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蒼穹 -そうきゅう-

精神障害者雇用の課題・問題点

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39359


企業は精神障害者を受け入れる準備を
2018年より雇用が義務化、
企業に必要な心構えと体制とは

有井 太郎

2013.12.11(水)


厚生労働省の統計によると、2013(平成24)年の雇用障害者数
および実雇用率は、ともに過去最高を更新した。

 しかし今年から2.0%に上がった法定雇用率(昨年までは1.8%)
を達成した企業の割合は46.8%。5割を下回る結果となっている。

 さらに2018年4月からは障害者手帳を持つ精神障害者の
雇用が義務づけられている。
障害者支援が進んだ形だが、一方で、精神障害者の雇用は容易
ではないという現実もある。
障害者雇用の内訳を見ると、身体障害者が約76%、知的障害者
が約20%であるのに対し、精神障害者は約4%と大きく差が開い
ている。
 (「精神障害者」とは、
「統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、
知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者」

を指す。
「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」より)

 企業は今後、どのような形で精神障害者の雇用を実現して
いけばよいのだろうか。


「精神障害者」という言葉がハードルになっている

 企業が雇用した精神障害者の定着率は49%と言われている
(独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構調べ)。
そのような中、就業したスタッフの勤務6カ月時点での定着率が
92%という高い実績を残しているのが、精神障害者の就労支援
に特化したサービス「アビリティスタッフィング」。
障害特性をオープンにして障害者雇用枠で「働きたい」意欲の
ある精神障害者に雇用先を紹介するマッチングサービスである。

 リクルートにて同事業を担当する川上祐佳里氏は、精神障害者
の就業がなかなか増えない理由をこう考えている。

 「やはり『精神障害者』という名前が与えるネガティブな
イメージが強いですね。
いろいろな企業の担当者様と話していて思うのは、多くの方が
精神障害者の雇用に対して漠然とした不安を持っていること。
ただそれは、『分からないゆえの不安』がほとんどで、きちんと
その人について理解を深めてもらえば、決して雇用することは
難しくありません。
そのような、現実との意識のギャップがあるんです」

さらに、就労を希望する精神障害者が抱える「不安」も、現在の
状況が生まれている要因だと語る。

 「求職者の方自身も非常に不安を抱えているんですね。
同じ悩みを持つ方が働く姿をあまり見ていないからこそ、自分
自身がチャレンジすることに不安を感じているんです。
このような本人の不安を取り除いてあげることも、精神障害者
の就労において大切だと思います」(同)


障害をきちんと把握し、できる仕事を見極める

 雇用する側と求職する側がそれぞれ抱く不安。
では、それを取り除き、精神障害者が働ける環境を作るため
にはどのようなことが必要なのだろうか。

 「働くというのは、必ずしも正社員でバリバリ・・・という形
だけではありません。
ですから、精神障害者の方が

『何ができるか』

『どこまでならできるか』

を見極め、企業側が無理のない適切な配置をしていくことが
大切です。
重要なのは、採用する側が精神障害を持つ方の強みと弱み
を把握し、それを社内で共有して適材適所のポストを用意する
ことです」(同)

とはいえ、企業が精神障害者の性格や能力を適切に把握する
のは簡単ではない。
そこでアビリティスタッフィングでは、企業と求職者を引き合わせ
る前の段階で、まず精神障害者の方が自分の経歴や希望、
もっと言えば

「できること/できないこと」、

あるいは障害の特性を明確にまとめていく機会を設けている。

その後に企業と求職者の事前面接を行って、お互いの理解を
深めていく。
そこにはスタッフも同席し、お互いの情報を引き出すという。
このような前段階を踏むことで、企業にとっても求職者にとっても、
適切なポジションでの雇用をしやすくなる。


精神障障害者の雇用に欠かせない「事後フォロー」

 雇用した人を「定着」させることも当然ながら重要。
そのためには相手の特性を理解し、無理のない配置を行うのも
必須だが、同様に「事後フォロー」も欠かせないと川上氏は話す。

 「新しい環境に入ってストレスが溜まってきた時に、ケアできる
かどうかが大きなポイント。
たとえば厚労省のデータでいうと、就業後のフォローがあるか
どうかで定着率が大きく変わってきます。
本人はどうしても『頑張ろう』と力が入っていますから、ストレスを
見せないケースも出てくるはず。
そんな時、冷静にケアできる方を企業が導入できていると、
定着率は上がってくるはずです」(同)

