持ってくる)

K係長;(筆談)「この名刺にある電子メール・アドレスなら、
障害者福祉課へダイレクトにメールが送れます。」

私;(声)「これは、障害者福祉課の誰に届くのですか?」

K係長;(筆談)「全員のパソコンに届きます。」

それを聞いた私は

「ということは、これが本当の『障害者福祉課の
メール・アドレス』だったんだ・・・。
何で最初から、これを使わないのか?」

と思った。
そして

私;(声)「なるほど。
これならいいかも。」

K係長;(筆談)「これを使っている方もいます。」

私;(声)「今では固定電話、FAX機器を持っていない人
もいますしね・・・。」


この話を読まれた方は気づいたと思うが、重大問題がある。

一つは、電子メール・アドレスがあるにもかかわらず、
役所の都合で対応しなかったこととか、
その後の担当者の対応等にも問題があった。
こんな役所が災害時に役に立つとは、とても思えないだろう。


もう一つの疑問点が、私のところには実際、FAXが届いて
いないのに、K係長は「送信しました」と言っている矛盾点
である。
これで済むだろうか。

これは、役所が私宛に作成した文書を、誤って他人へ送って
しまった、という可能性が濃厚だろう。
役所がFAXをかける時、番号を間違えたとしか思えない。

皆さんにも、こういう経験はないだろうか。
民間会社ならば、こうならぬように、もっと厳しいルールが
あるはずなのだが。




〔参考情報〕


【お詫び】東京都しごとセンターにおける個人情報の流出について 

 (公財)東京しごと財団が運営する東京都しごとセンター
※(所在地:千代田区)において、同財団がミドルコーナー
(対象:30~54歳)の雇用就業支援業務を委託している
株式会社パソナの担当者が、東京都しごとセンター利用者
に対して、別の利用者の個人情報を誤ってメールで送信
する事故が発生しましたのでお知らせします。
 ご本人ならびに関係者の皆様には多大なご迷惑をおかけ
し、深くお詫び申し上げます。
 今後、このようなことがないよう、情報管理を徹底して
まいります。

 詳細は、こちらをご覧ください。

東京都公式ホームページ(報道発表資料)
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by bunbun6610 | 2014-12-22 18:30 | バリア&バリアフリー


ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

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