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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

『障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)への意見募集』

松森果林氏のブログに、下の情報が出ている。


『障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)への意見募集』
〔2014-11-26〕

http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20141126



内閣府ホームページ
『インターネット上の意見募集フォーム(締切日必着)』
意見提出期限; 平成26年11月26日(水)~12月25日(木)





意見募集期間は、今から約1ヵ月間だ。
聴覚障害者は日常的に間接差別を受けている
障害者なので、言いたいことは山ほどあるだろう。

当ブログでも、ほとんど毎日、日常生活での
差別的状況をアップしている。
特に職場での問題が多い。

ただし、理由を必ず書いて送ることだ。

例えば、どこの会社で、いつ、誰に、
どんな差別をされたのかも、具体的に書いてよい。
具体的に書くことで、看過できない差別的事例として
伝わる。

また、障害者の雇止めも、重大な問題だろう。

このブログを書いている私ならば、簡単なことだ。
現在の非公開記事にも、山ほどあるからだ。

皆さんもこの機会に、やってみてほしい。




【追記】


一般財団法人 全日本ろうあ連盟のホームページにも、
下記のアンケートがある。

・聴覚障害者の差別事例と合理的配慮不提供の事例
アンケート 11/27掲載


https://www.jfd.or.jp/sg/





職場での合理的配慮 - 裁判事例
『三菱東京UFJ銀行の聴覚障害者差別裁判の判決
(2009年4月)』
〔2012-04-03 21:26〕





千葉県
『条例制定当時に寄せられた「障害者差別に当たると思われる事例」(医療)』
(平成16年9月~12月 更新日:平成26(2014)年8月8日)
http://www.pref.chiba.lg.jp/shoufuku/iken/h17/sabetsu/iryou.html





『改正障害者雇用促進法に基づく差別禁止
・合理的配慮の提供の指針の在り方に
関する研究会の資料』
〔2014-05-04 17:24〕






内閣府
『障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に
関する意見募集について』
〔平成26年11月 内閣府障害者施策担当〕
http://www8.cao.go.jp/shougai/kihonhoushin_iken.html


·障害を理由とする差別の解消の推進に関する
基本方針(原案)るびなし版(PDF形式:50KB)
http://www8.cao.go.jp/shougai/pdf/kihonhoushin_iken_ref.pdf


·障害を理由とする差別の解消の推進に関する
基本方針(原案)るびあり版(PDF形式:93KB)
http://www8.cao.go.jp/shougai/pdf/kihonhoushin_iken_ref_ruby.pdf


·障害を理由とする差別の解消の推進に関する
基本方針(原案)テキスト版(TXT形式:25KB)
http://www8.cao.go.jp/shougai/txt/kihonhoushin_iken_ref.txt



障害者差別解消は、合理的配慮にかかっている。
今度の法律は、合理的配慮の実施を進めていくため
の法律である。
ところが、合理的配慮に限界性がある。

なぜだろうか。
これでは、政府の本気度が伝わらない。
東日本大震災の復興策や、北朝鮮拉致問題と同じ目
に遭うのではないか。



(1ページ)
「社会的障壁の除去は、それを必要としている
障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担
が過重でないときは」



過重であるか、そうではないかを、誰が正しく判断
できるのか?
場合によっては、障害者が諦めなければならない、
ということを意味する。


『合理的配慮の実施が「可能な限り」では…』
〔2011-10-24 20:30〕




(2ページ)
Ⅰ-2-(1)『法の考え方』
「法は、後述する、障害者に対する不当な差別
的取扱い及び合理的配慮の不提供を差別と規定
し、行政機関等及び事業者に対し、差別の解消
に向けた具体的取組を求めるとともに、普及啓発
活動等を通じて、障害者も含めた国民一人ひとり
が、それぞれの立場において自発的に取り組む
ことを促している。」



「促している」は弱い。



(2ページ)
Ⅰ-2-(2)『基本方針と対応要領・対応
指針との関係』
「地方公共団体及び公営企業型以外の地方独立
行政法人(以下「地方公共団体等」という。)
については、地方分権の観点から、対応要領の
作成は努力義務とされている。」