 アビリティスタッフィングの場合は、就業後のスタッフの状況を
定期的に精神保健福祉士がヒアリングしているという。
就労者のコンディションを確かめるだけではなく、企業の担当者
にも何か困っている事はないかを都度確認している。
そのような事後フォローが、精神障害者の就労には重要となる
ようだ。

 冒頭の92%という高い定着率は、このようなフォローがあって
こその数字と考えてよいだろう。
また、一度採用した企業のリピート率も46%となっている。

 もちろん、上述のような事後フォローを各企業が独自に行うのは
そう簡単ではない。
しかし、精神障害者の雇用を考える上で、このような手立てがカギ
になることは覚えておくべきだろう。


急いで雇用率を上げることより丁寧に進めることが必要

 2018年に向け、精神障害者の雇用に対する機運は高まってくる
ことが予想される。
企業もCSR(Corporate Social Responsibility: 企業の社会的
責任)意識が高まる中で、雇用率を上げようと正面から取り組む動き
も増えるだろう。
ただその中で、急いで数を増やすことに意識を向けすぎるのも良く
ないようだ。

 「今までマッチングを行ってきた中で、一度採用したけれども上手く
いかなかった企業が再度チャレンジするケースは非常に少ないん
ですね。
ですから精神障害者の雇用については、急いで数を追いすぎず、
とにかく丁寧に進めていくことが重要だと思います。
あくまで企業と障害者の方のニーズを汲み取ることが最優先。
まずは丁寧に裾野を広げていくことが先々の雇用創出につながる
と考えています」(同)

 まずは求職者の障害特性を理解し、それに応じた雇用制度や
配置を柔軟に行うこと。
そして、就業後のフォロー体制を確立すること。
精神障害者の雇用を行う上では、これらに一つひとつ丁寧に対応
していくことが不可欠だ。
雇用率が取り沙汰される部分はあるが、しばらくは着実に進める
ことを優先すべきなのかもしれない。

 川上さんが就業後のスタッフの様子を採用企業に聞くと、採用の
前は

「マネジメントが難しいのでは」

「きちんと働けるか不安」

といった懸念を抱いていた企業も、採用後は

「問題なく働いてくれています」

と返答するという。
 ハンディを持ちながらも、1人の従業員として普通に働いている
職場。
そのような例が今後さらに増えるよう、今後様々な機関の努力が
必要だろう。




有井 太郎 Taro Arii

長野県出身のフリーランスライター。
ビジネスマン向けの記事や企業取材を中心に、「R25」などの
媒体に寄稿している。
ウェブサイトから雑誌まで、多様なメディアで執筆。
企業の試みやビジネスマンが抱える身近な問題など、働く人々
の参考になる記事を書き続ける。



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>「2018年4月からは障害者手帳を持つ精神障害者の
雇用が義務づけられている」



>「障害者雇用の内訳を見ると、身体障害者が約76%、知的障害者
が約20%であるのに対し、精神障害者は約4%と大きく差が開い
ている」



>「やはり『精神障害者』という名前が与えるネガティブな
イメージが強い」



>「きちんとその人について理解を深めてもらえば、
決して雇用することは難しくありません」



>「冷静にケアできる方を企業が導入できていると、
定着率は上がってくるはずです」



>「今までマッチングを行ってきた中で、一度採用したけれども上手く
いかなかった企業が再度チャレンジするケースは非常に少ないん
ですね。
ですから精神障害者の雇用については、急いで数を追いすぎず、
とにかく丁寧に進めていくことが重要だと思います」





精神障害者の雇用がうまく進んでいないことには、
理由があると思う。
聴覚障害者労働問題でも同じだが、企業側が
問題点をクリアしていないからだ。
職場内障害者授産施設でも述べているように、
「放置」という現実がある。
そして、そこに居座る障害者、という構図だ。

精神障害者と一緒に仕事をしてきた立場として
思うことは、幾つかある。

ただし、まだ一人の精神障害者としか関わって
いないので、あくまでも一例として述べる。

私の場合は、精神障害者手帳3級の後輩(男性)
Yさんと一緒に仕事をしているが

「精神障害者雇用は難しいのではないか」

と思う。


まず、見た目とのギャップ、すなわち

「本人の外見、以前のキャリアと、現在の労働能力
との落差」

があまりにも大きく、他人のほうから見れば
理解できないのは無理もない。

「やる気が出ない障害」では、責任が伴う仕事は
無理だと判断せざるをえない。
さらに、そうした障害は理解しにくい、という点も、
初めは難題として、他の人に立ちはだかる。
本人も大変なのかもしれないが、
やはり他者も大変なのである。
そのために、大きな誤解も生じ、職場トラブルの原因
にもなりやすい、と思う。

