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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

難聴者みたいに見える“音楽聴きながら族”

最近は“ながら族”が本当に増えた。

両耳イヤホンで音楽などを聴いている健聴者がいる。
歩きながら、ジョギングをしながら、自転車を運転しながら、
電車・バスに乗りながら、本を読みながら、
ゲーム(?)をしながら、音楽を聴いているらしいのだ。

電車の中で聴きながら、何かブツブツとしゃべっている
健聴者もいる。
これは多分、英会話などの練習をしているのだろう。

しかし、最大の迷惑は、何と言ってもスマホ族だ。
通勤時間帯だというのに、混雑した駅構内通路、階段を
歩きながらスマホを見ているので、歩行スピードの乱れを
つくってしまうことがある。
あれは、すごい迷惑だと思う。

電車の乗り降りの際でも、ドアの前で平気で立ったままで
いる人もいるのだから。
ドアが開いたときに、すぐに動いてくれないのだ。

そんな勝手なことをやっている健聴者を見ると、
イライラする日もある。
私は、ちょっとした意地悪をしてやりたくなった。
“音楽聴きながら族”の健聴者に対して、聴覚実験を
やってやるのだ。

私が横から話しかけても、相手は気づかない。
どうせ聞こえないのだからと、失礼なことを言って
やったりする。
健聴者が聴覚障害者をからかっているみたいに。
周囲の人には聞こえているけれども、当人には
聞こえていない。
悪いことだが、これって、自分がやる立場になると、
案外快感である。

「これって、難聴と同じだ」

なんて思った。

そこで、相手の視界に入って、話しかけてみた。
すると、やっと気づいて、イヤホンを外してから

「何ですか?」

という表情をして、私を見つめた。
話しかけたら反応はするし、しゃべれるのに、
聞き取れていない。
これだって「難聴」と同じだ。
それが「難聴」なんだよ。
自分では自覚がなくて、自分は何も悪くはないと思っている。
けれども、周囲の人は案外、怪訝に思って、
人間関係も知らずに悪くなっていったりする。

そして

「難聴者と話しても面白くない」

とでも言いたげな健聴者の気持ちもわかった。

以来、何人かの健聴者に、この実験をやってみたが、
皆同じ反応しかできなかったのだ。
これって「難聴」と同じだ。

すると、そんな人は、みんな同じように見えて、
つまらなく見えてきた。
これも「難聴」だ。

難聴者が書いた本にもあるように、難聴という病気は、
実はその人の人格を貧弱に変えてしまう。

やっぱり、健聴者なら健聴者に話しかけたほうが会話になるし、
会話として面白いに決まっている。
ろう者が、やっぱり筆談よりも手話で話したいのと同じだ。

道理で健聴者は、難聴者に話しかけなくなってしまうわけだ。
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by bunbun6610 | 2014-07-28 18:30 | 難聴・中途失聴