「努力義務」も弱い。



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以下は、障害者の雇用についてである。
障害を持ちながらも、手帳のない人はどうなるだろうか。

(3ページ)
Ⅱ-1-(1)『障害者』
「対象となる障害者は、障害者基本法第2条第1号
に規定する障害者、即ち、「身体障害、知的障害、
精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能
の障害(以下「障害」と総称する。)がある者で
あつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常
生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態に
あるもの」である。
これは、障害者が日常生活又は社会生活において
受ける制限は、身体障害、知的障害、精神障害
(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害
(難病に起因する障害を含む。)のみに起因する
ものではなく、社会における様々な障壁と相対
することによって生ずるものとのいわゆる
「社会モデル」の考え方を踏まえている。
したがって、法が対象とする障害者は、いわゆる
障害者手帳の所持者に限られない。

なお、高次脳機能障害は精神障害に含まれる。
また、特に女性である障害者は、障害に加えて
女性であることにより、更に複合的に困難な状況
に置かれている場合があること、障害児には、
成人の障害者とは異なる支援の必要性があること
に留意する。」




例えば軽・中度の難聴者も対象となるわけである。

ところが、手帳がない障害者に対する対応は、
これまでずっと“一般雇用に潜り込む手段”しか
なかった。

そのことを考えると、その当事者が置き去りにされる
懸念が、今後もあるだろう。
障害認定の問題点などを指摘する、当事者の強い声
が必要だろう。
「社会モデル」とあるのだから、この項目にある文章
は矛盾するのではないだろうか?
手帳保持障害者と、未保持障害者を平等に扱うことは、
健常者にとっては容易ではないかもしれない。
この法律の曖昧さが混乱につながる懸念もありそうだ。



(3ページ)
Ⅱ-1-(3)『対象分野』
「ただし、行政機関等及び事業者が事業主としての
立場で労働者に対して行う障害を理由とする差別
を解消するための措置については、法第13条に
より、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和
35年法律第123号)の定めるところによることと
されている。」


これは一体どうなる?

「障害者雇用枠(手帳保持者)で採用された
障害者のみ」

という意味だろうか?
確認してみる必要がある。

上の「社会モデル」と矛盾する可能性がある。
なぜなら、障害者雇用枠は、手帳保持者でないと
応募不可なのだから。


『身体障害者手帳のない聴覚障害者(難聴者)は、
どうやって就職するのか?』
〔2013-01-16 18:00〕



仮にハローワークで応募できることとなった、
としよう。
それでも、法定雇用率カウント外の障害者として
扱われ、障害者雇用助成金も出ないのだとしたら、
どこも雇わないだろう。
それが企業の本音だからだ。


『富士ゼロでパワハラの嵐
 「障害者は用済み」宣告で解雇の内幕』
〔2014-11-30 18:30〕




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(4ページ)
Ⅱ-2-(1)-②
「障害者を障害者でない者と比べて優遇する取扱い
(いわゆる積極的改善措置)、法に規定された障害者
に対する合理的配慮の提供による障害者でない者
との異なる取扱いや、合理的配慮を提供等する
ために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ
障害者に障害の状況等を確認することは、不当な
差別的取扱いには当たらない。
不当な差別的取扱いとは、正当な理由なく、障害
者を、障害者でない者であって、問題となる事務
・事業について本質的に関係する諸事情が同じ者
より不利に扱うことである点に留意する必要がある。」



“不当な差別”と、“合理的な区別”について、
言っていると思う。
例えば、もしも合理的配慮の拒否があった場合、
その理由が正当かどうか、というのは判断が難しい
場合もありうるだろう。

しかし、これは健常者がよく理解してほしいところ
であるだけでなく、障害者も過度に遠慮してしまう
ことのないようにしてほしいと思う。



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(4ページ)
Ⅱ-2-(2)『正当な理由の判断の視点』参照。
「正当な理由に相当するのは、障害者に対して、
障害を理由として、財・サービスや各種機会の
提供を拒否するなどの取扱いが客観的に見て
正当な目的の下に行われたものであり、その
目的に照らしてやむを得ないと言える場合である。
行政機関等及び事業者においては、正当な理由
に相当するか否かについて、個別の事案ごとに、
障害者、事業者、第三者の権利利益(例:安全
の確保、財産の保全、事業の目的・内容・機能
の維持、損害発生の防止等)及び行政機関等の
事務・事業の目的・内容・機能の維持等の観点に
鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的
に判断することが必要である。
行政機関等及び事業者は、正当な理由があると
判断した場合には、障害者にその理由を説明する
ものとし、理解を得るよう努めることが望ましい。」




