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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

聴覚障害者が、就労後に直面する職域差別



「ある日、会社の部門別個人能力評価面談が
行われました。
社員の一人ずつが個室に呼ばれて、
上司(S課長、M係長)と2対1の面談が
行われました。

そこでS課長は筆談で説明してくれました。
これは大変ありがたいことです。

ただ、内容となると、私に対する評価は普通で、
今後もっと努力して欲しい、という
要求的意味合いの説教へと変わっていきました。
私はこの評価も、話し合いにも納得できなかった
ので

「どうして私の評価は普通なのでしょうか?」

と尋ねました。

するとS課長は

「他の人はもっと仕事量をこなしているから、
あなたももっとやってほしい」

と言いました。

私は唖然としました。
なぜなら、課長は普段から、私の職場には
全くいないので、状況をわかっていません
でした。

それで他の者と私の仕事の成果を比較した
発言、それもS課長自らの作り話で先輩の
怠慢のツケを私にゴリ押ししようとしてきたので、
私は怒りの感情を抑える一心で、
震えていました。
私は

「この課長を殴り倒してやりたい!」

と思っていましたが、それでもガマンし、
自分の見方を正直に伝えました。

何をどれだけやったのか、個人実績を示す
データがあるのに、その評価ではおかしいと
話してみました。
しかしS課長はなおも、おかしな主張を
続けました。

S課長;「あなたはまだ入ったばかりだから、
これからもっとがんばって、仕事量をこなして
ください。
今後、人を減らしたいので」

私;「入ったばかりの人は、私だけでは
ありません。
この職場の多くの人が、私と同期、または
後に入った人もいます。
その人たちは最初から先輩と一緒に、
いろいろな仕事を与えられているのに、
私だけにはどうしてそういうことになるので
しょうか?

なぜ私だけが、書類の枚数を数える仕事
だけ一日中、毎日やらされるのですか?」

(ここで私は

「あなたは障害者を差別していませんか?」

と言いたかったが、これを言うと雇用契約を
終了させられる可能性が高くなるので、
ガマンしました)

S課長;「その仕事も大切な作業です。
だからもっともっとやって、実績を積んで、
周囲の人もあなたを評価するようになれば、
あなたの仕事も少しずつ増えていきますから」

私は、S課長のデタラメ話を見抜いていたので、
言いくるめられている、と分かっていました。

それで、ついにこう言ってしまいました。

私;「障害者は、計数器ではありません」

するとS課長とM係長も怒った表情になり、
課長は持っていた鉛筆を机上にぶん投げて、
私をにらみつけました。

ただ立場の違いだけでわからせようとしている
S課長には、今も全く信頼を寄せず、それ以来、
課長とは全く会話をすることもなくなりました。

会社では人間関係が大切なことは、
私もわかります。
しかし、こんなに差別的な状況で、
それでもガマンするだけなんて、
おかしいと思います。


この話を他の聴覚障害者にもしたら、
大笑いしていました。
さらに、就労状況のことも聞いてみましたが

「皆同じ。
むしろ、雇ってもらえるだけでもありがたい、
と思うべき」

と言われました。
意外とあっさりしていました。

やはり肝心なのはガマン。
差別にもめげない、ガマン強い人でないと、
会社では生き残れないのかもしれません。」

なるほど。
会社は人員削減、ローコスト管理実現のために、
障害者合同面接会に出掛け、
真面目に働きそうな障害者を探しに行くのか。

確かに、助成金が出る障害者を雇用したほうが、
やる気がなくて賃金も高い健常者を雇い続ける
よりも、ローコスト管理という面でメリットが大きい。

上の会話で、S課長が言っていることの意味は
要するに、

「キミは助成金と、ここの部署のコスト削減の
ために雇っている。
そのために、ここで定年まで頑張ってもらうよ」

ということなのだろう。

道理で、幾らここでがんばっても、
M係長からは

「人事異動はない」

と言われたわけだ。

この会社は、職域だけでなく昇給・昇進の面でも、
聴覚障害者に差別していることになる。
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by bunbun6610 | 2014-08-01 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題Z1