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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

健聴者が手話を使う時

「手話は知らない」

「わからない」

「できません」

と言う健聴者でも、実は手話を使う時がある。

例えば、以前の記事でも書いているAOYA(※)もそうだ。



(※)当ブログ

『職場内障害者授産施設 - 「五月病」と「犬猿の仲」』
〔2014-05-27 18:30〕


に登場している。



私とは全くそりが合わないこの人が、
手話を使ったのだ。
別に驚きではないが、やはり怒っているほうが、
健聴者は手話をよく使い出す。
(別に、私が怒らせたわけではないが)

ある日、私が共用パソコンの机に坐って閲覧して
いたら、AOYAが突然、私の身体に触れた。

実はこれは、ろう文化では当たり前の“呼び方”だ。
健聴者は「ちょっとすいません」とか言う、
音声会話でのやり取りだが、
ろう者世界では肩を軽く叩く、などする。

AOYAの場合は「呼んでも無駄だ」とわかっているから、
身体に触ったのだろう。

さすがの私も

「こんな不器用なヤツでも、よくできたものだな」

と感心した。
頭が悪いのかと思っていたから、褒めてやっても
いいくらいだ。

私が振り向くと、AOYAはすぐに

「そこをどけ!」

の意味の手話をした。
この時の手話は、目の前の相手を追い払う時に
するジェスチャーだ。
「不要(要らない)」の手話にも似ている。

私はすぐに、AOYAに席を譲った。


ろう者、難聴者、中途失聴者でも、この手話を
使うから、皆わかる。
ただ、AOYAの手話は明らかに、相手にケンカを
売っている表し方なのだ。
AOYAも、ケンカ腰のやり方だと知ってやっている
だろう。

共用パソコンは社内に3台あり、そのうち1台は
空いていたのだが、AOYAはなぜか、私に

「どけ!」

と言ってきた。
やはり、AOYAと障害者は相当、そりが合わない、
と見抜ける。

仕事を頼む時の「お願いします」はやらないのに、
「どけ!」はできるなんて、相当ひねくれている。
というか、人格が正直に出ている。
手話とは、そういうものなのだ。

動物でさえ、身振り、ジェスチャーなども取り入れて
コミュニケーションをしているのだ。

人間にそれが出来ないはずはない。

もっとも、ろう者の主張する「手話」とは、もっと奥が
深い言語であるようだが、こういった、すぐに使え、
万人に通じる手話だって、もちろんある。
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by bunbun6610 | 2014-11-18 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E