平成20年(2008年)6月1日改正道路交通法の前と後

自動車運転免許制度への疑問
『平成20年(2008年)6月1日改正道路交通法の前と後
 - 差別黙認から反差別へ』


『聴者の不安払拭のための聴覚障害者運転免許制度』



ウィキペディアによる『聴覚障害者標識』〔概要〕
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%B4%E8%A6%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E6%A8%99%E8%AD%98


「2008年(平成20年)6月1日の道路交通法改正による聴覚障害者
に係る免許の欠格事由の見直しに伴い導入された。

補聴器により補われた聴力を含めて、10メートルの距離で90デシベル
の警音器の音が聞こえるものという、免許取得の従来の基準を
満たさない者でも、運転する車種を限定した上で、「特定後写鏡」
(ワイドミラー)を設置していることを条件に、車の運転を許可された者
は、当該標識を、運転する車両の前後の視認性の高い部分
(地上0.4 - 1.2メートル以内)に掲示して運転しなければならない。

2012年(平成24年)4月1日の改正まで運転できる車種は
専ら人を運搬する構造の普通自動車と定められており、原動機付
自転車、小型特殊自動車、貨物自動車の運転はできなかったが、
原動機付自転車・貨物自動車については解禁された。

また取得できるのは普通免許と自動二輪免許(2012年(平成24年)
4月1日から)だけであり、中型免許・大型免許などは取得できない。

また、初心者マークと同様に、周囲の運転者はこの標識を掲示
した車両を保護する義務を有し、幅寄せ・割り込み(やむを得ない
場合は除く)などの行為を行なってはならないと定められており、
表示車に対して幅寄せ・割り込みをした場合は交通違反となる
(詳細は割り込み (運転)を参照)。

なお、表示は義務となっており、表示しなかった場合、違反点数
(1点)、反則金などが課せられる。

ただし、2012年(平成24年)4月1日に解禁された二輪車について
は構造上表示が難しいため表示義務の対象から除外される。


このマークはあくまで耳の形をモチーフとして蝶にも見えるように
デザインされたものであり、「聴」と「蝶」を掛けて、蝶々のマークに
なったというのは俗説である。
定まって間もないため「若葉マーク」や「紅葉マーク」のような俗称
は2009年(平成21年)11月現在定着していないが、一部で
「蝶マーク」[2]、「蝶々マーク」[3]という呼び方がされている。
なお、「耳マーク」は、一般に別のマークを指して用いられる[4]。」



〔関連情報〕

『道路交通法の改定と課題
―聴覚障害者を中心に―
臼井久実子・瀬山紀子』
〔「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年9月号〕





健聴者は、自動車の運転免許試験で、わざわざ聴覚の検査
など受けたことがないだろう。
しかし、私は実際に、この検査を受けたことがある。
私も、ろう者と一緒に、である。
健聴者が実施したその方法は、実におかしな聴覚実験のよう
だったので、笑ってしまう。
紹介しよう。


※これは実際に、約25年前の埼玉県大宮試験場で実施
されていた聴覚障害者の試験方法である。


まず、試験を実施する場所は、試験場内の静かな場所
である。
広い運動場のような場所に車が置いてあり、その前方
10メートルの位置に被験者を後ろ向きに立たせる。
そして、3回実験する。
3回とも違う問題、つまり、クラクションの鳴らし方を
変えていた。

初めに、検査官が受験者に

「私がクラクションを鳴らすので、後ろを向いたままで、
何回聞こえたか、指の本数で表してください」

と、やり方を説明した。

例)
1回聞こえたと思ったら、人差し指だけ立てる。

2回聞こえたと思ったら、二本指を立てる。

3回聞こえたと思ったら、三本指を立てる。


試験官が実際にこうやって見せて試験及び解答方法を
説明した。
一人ずつ順番を待ってやるので、他の人はまず見ている。
だから検査官も問題の順番を変えて実施していた。

問題例(クラクションの鳴らし方の例)は、次のよう
になる。
勿論、他の鳴らし方もある。

1回目;「プーッ。」

2回目;「プーッ。・・・プッ。」

3回目;「プーッ。プ、プーッ。」


こんな感じの音出しをし、引っ掛け問題のように
細工して検査するのだった。
つまり、この検査では聞こえるだけでなく、音を
区別できなくてはならなかった。
これは、法令に基づく条件には書いていない。

法令では

「10メートルの距離で90デシベルの警音器の
音が聞こえ」

ればいいはずだ。
わざと小さく鳴らして、その総回数をまで聞き取れ
なければならない、という意味に相当する文言はない。

そもそも、その小さく鳴らした音は、90デシベルには
遠く満たぬ音だと、私は思ったのだが。

なぜこんなおかしな検査をするのだろうか。

もちろん、受験者は補聴器を装用していて、この時だけ
はボリュームをMAXにしているだろうから、
聴こえるに決まっている。

しかし、実際に車を運転する場合、その道路状況は、
もっと多くの種類の音が、複雑に混じっているはずだ。
その雑音が入れば、小さく鳴らした警報音など、
聞き分けられるかどうかはわからないと思うのだが。

それなのに、静かな場所でクラクションの音(大きな
音や小さな音)だけが聞こえるかどうかをテストしても、
実践的とも安全確認に必要な検査とも、到底思えない。

このテストの状況を見ていて、私もろう者も全員合格だった。

だが、もしも音は聞こえても、鳴らされたクラクションの
音数を正しく答えられなかったろう者がいたとしたら、
その人への判定はどうなるのか?

このテストをやる意味はあるのだとしたら、やはりその
ろう者の場合は、落とされるだろう。

しかし、例え落ちたとしても、再試験の時は、そのろう者
だって、次はもっと強力な補聴器を借りてきて、
聞き取れるようになるかもしれない。
ボックス型補聴器ならば耳掛け型よりも、もっとパワー
がある。
そして、試験が通った後、運転の時には、もう使わない
かもしれない。
あるいは、運転中は、使っているフリをしているだけ
かもしれない。

考えられる方法は4つある。

①補聴器を試験時と同じように装用する。

②補聴器を装用するが、電源スィッチは入れない。

③補聴器を装用するが、ボリュームを目一杯下げる。
 (ハウリングはしなくなるが、補聴器の役目はほとんど
  果たさなくなる)

④補聴器を装用しない。


上の行為を健聴者から見ると、①は違反ではない。

では、②と③は? これを健聴者は、どうやって識別
できるのか?

④は健聴者からも、明らかに違反と見える。
しかし、車の中の運転者が装用している小さな補聴器を
見るのは容易ではない。
実際は、見つからなければ装用しないことだってあるのだ。
普通自動車の免許所持者は、原付自転車の運転も認め
られているが、それもヘルメットを被るから、補聴器をして
いるかどうかは、外見からだけではわからない。




これは、2008年の道路交通法改正によってようやく、
クラクションの音も全く聞き取れない聴覚障害者にも条件
付きで免許が交付可能とされるように変わった。
それより昔は、全く聞こえないろう者が、警察側の実施して
いた運転免許試験方法により、差別を受けていたのである。

今は、このようなテストは実施していないかもしれない。
だが、ろう者への差別を語る歴史の一ページとなるだろう。

彼らが免許証を取得後、実際に車を運転するとき、果たして
補聴器のボリュームをMAXにすると思うだろうか。


あるろう者は、こう言う。

「補聴器をしないほうが、安全運転に集中できる」

この証言が一体、何を意味しているのか、健聴者はよく
考えるに値するだろう。
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by bunbun6610 | 2014-09-02 18:30 | 運転免許制度への疑問


ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

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