職場内障害者授産施設 第二篇 (12)仕事を任せられない障害者

『精神障害者の問題点』


外出勤務中に、S上司とバッタリ会った。

移動中に一緒に話せる時間があったので、
少し話した。

S上司は、ほぼ毎日、Yさんを助手代わりに
使っている。
だから、S上司はYさんのことも詳しいのでは
ないかと思い、ちょっと聞いてみた。


私;「Yさんは、本当は何の障害があるのですか?」

S上司;「さぁ・・・」

私;「教えたことを、Yさんはみんなすぐ忘れて
しまうんですよ。
だから僕も、教える気がしなくなってきたし・・・」

S上司;「そうそう・・・。
だから、重要な仕事は頼めない」

私;「毎朝いつも、出勤して来ても、Yさんは
何もしないですよね。
『やる気もないのかな?』と思って」

S上司;「やる気はあるけど、頭が回らない
んじゃないかな。
『すぐ眠くなる』って、言っていた」

私;「ああ、そういえば僕と一緒に移動中にも、
眠っていましたね。
Yさんは、前はどんな仕事をしていたのですか?」

S上司;「元はカメラマンだよ。
カメラマンでやっていけると思う。
どこが悪いの?」

私;「精神障害者です」

S上司;「ホントに? 手帳は持っているの?」

私;「3級だと言っていました」


しかし、こんなまとまりのない話だけで終わって
しまい、いい案は出てこなかった。
結局、誰もYさんの障害についても、
ほとんど何も知らないままだ。


精神障害と、私の聴覚障害とを比較すると、
精神障害のほうが、理解することも問題解決を
することも難しい、ということがわかる。

私の聴覚障害の場合は、問題点はコミュニケーション
方法の違いだけである。
これは、健聴者には筆談をしてもらうことだけで、
一発解決する。

しかし、Yさんの場合は、Yさん自身の問題である。
そうなってくれば、他の人にはどうにもできない
のかもしれない。
自己コントロールができない障害なのであるから、
どうすることもできない。

そんな不安定な障害だから、会社も

「失敗しても、やり直しができる仕事ぐらいしか、
頼める仕事はない」

のだ。
それでYさんにはほとんど仕事が与えられず、
私や他の部署の障害者にばかり、
仕事が与えられている状況である。

Yさんは、障害者のなかでも、孤立してしまう、
ということになる。
そして、代わりの負担を強いられる他の障害者は

「なぜあんな障害者を採用したんだ?」

と、不満に思う。
こんな関係障害まで起きているということを、
当の本人が気づかない。

見た目以上で、想像を越えた、非常に難しい障害だ。
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by bunbun6610 | 2014-10-27 18:30 | E.大手カー・ディーラー
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