口話で聴覚障害者に伝える時の注意点

健聴者は、よく

「聴覚障害者は、口の動きを見て、言葉を読み取る
のが上手い人が多い」

と言う。
必ずしも、そういう聴覚障害者ばかりではないが、
通じることもあることは確かだ。
どちらかといえば、先天性の聴覚障害者のほうが、
上手い人がいるようだ。
私も、上手いほうではないが、職場では可能な限り、
口の動きも読んでいる。

私が今の職場に配属された時も、初めはどうしていいか、
何もわからない健聴者ばかりだった。
それで、最初は皆、筆談一辺倒だった。
健聴者にしてみれば、ものすごく大変なことだった、と思う。

しかし、半年もすれば、それに疲れてきた健聴者はほとんど、
口話を使う人も出てくる。
その時、その口話を工夫する人と、そうしない人とがいるのだ。
これが、聴覚障害者への配慮の有無となり、大きな差になる。

つまり、健聴者には、その方法で聴覚障害者に伝えるのが
上手い人と、そうでない人とが出てきた。
そんなバラつきがあって、受け手の自分にも、わかって
きたことがある。

上手い人は、もう声で伝えることには、こだわっていない。
声では限界があることを理解しているからだ。
だから、声を出していないで、口型をしっかりと表現して、
聴覚障害者に見せているようだ。
この時、相手は伝わっているかどうか、私の表情もよく
見ているのだ。
すると、聴覚障害者のほうも、読み取りやすくなるし、
伝わったかどうか、相互確認ができるのだ。
障害者雇用でする仕事そのものが単純であるため、
何かヒントを言うだけで、聴覚障害者にはもうわかる
場合が多い。


反対に、怒鳴るだけのタイプの人がいるが、こういう人
の場合は、ただ声を大きくすれば聞こえると思っている
らしい。
要するに、単細胞者なのだ。

いきなり怒鳴ると、補聴器には響くし、補聴器の音量抑制
機能(※1)
が働いて、音をストップしてしまう場合もある。


(※1)例えば、
『アナログ補聴器とデジタル補聴器』
【自動音量調節】や【騒音抑制装置】
http://www.omi.gr.jp/haid/ana_deji.htm



補聴器が“ビックリ”してしまうと、音がプツッと切れてしまうのだ。
これは、補聴器装用者の残存聴力に損傷を与えないようにする
ため、補聴器に仕込まれている安全機能だろう。

それでは当然、聴こえる音も聴こえなくなる。
勿論、その健聴者は、そういうことも知らない。
その健聴者は、無駄な努力をしているだけなのである。
聴覚障害者だって、頑張って聴こうとしても、
ムダに決まっている。


少し極端な例かもしれないが、聞き取れなかった
聴覚障害者に突然、大声で

「かき! かきだよ!!」

とだけ言って怒鳴っても、何のことだか通じない場合
もある。
こんなときは、次のように変えてみる方法もあるだろう。


『カキの話』
〔2011-11-10 21:38〕



聴覚障害者に、口型だけで上手く伝えるコツを教えよう。
口型を見せるようにして、少しだけゆっくりと、
短く話すと良い。

長い話をいっぺんにせず、区切りを適当につけると良い。

あるいは、健聴者と話す場合と同じではなくて、
長い会話文は短文に変えて、重要な部分だけ言えば、
後は聴覚障害者が推測で当ててくれることも多いものだ。
それを活用しない手はない。
私ならば、あの“オウム返しのマジック”(※2)を使う。


(※2)
『聞こえなくてもわかる(通じる) - 健聴者の「身振り」と、
私の「オウム返しのマジック」で』
〔2014-04-12 18:30〕



慣れている場合は、もう口型だけ(声はなし)で十分通じる。

こういう会話形式が、実は聴覚障害者同士でも多いし、
通じやすくなる場合が多いのだ。

ただし、その方法は、いつもやっているような仕事の指示
では使えるが、全く初めての仕事を頼む場合には、
やっぱり筆談などを用いたほうが良いだろう。
読話は、実はそれだけで完全に読み取るのは難しく、
推測も活用するからである。
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by bunbun6610 | 2014-08-05 18:30 | コミュニケーション能力
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