この部分では「望ましい」ということでは終わらないだろう。
残念だが、当事者にとっては半強制されるに等しく、
まさに

「諦めざるをえない」

実態へ追い込まれてしまう可能性が高い、
と思う。



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(5ページ)
Ⅱ-2-(1)-②
「筆談、読み上げ、手話などによるコミュニケ
ーション、分かりやすい表現を使って説明を
するなどの意思疎通の配慮」



この文章に「通訳」や「要約筆記」は入れるべき
だろうか。
入れたほうがよい、と思う。

理由は、要約筆記という通訳方法は手話と比べ、
まだ認知度が低い。
「筆談で十分だから」と断られてしまうのが
ほとんどである。
筆談と専門の通訳との違いを理解していない
健聴者がほとんどだから、断られるのである。


『筆記通訳?』
〔2011-10-29 22:36〕


手話でも酷似した事例があるので、
注意したほうがいい。

『健聴者にだまされたこと (1)』
〔2011-08-04 00:39〕



合理的配慮が「可能な限り」だとか「努力義務」では、
このようになってしまう可能性が非常に高い。

これでは手話がわからない聴覚障害者には、
合理的配慮が実施されない可能性が大である。
明らかに情報保障・通訳が必要な場合は、
筆談ではなく、手話・要約筆記が必要である。

「筆談、読み上げ、手話、また情報保障・通訳
(手話、パソコン・手書きなどの要約筆記)
などによるコミュニケーション、分かりやすい
表現を使って説明をするなどの意思疎通の
配慮」


としてはどうだろうか。
長くなるが、具体的に書いたほうが、
無知な健聴者にもわかるので、
適切な合理的配慮が得られやすくなる。
だから、そうしておいて損はないと思う。

(仮称)情報・コミュニケーション法のことを
覚えているだろうか。
116万筆が集められたのだが、それがつぶされた。(※)

実を言うと、これが合理的配慮を実現する
ための要望だったのだ。


(※)
『『We Love コミュニケーション』署名運動の結果』
〔2011-11-16 22:07〕



手話言語法ができても、合理的配慮がなされなかった
ならば、結局は何もならないかもしれない。

「どうぞ、手話を使ってもいいですよ」

だけで終わりにもなりかねないのだから。
障害者差別解消法も、あくまでも努力義務規程であり、
罰則なき法律だということだから、弱いことは明らかだ。

アメリカのADA法の場合は「差別禁止法」で、
罰則があるらしい。
障害者差別禁止法は世界で40カ国以上ある。



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(5、6ページ)
Ⅱ-3-(1)―③
「意思の表明に当たっては、具体的場面において、
社会的障壁の除去に関する配慮を必要としている
状況にあることを言語(手話を含む。)のほか、
点字、拡大文字、筆談、実物の提示や身振りサイン
等による合図、触覚による意思伝達など、障害者
が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段
(通訳を介するものを含む)により伝えられる。
また、障害者からの意思表明のみでなく、知的障害
や精神障害(発達障害を含む。)等により本人の
意思表明が困難な場合には、障害者の家族、介助
者等、コミュニケーションを支援する者が本人を
補佐して行う意思の表明も含む。
なお、意思の表明が困難な障害者が、家族、介助者
等を伴っていない場合など、意思の表明がない場合
であっても、当該障害者が社会的障壁の除去を必要
としていることが明白である場合には、法の趣旨に
鑑みれば、当該障害者に対して適切と思われる配慮
を提案するために建設的対話を働きかけるなど、
自主的な配慮に努めることが望ましい。」



