職場内障害者授産施設 第二篇 (11)不真面目のすすめ

ある日、Yさんは営業スタッフのAさんの指示で、
N所へ出向くことになった。
夕方には二人とも仕事が終わったので、
Yさんと少し話した。


私;「今日はどこへ行きましたか?」

Yさん;「N所へ行きました」

私;「N所へは無事に行くことができましたか?」

Yさん;「行けました。
バスが1時間に2本しかなくて、でも今日は1時間
待たないと来ないと分かったので、行きはタクシーを
利用しました。
帰りはバスにしました」

私;「えっ?! そこは遠いの?」

Yさん;「遠いですよ~」

私;「・・・・・」(閉口してしまった)



私;「N所はね、KT駅から700メートルぐらいで、
歩いても10分ですよ。
T駅からでも、歩いて20分で行けるんですよ」

Yさん;「でも、インターネットで調べたら『徒歩25分』
ってありますよ」

私;「インターネット情報は参考までにしておいて下さい。
実際にどれぐらいかかりそうなのかは、地図を見れば
大体わかります。
Yさんの感覚では、『遠い』と感じるのは何分歩いた
場合なのですか?」

Yさん;「・・・・・」

私;「実際に、私がいつもやっている仕事では、
片道20分歩くなんて、よくあることですよ。
それで会社のお金を遣ってタクシーやバスを使うのが
当たり前だと思いますか?
やむをえない事情でもないと、認められませんよ」

私は、前の部長と、タクシー利用条件の話をした
ことがあるので、原則は

「タクシー以外に公共交通機関がない場合に限る」

ということを理解している。

しかし、Yさんはそれを理解していないで仕事を
している。


その4日後、N所へ行く仕事が再びあった。
しかし、D上司はそれをYさんにではなく、
私に頼んできた。

やれやれ・・・。
またこうなるのか・・・。

それでYさんは

「その日の午前中は何も仕事がなかった」

という。


仕事というのは、会社に貢献することである。
それをしない人は、信頼されないのである。

だからYさんは「お客様」なのである。
お客様だと思われているから、注意されるのでも
怒られるのでもなく、「しようがない」と思われる
だけなのである。
Yさんに成長はない。


このことを、不真面目に考えてみたら、
障害者雇用の場合

「真面目に働かない人」

「やる気のない人」

「能力の低い人」

のほうがラクだ、トクだ、ということになる。
たとえ真面目に働いていようがいまいが、
生活保護の不正受給者と同じ扱いになるのだ。

今年9月にも当ブログで公開した、障害者枠の
求人票を見れば、わかるだろう。
障害者はどうせ誰だって、昇給も賞与も、昇進もないのだ。
経験豊富な先輩も、何も出来ない新入りも、
やり気のある人も、ない人も、
能力のある人も、ない人も、
賃金は皆同じなのだ。
真面目に働くほうが馬鹿馬鹿しくなる世界なのである。

一般枠雇用だと健常者と同じ資本主義社会(競争社会)
に入って働くことになるが、障害者枠雇用だと共産主義
社会(非競争社会)に入れることになる。

もしあなたが、クローズでもオープン(※)でも働けると
したら、あるいは自由に障害者手帳を持つことも出来る
としたら、どちらへ入りたいだろうか。
実は、どちらを選ぶことも出来る障害者もいる。


(※)当ブログ

『難聴者の会社面接対策(3) 「オープン」と「クローズ」』
〔2011-07-07 20:55〕


参照。




ついでに、今の世の中には、こんな障害者向け
就職斡旋会社も堂々と存在する。

障害者手帳を活用して大手へ転職
|日本最大級/東京都の女性向け身体障害者
求人が4000件!大手・上場企業が多数
www.pojichalle.com


何か、怪しい会社のように思えるけれども。
でもこれって、ホントにできる話だ。

「障害者手帳があれば、能力がなくても大手に入れる」

というのは、本当の話なのだ。

こういうことができるようになったのも、
障害者雇用促進法、その助成金による、
ご利益のお陰なのだろう。
もっと皮肉を言えば、障害者手帳は“魔法の手帳”
なのである。


ともかく、それを使って、仕事は不真面目にやり、
小説を書くのもいい。
いい作品が出来たら、それを出版社に売り込み、
成功したら障害者雇用を辞められるだろう。

あの佐村河内氏も、もしかしたら、そんなところ
だったのかもしれない。
軽度の障害でも、困っていることは事実だが。


あるいは、障害者雇用とサイドビジネスを併用し
続ける、という手法もあるだろう。
本業はとりあえず障害者雇用にしておくが、
それは手抜きでいい。
自分が成功するために、サイドビジネスに精を出す。
それが軌道に乗ったら、障害者雇用なんか辞める、
あるいは障害者雇用のほうをサイドビジネスに転換
する、という手法もある。

そうすれば障害者の人生の楽しみも、増えそうだ。

これは間違いなく『障害者の経済学』になりうる。

こんな話を聞いたら、健常者は気分が良くないだろう。
しかし経済学的には、障害者もこれで、社会に大きく
貢献できようになるはずだ。
そして何よりも一番大事なことである、
障害者の自立にもなるはずだ。

不良で自立したって、別にいいじゃないか。
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by bunbun6610 | 2014-10-23 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E


ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

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