健常者の“変な親切を押し売りする障害者差別”

『健常者の“変な親切を押し売りする障害者差別”』
 - 国連・障害者権利条約 〔間接差別〕



6月末に、職場の先輩障害者Aさんが退職した。
退職理由を聞いてみたかったが、Aさんと私の関係は、
会社の著しい差別的取扱いが原因で、犬猿の仲だった。(※1)


(※1)
『職場内障害者授産施設
 - 「五月病」と「犬猿の仲」』
〔2014-05-27 18:30〕




だから、聞いても多分、正直に話してくれなかっただろう。

それでも、状況から推測すると、Aさんはやはり、
会社の話し合いを拒否できるわけもなく、
結果的には辞めざるをえなかったのだろう。(※2)


(※2)
『障害者の退職』
〔2014-06-30 18:30〕




Aさんは障害者だが、障害の等級は4級なので、
障害年金はもらえない。
今は65歳まで年金の受給ができないのが原則なので、
Aさんも「65歳まで、ここで働きたい」と言っていた。
だから、その前に辞めるはずがなかったのだ。
だから、私の推測は、ほぼ当たっていると思う。


これまでも、自分も含めて、障害者が辞めさせられる状況を、
様々な企業で目撃してきた私だからこそ、直感的にわかるのだ。


『会社が障害者解雇するときの極秘面談』
〔2010-01-18 18:00〕



Aさんの退職後、S上司にさりげなく聞いてみた。


私;「最近は仕事量が減って、障碍者の仕事も減ってしまい
ましたよね。
でも、障害者でも、やれることはたくさんあると思うのです
けれども。
例えば、今やっている仕事内容は、他の店舗でもありますよね?」

S上司;「あるよ」

私;「それじゃ、こっち(今の障害者配属部署)に仕事がない
時は、そっちへ行って手伝うとかすれば、障害者の仕事量も
維持できるのではないでしょうか?」

これは勿論

「こうすれば会社は、まだAさんを辞めさせなくて済んだの
ではないか」

という本音が、私にあったからだ。
しかし、S上司は健常者側の都合を言ってきた。

S上司;「仕事はあるのだけれどもね、それ以前の問題がある。
今の部署の人は、みんなキミのことをわかっているでしょ。
でも、一時的なヘルプ業務で、キミのことを知らないところへ
行ったら、どうなるか?
事故とか起きるかもしれないよ」

私;「あー、なるほど・・・。
それを心配しているんだ・・・。
私の障害を理解していないところへ行くと、事故とか、
トラブルが起きてしまうかもしれませんね」

S上司;「そうだろう。
だから、そういうわけにもいかないんだよ」

私;「でも、ウチの部署だって、今までトラブルが起きた
ことはありますよ」

S上司;「実はね・・・。
ウチにいる人の何人かは、最初は他店舗にいたが、
成績不良でここに異動になったヤツもいるんだ」

私;「あー・・・。
そういえば、F上司って、よくトラブルやミスが
出ましたよ」

S上司;「あいつはバカだからだよ。
そういうのもいる」

私;「どこの会社にだって、一人ぐらいはいますよね。
そういう人は」


聴覚障害者ときちんとした筆談コミュニケーションが
できないバカが、どこにだって一人ぐらいはいる、
というのなら、それは仕方のないことだと開き直れない
ものだろうか。

なぜ、そのリスクを恐れるばかりで、「障害の克服」という
チャレンジ精神を持たないのだろうか。
障害者だけに努力させ健常者は何もしない、
というのはアンフェアなのではないだろうか。
これでノーマライゼーションなんて、本当に実現できる
だろうか。

なぜ、能力の低い健常者のせいで、有能な聴覚障害者まで
諦めなければならないのか。

残念だが、そのツケは結局、真っ先に聴覚障害者への差別と
なって、跳ね返ってくる。

健常者の消極的な姿勢一つで聴覚障害者は、様々な仕事を
覚える機会、自分の能力を伸ばす機会、評価される機会、
昇進昇級でき、障害者福祉への依存から脱却できる機会など、
あらゆる可能性を奪われてしまう。
聴覚障害者は、能力がないのではない。
愚かな健常者によって、無能力化されてしまっているのだ。

それでも、これを「仕方がない」と諦める聴覚障害者は結構多い。
しかし、これに納得できない聴覚障害者だって、少なくはない
と思う。

あなたなら、どう思うだろうか?


こんなふうでは、いつまでたっても、聴覚障害者を理解する
輪は、社会に広がらない。
健常者は、理解促進なんかする気はないのだ。
手話サークルがやっている、あの馬鹿馬鹿しい手話ごっこと
同じだ。

それはやはり、聴覚障害者を理解することも、会社にとっては
負担になる、と考えているからなのだろう。
だが、これが差別なのだ。
こういうふうに、聴覚障害者を閉じ込めておく発想、
雇用のあり方がバリアであり、真の差別なのだ。
そして、これを「配慮」と勘違いしているバカが、健常者なのだ。


もしかしたら、聴覚障害者ジョブコーチの仕事をしている人も、
この記事を読んでいるかもしれないので、書いてみよう。


「仕事を覚えるまでのサポートをしても、その部署での仕事
がなくなれば、その障害者はクビになるのですか?

私たち(ジョブコーチ)の仕事も、それだけの価値しかない、
と言うのですか?」

こんなふうに思っているかもしれない。
企業の“障害者使い捨て雇用”が、助成金も就労支援という
努力も、ムダにしているのである。

企業は障害者だけでなく、女性を主とした社会資源まで
バカにしているのか?
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by bunbun6610 | 2014-07-15 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E

ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610