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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

<累犯障害者>猶予中の犯罪、知的障害判明で再び猶予

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140915-00000013-mai-soci


<累犯障害者>猶予中の犯罪、
知的障害判明で再び猶予


毎日新聞 9月15日(月)14時0分配信


執行猶予中の再犯となる列車往来危険罪に問われた大阪府内
の男性(35)に対し、大阪地裁(坪井祐子裁判長)が7月末、
再び執行猶予を付ける異例の判決を言い渡したことが分かった。

男性に知的障害などがあることが公判で判明し、地裁は

「福祉の支援などで更生が期待できる」

と判断した。
実刑を求めていた検察側も控訴せず、判決は確定した。
【服部陽】

 執行猶予中の再犯の場合、通常は執行猶予が取り消され、
再犯の分と合わせた量刑の実刑が科される。

坪井裁判長は、知的障害などの影響で犯罪を繰り返して
しまう「累犯障害者」であることを考慮し、弁護側が出した
更生計画を評価した。

 判決によると、男性は昨年、大阪市内の線路上に約3メートル
の棒を置いた。
通過した電車が接触したが、けが人はなかった。

地裁は今年7月31日、障害の影響で当時は心神耗弱状態
だったと認定し、懲役1年、保護観察付き執行猶予5年
(求刑・懲役1年6月)とした。


 男性は小中学校の普通学級と専門学校を卒業し、派遣社員
として箱詰めの仕事をしていた。
作業が遅いとして上司に注意されることはあったが、家族も周囲
も障害があることを認識していなかった。


 一方、20代以降に何度も警察ざたを起こし、2011年には民家
の洗濯物を盗んだ罪で初めて起訴され、懲役2年6月、執行猶予
3年の判決を受けた。


 今回の公判では弁護側の請求による精神鑑定が実施され、
広汎(こうはん)性発達障害と軽度の知的障害と診断された。

 弁護側は、社会福祉士と連携して「更生支援計画」を作成。
障害者施設への入所、コミュニケーション能力向上の訓練など、
福祉支援による更生を約束していた。

 坪井裁判長は判決言い渡し後、男性に

「裁判所は悩んだが、立ち直るチャンスを与えます」

と語りかけた。


 弁護人の大橋さゆり弁護士(大阪弁護士会)は取材に

「累犯障害者の更生には福祉と連携した訓練が必要で、
刑務所では期待しにくい」。

男性の母親(60)は

「障害に気付かず、自分の育て方が悪いと思っていた。
裁判所に配慮してもらいありがたい」

と話している。


 ◇進む福祉士との連携

 累犯障害者の再犯をなくそうと、福祉の専門家である
社会福祉士が弁護士と連携するケースが増えている。

 法務省によると、2012年1~9月に受刑した知的障害
(疑い含む)を持つ再犯者のうち、約5割が前回の出所から
1年未満に再び罪を犯していた。

 こうした累犯障害者は出所後に福祉の支援を受けられず、
犯罪を繰り返してしまう場合が多いとされる。
また、刑務所に収容するよりも福祉施設などで訓練を受ける
方が更生に結びつきやすいとの指摘もある。

 弁護士と社会福祉士の連携は広がりつつある。
先駆的とされる大阪弁護士会では、弁護士に社会福祉士を
紹介する制度も始めた。

 累犯障害者の刑事裁判を担当した弁護士が社会福祉士に
相談し、被告の生活歴や障害の程度から、更生支援計画を
まとめてもらう。
弁護士は公判で計画を証拠請求し、実刑ではなく福祉支援に
よる更生の必要性を裁判所に訴えることが多い。
ただ、裁判所が累犯障害者の実刑を回避するケースは異例
とされる。



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〔関連記事〕


『障害年金制度と障害者支援制度を見直しする必要性』
〔2013-10-21 18:30〕


後述した

『障害理由に「刑猶予を」
 窃盗事件公判で弁護側
 福岡地裁

 =2011/05/24付 西日本新聞朝刊=』

新聞記事を参照。





『刑務所は障害者の安息の場なのか
   -福祉・支援の未熟な国策が障害者を累犯に陥れる-』





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【追記】(2017年5月1日)


https://mainichi.jp/articles/20170211/k00/00m/040/170000c?inb=ys




知的障害者
「シャバが怖い」
 窃盗累犯、福祉の谷間


毎日新聞2017年2月11日 07時30分
(最終更新 2月11日 14時18分)




