障害者雇用に合わせた“仕事を切り出す”ということ

企業が障害者雇用で採用しているスモールステップ。
それが、実は永久型スモールステップだ。
働いている障害者側からは“職域差別”だという
見方も強い。

そうした労働契約を存在させることによって、
障害者に対して「能力がない」などという
過小・不当評価を合法化してゆく。
会社は

「不当評価や障害者差別ではない」

と主張する口実をつくっている。
しかし、そうしたことは結局、社会の弱体化に
つながることを、実は会社もわかっていない。
目先の利益だけにこだわっているからだろう。

このおかしな雇用法によって、障害者の労働
パワーを1/3にしてしまっているのだから。



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炎のジョブコーチ
『スモールステップ、刻みすぎ』
〔2014/8/27(水) 午後 11:37〕


就労支援では「スモールステップ」はよく使う方法で、大きな
ステップが無理な場合も、いくつかに分けることで課題を
乗り越えることができるというもの。
とても有効な方法です。

しかし、どれくらいのサイズでスモールステップを刻むかは
ジョブコーチのセンスになります。
また、対象者個人ごとに異なります。

今日、訪問した会社は、あまりに細かくスモールステップを
刻んでいました。
誰でも出来るがコンセプトのようですが、その分達成感は低く
なります。
誰でも出来ることは、やっても喜びは少ないですよね。

人は、出来ないと思っていたことが出来た!というのはとても
達成感があります。

達成感は自信、そして次へチャレンジの動機付けに続きます。
スモールステップの大切なポイントはこの達成感を味わうこと
でもあります。
なるべくスモールステップの刻みは、少し難しく、そこに少し
でもチャレンジがあることが理想です。
それで失敗させない丁度良さ、このあたりがジョブコーチの
センスになります。

就労後も、仕事はたくさんの「出来た」の機会があります。
そんな職場が人を伸ばす職場です。



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「炎のジョブコーチさんは、本当に働く意欲のある障害者
の気持ちを、理解されているようだな」

と思う。

「こういう人にこそ、障害者就労支援というより、
もっとパワフルで、日本を変える障害者就労を実現する
日本版サムハルの経営陣になってもらいたいくらいだ」

と思う。
そういう国営企業を、日本もつくれないのだろうか。
企業にバラ撒いている今の障害者雇用助成金は、
ハッキリ言ってムダ遣いだ。

同時に、たとえ能力のある障害者でも不当な理由で
不採用にしたり、不当に低レベルな職業にしか従事
させないような企業に対して、障害者差別という、
厳しい罰則を適用すべきだと思う。


要するに、今までのような形だけの法律を置くだけで
なく、実効性のある手段を用いるべきなのである。


私が見て「これは良くないな」と思った事例がある。



大阪府障がい者就労サポートセンター


『[PDF]
障害者をどのような職務に従事 9 させたらよいでしょうか?』



『はじめからわかる障害者雇用 事業主のためのQ&A集』
22ページ


「Q10;当社には障害者が従事できる仕
事がありません。
当社の社員の大半は資格や専門
技術を必要とする専門職なので、
障害者を雇用することは難しい
と思います。」

「A;障害者が従事できる職務を作りだします。」

「どの職場でも例えば事務所であれば、コピー
・シュレッダー作業、清掃作業、メールなどの仕分け
・配送、資料のセット・封入などやり方が決まった
簡単な作業があると思います。
これらの仕事は、社員の中に分散して組み込まれて
いる作業だと思いますが、これを集約し、新しい
職務として再構築することで、障害者の雇用が
可能となります。
社員にとっては、自分本来の職務に専念できると
いうメリットもあります。」



これが「“悪い”スモールステップ」の典型例だと思うのです。
障害者雇用では、大抵がこのようにして切り出された仕事、
単純な肉体労働が多いのだ。

決して、これだけが悪いと言っているのではない。

初めのうちは、こういう仕事だけというのは、健常者にも
誰にだってあるし、そういう経験も大切だと思っている。

問題なのは、こういう仕事しか与えず、雇用契約の終了
までずっと続く(定年までの一生涯である)、ということ
なのである。
これでは確実に障害者の、能力向上の機会を奪うこと
になる。
戦力になんかならない。
私が今働いている会社でもそうだし、ほとんどがそうした
現状だろう。
聴覚障害者でも転職が多い理由の一つが、
これなのである。

