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蒼穹 -そうきゅう-

会社の職域差別は、なぜ「職場環境が悪いため」だと言うのか?

会社の労働組合と面談しました。
筆談してもらえたので、通訳者はなし。

主な内容を簡単に説明すると、

(1)組合への要望
  (聴覚障害者への職域差別撤廃を会社に伝えてもらうことを要望)

(2)要望する理由を説明。
  (なぜそれが差別であり、よくないことなのか)

(3)職場の実態を説明
  (私の今までの仕事内容。
   他の人との違い〔差別であることを説明するために必要〕)

(4)組合との質疑応答

(5)組合としてやれることを説明してもらった

                              以上

【(1)について】
(A)聴覚障害者だけに不当な職域差別を行っている実態がある。
それはどうしてか?
 (会社は改善すべき。もしこのままなら、その理由を説明すべき)

(B)組合は、このことを障害者に対する差別と見るか?
 企業側また健聴者と、障害者側には温度差がある。
 (差別に当たるならば、当然に改善してほしい。
しかし、差別には当たらないとするならば、この問題はどうなるのか?)

【(3)について】
「今の仕事内容」については、次のように説明した。
 ・書類の簡単なチェック
 →毎日、年中がほとんどこれだけ。
  この仕事もないときは、次のどれかの仕事に変わる。

 ・ゴミ処理
 ・シール貼り
 ・輪ゴム留め

「私だけ、皆と同じ仕事(他の作業)はやらせてもらえない」
と説明しました。
それを聞いた組合の人は、「なぜだろう?」と、首を傾げていた。


〔私の見解〕
会社が障害者を雇用するのは助成金目的であり、
福祉的就労しかさせない、と考えている可能性が濃厚。

会社の障害者雇用は、法令遵守(障害者雇用促進法があり、
違反すると罰金を払わなければならない)が第一の目的である
可能性が濃厚。

これは、障害者に対する、職域差別である。


(1)と(2)までは、特に難しいことはありませんでした。
理解が得られなかったのは(3)からでした。

差別と主張するとき、差別を行っている者だけでなく、
自分と他者(差別されていない者たち)との比較論も
避けては通れないように思うのです。

そうしないと、差別する側、それも聴覚障害者の
精神的苦痛について何も知らない健聴者には、
差別という事象そのものすら、ちゃんと見えていない
のではないか?
 と思われます。

ですから、差別されたと主張するときには、
必ずその状況も詳しくあぶり出さねばならなくなります。
この内に、職場環境的に見ても良くない要因があれば、
その問題も一緒に暴露してしまう、ということになります。

私の場合もまさにそれで、
当ブログ『障害者奴隷雇用促進法』〔2014-08-08 18:30〕
 →【1.やりがいのある仕事は全部、健聴者が独り占めしてしまう】

に述べたことを説明しました。


すると、組合の人は目の色が変わり、障害者差別問題のことより先に
「そもそも職場環境が悪いのが原因であって、差別しているという意識はない」
と話しました。

私の

「課長(言い換えると会社)は、聴覚障害者に対し、職域差別を行っている」
当ブログ『障害者が、就労後に直面する職域差別』〔2014-08-01 18:30〕参照)

という主張より、組合は

「まず、職場環境改善から始めることが必要」

という結論を出したのです。

私は「その結論には、とても納得できない」と言ったのですが、健聴者は

「差別ではない」

と考えているか、あるいは

「会社が差別している、と認めたら、後で裁判になった場合に問題になる」

と考えているか、あるいは

「そのような実態があったとしても、会社との関係も重視する組合としては
「差別」という言葉は、できるだけ使いたくない」

などと考えているのだろうと思います。

もし皆さん(特に、聴覚障害者の方に)なら、ここまでを読んで
「聴覚障害者への職域差別の原因が、職場環境にある」と言われたら、
どう思われるでしょうか?

私なら、組合の結論は、おかしいと思います。

各自(差別される聴覚障害者も含めて)への仕事の指示をしているのは
課長なのですから、職域差別の原因は課長(言い換えると会社)の
指示なのです。

職場環境の悪さのほうが、会社としては大きな問題なのでしょうが、
それは皆の意識が悪いからであって、聴覚障害者への職域差別とは
何ら関係がありません。
それをすり替えている組合がおかしいのです。

このことにより、差別問題の解決の難しさを痛感させられました。
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by bunbun6610 | 2014-10-17 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題Z1