55歳無職男性の判決が15日、奈良地裁葛城支部で

 奈良県内の工場でビスケットなど菓子(400円相当)
を盗んだとして窃盗罪などに問われた無職男性(55)
の判決が15日、奈良地裁葛城支部(五十嵐常之裁判
官)で言い渡される。
男性は知的障害の可能性が高い。
前科10犯で、服役は通算約30年間に及ぶ。
社会経験がほとんどなく、親族や知人もいない。
検察側は懲役4年6月を求刑したが、弁護側は再犯
防止の観点から男性が福祉的支援を受けられる
よう求めている。

公判記録などによると、男性は徳島県出身。
中学卒業後、大阪府八尾市内の工場でプレス工として
働いたが、20歳の時に窃盗容疑で逮捕された。
20代に4回、30代に3回、40代に2回、50代に1回、
窃盗などの罪で有罪判決を受けた。

 更生保護施設に入ったこともあったが、なじめなかった。
刑務所から出所すると大阪・ミナミでサウナに寝泊まりし、
神社や空き家を拠点に食べ物を盗み、再び逮捕される
生活を繰り返した。
今回の事件は出所4カ月後だった。
担当する菅原直美弁護士(奈良弁護士会)によると、
男性は、人と接するのが苦手で、独力で社会生活を
始めることは極めて困難という。

 菅原弁護士は、福祉・医療の視点から被告に適切な
対応を取ることで再犯防止につなげる「治療的司法」に
力を入れており、男性についても経歴を調べた。
小中学校は特殊学級(現在の特別支援学級)に通って
いたことや、高知地裁での実刑判決(懲役5年)後、
高知市のNPO法人「はすのは」との間で受け入れ
合意が成立していたことがわかった。
手紙でやり取りをしていたが、受け取った手紙を男性が
理解できず、支援につながらなかったらしい。

 同法人の塩冶(えんや)一彦理事長(80)は菅原
弁護士から男性が奈良で逮捕されたと聞き、

「きちんとフォローしておけばよかった」

と悔やんだ。
公判では情状証人として出廷し、男性の受け入れを
確約した。

 菅原弁護士は

「いくら懲役を与えても効果がないことは、
これまでの経緯で明らか。
再犯させないことが、立ち直りと社会の利益を
両立させる最も有効な方法」

として、自立生活が難しい障害者らを行政の専門
機関が連携して対応する「特別調整」の対象とする
よう求めている。

【福田隆】


再犯防止へ要員が不足

 知的障害者の再犯防止について、国は司法と福祉
の連携を掲げて力を入れている。
しかし、専門知識を持つ要員が不足しており、
関係機関の連携には課題が多い。

 法務省法務総合研究所の報告書によると、2012年
に知的障害者(「疑い」を含む)の受刑者548人を調べた
ところ、入所回数は平均3.8回(受刑者全体は同3.1回)。
65歳以上では「5回以上」が68.5%(全体では43.9%)
で特に多かった。
療育手帳の所持率は知的障害者で45.6%、
「疑い」は11.9%で、多くは福祉的支援から漏れていた
可能性が高い。

 昨年12月、再犯の防止等の推進に関する法律が施行
された。
犯罪を犯した高齢者や障害者について、官民で適切な
医療・福祉サービスを提供して再犯防止に努めることを
政府の責務と定めた。
生活が困難な高齢者や障害者は「特別調整」の対象として
フォローされるが、法務省の調査によると、福祉的支援が
必要にもかかわらず特別調整の対象とならずに釈放された
人が13年に600人程度いるとされる。


服役は通算約30年間 「刑務所の方が安心する」

 男性は1月下旬、勾留先の葛城拘置支所で毎日新聞
記者の面会に応じた。主なやり取りは以下の通り。

 --なぜ何度も刑務所に入る事件を起こすのか。
 行くところがない。
シャバにいることが怖い。(社会と自分の)感覚が違う。

 --何が怖いのか。
 人と接するのが怖い。小さい時からそうだった。

 --公判の被告人質問で過呼吸になった。
 人前に出ると緊張してしまう。

 --しかし、犯罪は悪いことだ。
 それはわかっている。
でも、生活がかかっているから。
刑務所の方が安心する。
こういう人は刑務所にいっぱいいる。

 --何度も刑務所に入る人生についてどう思うのか。
 悲しい。
でも、今回は支援してくれる人たちがいるから大丈夫だ。

 --どんな生活を送りたいか。
 地道に普通の生活がしたい。
おやじの墓参りもしたい。




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by bunbun6610 | 2014-09-16 20:38 | 障害者問題・差別