障害者の退職

就労後の聴覚障害者問題E


ある日の朝礼で、Aさんが上司に紹介されて、
皆の前で何か話をしていた。

こういう、重みのある状況というのは、人事異動の話だろう。
後で近くの人に尋ねてみたら「辞める」という。

そういえば、Aさんは最近、何回も上司や役員に呼ばれて、
個室で会談、ということがあった。
欠勤が多くて、元気もなかった。

お別れの日、久しぶりにAさんと話したが、
以前のような強気は、どこかへ飛んでいた。

おそらく、最近の会談内容というのは

「どう? そろそろ辞めないかね?」

といった類の話だったのだろう。


もし

「辞めてもらう」

という話だったら、何回も会談する必要なんかない。

会社も、それなりの手数を踏んだ上で、Aさんに
「辞める」と決めてもらったのだと思う。
逆に言えば「品の良い辞めさせ工作」だったのだろう。

Aさんが辞めるのは「会社都合」か「自己都合」かは、
わからない。
しかし、いずれにしてもこれは「リストラ」と同じだ。
5月に騒がれたユニクロのパワハラ問題と比べたら、
まだいいほうだが。


こうなる時には、次のような状況になる。
これは、Aさんの状況から把握できたことである。


●次第に、仕事を与えられなくなる。
仕事はあるのに、他の障害者ばかりにいってしまう。

●幾ら休んでも、何も言われない。
無視されている。

●上司や人事、役員に何度も個室に呼ばれ「そろそろ
辞めないか?」などと、言われるようになる。



こうなった時にはもう

「その対象者はリストラのリストに入れられている」

と思っても、間違いないだろう。

そういえば、D上司も

「サラリーマンは、何か言われているうちが華だよ」

と言っていた。

リスト入りが決まると、もう会社は

「何が何でも、辞めてもらう」

という方向で、話をするだけなので、
それ以外のことで話し合おうとしても、
会社は聞き入れないものだ。
慌てて真面目に働いたところでも、手遅れだ。

これで、一時は三人まで増えた障害者雇用も、
とうとう、私一人になってしまった。
新たに障害者を雇うかどうかは、わからない。

だが、今の業績のひどい落ち込みで健常者の
人員削減もあるのだから、新たな障害者を雇い
入れる可能性はない、と思う。
これも“アベノミクス”の副作用なのだろうか。

今まで、Aさんに仕事をやってもらうことはほとんど
なくなっていたのだから、私一人でも間に合っている。
残った私は、これからはずっと一人でやることになる、
と思う。
これは、残る方も大変だ。

真面目に働けば、一人だけ残されるし、真面目に
働かない人は、リストラになる。
やっぱり世の中は、どっちも大変だ。
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by bunbun6610 | 2014-06-30 18:30 | E.大手カー・ディーラー
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