(そうういことだから、万一、その仕事がなくなった場合は、
契約満了になる。
これは、実質的に「会社都合による解雇」を意味する。
ところが実際は、障害者に折れさせて、自主退職させる
場合がほとんどなのだ。)

こうやって、健常者社員をサポートする仕事をさせるわけ
なのであるが、悪く言えば障害者雇用は、
やはり“健常者の奴隷”でしかないのだ。
であるからこれは、事業主や健常者に配慮した事案で
しかない。
障害者は

「働けるだけマシ」

と思って、文句も言わずやるだけである。


一方、「大きな」ということだったら「幅広い」という言葉
にも置き換えられると思うし、エリート社員の長期的育成が、
これに当たるのでは、と思う。
これはほとんど、健常者限定の職種になっている、
と言っていい。
でも、そこから漏れてしまった人たちは、もう伸びる機会
をほとんど失う。
まるで、アントニオ猪木みたいな闘魂の持ち主でもない
限りは。
まるで、選別作業が終わっている野菜のように、
自分の将来も、すでに決められているのだ。

会社としては一見、効率の良い幹部候補者育成法
かもしれない。
だがそれは、会社全体にとっては、大きな損失になる
のではないだろうか。
底辺で働いている、一人ひとりの力を見たらそうは
思わなくても、全員の力、すなわち“会社の力”として、
トータルにして考えたら、非常に大きいと思うのだが。

障害者も、同じだと思う。
いろいろな人がいる。
その個々の力を発揮できる職場にするということは、
まさしく企業の底力を上げる、ということになるだろう。

近年「企業のグローバル化」ということが言われている。
けれども、企業内は果たして、このようなグローバル基準
になっているだろうか。

あなたの会社の社長が、幾ら

「ウチはグローバル企業を目指しています」

と言ったところで、中身はまだまだ偏屈なんじゃないのか。



企業に障害者雇用を進めるためのアドバイス情報を
出すのはいい。
ただ、大阪府障がい者就労サポートセンターのような、
漠然とした説明ではピンとこないと思う。

例えば、上の情報に「聴覚障害者」を当てはめてみて、
考えてみよう。

「Q;聴覚障害者をどのような職務に従事させたらよい
でしょうか?」




「各々の障害特性を考慮することは重要ですが、
障害状況は一人ひとり異なります。
職場環境の改善や支援機器の導入、適切な教育
訓練により、障害特性上、不向きだといわれていた
職種に従事する障害者も数多くいます。

例えば、○ 聴覚障害者が接客している事例」



他にも


「Q10;当社には聴覚障害者が従事できる仕事が
ありません。
当社の社員の大半は資格や専門技術を必要
とする専門職なので、障害者を雇用することは
難しいと思います。」



「Q11;聴覚障害者を雇用した場合、施設・設備
をどのように改善したらよいでしょうか?」



「Q12;聴覚障害者を雇用した場合、怪我や事故
が心配です。
どのような対策をとればよいでしょうか?」




「Q13;聴覚障害者を雇用した場合、
コミュニケーションはどのようにとればよいので
しょうか?」




「Q18;採用後は職場で障害者のサポート体制を
作っていくことがよいといわれましたが、どのように
すればよいでしょうか?」




こういったことはどう思う?
働く人自身が決めることで、あとは適切なサポートが
あるかどうかの問題だと思うが。
大阪府が障害者差別を是認してどうする?


下の記事の場合は、これとは反対だ。
考え方の違いを、よく比べてみてほしい。


『合理的配慮と理解で、障害者の雇用促進を』
〔2011-12-07 20:48〕

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by bunbun6610 | 2014-09-30 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題B
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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
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