『精神障害者』という名前が持っているネガティブ
・イメージよりも、この特殊性が厄介だと感じている。

私の職場の場合は、初めは精神障害者にも、
他の障害者と同じ仕事をやらせてみたのだが、
ダメだったので仕事内容を変えた。
今は、精神障害者に一人でやらせる仕事を任せて
いる。
一人でマイペースでやってもらうより、ほかにない。

普通は障害者でも一日に数件の仕事を任されるが、
Yさんは能力的に無理なので、一日に1件だけの
仕事量である。
それで皆、同じ給料である。
他の人から見れば、不公平感は否めない。

もし、多くの障害者がいる職場だったら、そんな状況
では浮いてしまうが、幸い、私と二人だけなので、
私が黙っていればいいことである。
影響の少ない、そうした小さな職場がよいと思う。
けれども、私だって我慢の限度はある。

正直、精神障害者がたった一人でも入ることによって、
障害者チームも、モチベーションは下がるのである。
それ以上に、実際に負担が大きい。
成果も落ちてしまう。
そのことを会社が無視できるとは思えない。

「やる気の出ない障害」では、彼らに定着できる
職場環境にすればするほど、他の障害者には
不満が大きくなるし、成果も落ちると思う。
彼らに代わって頑張る障害者には、負担が大きい
からである。

もともとは、上司の不公平な仕事配分が原因なので
あろうが、真面目にやろうという気はしなくなる。


精神障害者の勤務態度を見ると、初めは誰しも、
不快感を覚えるほどである。

例えば、私の職場にいるYさんの場合、身体は立派
な大人だが、小学一年生並みの頭脳しかないのである。
それでいて、自分のことはしっかりしている。
遅刻はゼロ、パソコンでの出退勤打刻や、交通費や
インフルエンザ予防接種などの申請も忘れずにきちん
とできている。

「どんな障害があるのですか?」

と、本人に聞いても

「薬を飲めば何ともない」

と言う。
ところが、仕事に関することは積極的に覚えようと
しなかったり、何度教えてもすぐ忘れる、
という有様である。

これを周囲から見たら

「やる気がなくて、自己中心なんだな」

としか思えないのである。
そして、誰もが面倒くさくなり、精神障害者のことなど
放っておくようになる。
このことを企業も恐れたり、雇用後に悩むために、
精神障害者の就労が進まない、また雇用しても定着
が失敗するのではないか、と思われる。


「理解」と言うが、現実は具体的な解決策を誰かが
提示しない限り、本人の放置は続くだけだ。
本人が積極的に解決しようという姿勢を持つことが
大切だ。
本人がそのように周囲に相談しようとしないのは、
問題である。






【追記】

書き終わってから思い出したのだが、
Yさんの入社前に辞めていったAさんも、うつ病だった。

Aさんの場合は、もともとは精神の障害ではなくて、
人工肛門の障害者だった。
しかし、大病による障害から立ち直れなかったらしく、
心の病にもなってしまった。
中途難聴者や中途失聴者にもよくある、二次障害である。

職場復帰してもうまくいかず、障害者手帳を取得し、
障害者枠に入った。
会社の特別扱いにすっかり甘えてしまい、
そんな彼の代わりにやらされてきた私は大変だった。
そのことは

『職場内障害者授産施設』(2013年9月~2014年6月)

で書いているので、ご存知の読者もいると思う。


上に書いていたYさんという精神障害者のことは

『職場内障害者授産施設 第二篇』(2014年9月~)

で書いている。

さらに、うつ病になった障害者といえば、Mさんという
ろう者もいた。
Mさんは職場で問題を起こしてしまい、会社を辞める
ことになった。

Mさんが再就職先を探す時、私は

「就職より、今はまず、うつ病を治してからにした
ほうがいいよ。
面接では、志望動機を何て言うの?」

と聞いた。
すると、Mさんは

「うつ病を治すためです」

と答えた。
それではダメだと言ったが、精神の障害がある人は、
自己中心に考えるところがあるようだ。
それはYさん、Aさん、Mさんの3人に共通していた。


「どうせ『職場内障害者授産施設』で働かせるのだから、
健常者には関係のないことだ」

といっても、そこで一緒に働く障害者への負担増は
大変なものだということを忘れてはならない。
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by bunbun6610 | 2014-10-29 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E