>「コミュニケーションを支援する者が本人を
補佐して行う意思の表明も含む」


ここには、読み取り手話通訳者を利用するろう者も
含まれると思う。

聞こえない人に対して、実際にあったのが

「今のは通訳しなくていい」

だ。
もちろん、通訳者はこの場合でも、通訳すべきだろう。
通訳者もいない状況では、大きな不利になってしまう
こともある。

『健聴者の「今のは通訳しなくていい」を、どう思うか?』
〔2014-10-06 18:30〕






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(6ページ)
Ⅱ-3-(2)『過重な負担の基本的な考え方』
「過重な負担については、行政機関等及び事業者
において、個別の事案ごとに、以下の要素等を考慮
し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に
判断することが必要である。
行政機関等及び事業者は、過重な負担に当たると
判断した場合は、障害者にその理由を説明する
ものとし、理解を得るよう努めることが望ましい。
○事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的
・内容・機能を損なうか否か)
○実現可能性の程度(物理的・技術的制約、
 人的・体制上の制約)
○費用・負担の程度
○事務・事業規模
○財政・財務状況」



会社に通訳者派遣の依頼で、拒否されることは多い。
その理由で、圧倒的に多いのが「お金がない」
「秘密が漏れるといけないから」である。


拒否理由1;「予算がない」
障害者雇用は大企業が多い。
それでも「タダならいい」と言われたことがあった。
「タダならいい」とは、どういうことか。
この法律で、この言い訳が通らなくなればよいのだが。


拒否理由2;「企業秘密が漏れるといけないから」
実際には聴覚障害者にも個人情報の持ち運び
などの仕事をやらせることがある。
なかには、外出だけでなく、自宅に持ち帰る
業務となってしまうケースもあった。

このようなことは認めるのに手話通訳者の派遣は
認めない、というのはおかしい、と言わざるをえない。

単なる言い訳であることは明らかだ。

『『(就労支援)会社の理念を伝えているか』』
〔2014-12-01 18:30〕




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(7ページ)
Ⅳ-1『基本的な考え方』
「事業者については、不当な差別的取扱いの禁止
が法的義務とされる一方で、事業における障害者
との関係が分野・業種・場面・状況によって様々
であり、求められる配慮の内容・程度も多種多様
であることから、合理的配慮の提供については、
努力義務とされている。
このため、各主務大臣は、所掌する分野における
対応指針を作成し、事業者は、対応指針を参考と
して、取組を主体的に進めることが期待される。」



「努力義務」が「義務(必須)」となれば
障害者にとっては理想だが、企業の反発を予想し、
弱腰になっていると思われる。
さじ加減が難しいところだが、これでは失敗しそうだ。
“お飾りの法律”にならなければいいが。


(8ページ)
Ⅳ-2『対応指針』
「なお、対応指針は、事業者の適切な判断に
資するために作成されるものであり、盛り込まれる
合理的配慮の具体例は、事業者に強制する性格の
ものではなく、また、それだけに限られるものでは
ない。
事業者においては、対応指針を踏まえ、具体的場面
や状況に応じて柔軟に対応することが期待される。」





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合理的配慮が行われないときの救済機関が明記されている。

曖昧で、とても弱い。

「これまでと変わらないのではないか」

と思ってしまう。


(11ページ)
Ⅴ-4-(1)『趣旨』
「地域において日常生活、社会生活を営む障害者
の活動は広範多岐にわたり、相談等を行うに
当たっては、どの機関がどのような権限を有して
いるかは必ずしも明らかではない場合があり、
また、相談等を受ける機関においても、相談内容
によっては当該機関だけでは対応できない場合が
ある。
このため、地域における様々な関係機関が、相談
事例等に係る情報の共有・協議を通じて、各自の
役割に応じた事案解決のための取組や類似事案の
発生防止の取組など、地域の実情に応じた差別の
解消のための取組を主体的に行うネットワークと
して、障害者差別解消支援地域協議会(以下
「協議会」という。)を組織することができる
こととされている。
協議会については、障害者及びその家族の参画
について配慮するとともに、性別・年齢、障害
種別を考慮して組織することが望ましい。
内閣府においては、法施行後における協議会の
設置状況等について公表するものとする。」




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by bunbun6610 | 2014-11-28 00:28 | 国連・障害者権利条約