新年度の人事異動で起きた問題点

4月から、私の職場でも、大きな人事異動があった。

3月までの“駆け込み需要”が終わったので、
会社は早くも守りの姿勢、つまり営業力を落としたのだ。
それで、営業部員の人数もだいぶ減った。

業績は当然、大幅に落ちたし、それを予測していた会社は、
労働組合が要求していたベアも見送っていた。

そればかりか、人数を減らされたうえで、
今まで通りの仕事をこなさなくてはいけない。
そのシワ寄せというか、雑用のタライ回しが始まったのだ。

「商品カタログを用意しておく」という、大変だけれども、
ごく簡単な雑用がある。
これは以前は、F上司が担当していた。

発注と納品、そして、すぐに使えるように一式にセットしておく、
という仕事を、昔はF上司がやっていた。
後から入社した私も、いつの間にか、それを手伝うように
なっていた。

ところが、4月の異動でF上司がいなくなってしまったので、
この仕事の引継ぎをE上司がやることになった。

最初の2、3回はE上司がこなしていたが、
仕事のやり方がわからないのか、それとも面倒くさいのか、
Aカタログと、その中に挿入するBカタログ、価格表の発注量が、
なぜかバラバラだった。

それでカタログが一式として揃わず、セット作業をする私にも、
それを必要としている営業部員にも不都合が出てしまっていた。

それでも、誰も問題点を口に出さないので、私も困っている
一人として、その改善要望をE上司に伝えた。

すると、E上司はキレたように

「SAさんに言って」

と言い放った。
SAさんとは、E上司の部下の一人である。
それ以上、私と関わろうとしなかった。
ということは、これは

「今度から、SAさんにやらせることにしたから」

という意味だ。
これでは“仕事の丸投げ”ではないか。
すぐに、E上司に対し、嫌気がしてきた。

ところが、SAさんの担当になっても、
肝心の本人が一向にやる気がない。
確かに、丸投げされた雑用が自分のところに
回ってきたのだから、
いい気がしないのは無理もない。
それで、カタログ発注が原因による過不足問題
は解消しなかった。
SAさんは、ほとんど職場にはいないので、
文句も言えない。
そこで、私はもう一度、E上司に相談してみる
ことにした。

しかし、やはりE上司は

「SAさんに言って」

と言うだけで、真剣に対応しようとしない。
そこで、紙に書いて、それをSAさんの机の上に
置いておくことにした。

翌日、SAさんはそれを読んだはずなのだが、
何も言わない。
カタログの発注量も相変わらずバラバラで、
問題点が直っていなかった。

そこでもう、D上司へ話を振ってみた。
するとD上司も

「何度も何度も言わないと、わからないから。
(SAさんに)また言ってみて」

と言う。
またも、タライ回しにされた。

忙しいD上司も大変なのはわかるが、この言葉
を聞いて(筆談を読んで)、下っ端社員、特に
障害者社員は、何度も何度も言わないと、
要望が聞かれない、という辛さもある。

これがもし、逆の立場だったら、結果は正反対になる。
部下たる者、同じミスをしてしまえば、上司には
必ずといっていいほど

「同じことを何度言わせるんだ!」

と怒られるのが常だというのに。


結局、このような脆弱な会社組織だから、下からの
改善要望というのは、なかなか吸い上げられて
いかない。
これがサラリーマンの宿命なのだろう。

六本木ヒルズ回転ドア事故も、こうした社内構造が原因、
つまり、あの事故は人災だったのだ。
ほったらかしにしておいたために、あの死亡事故
が起きてしまったのだ。


カタログだったら、「たかがカタログ」と、E上司も
D上司も思っているだろう。
でも、そのカタログをお客様にすぐに渡せるように
用意しておくことも、大事な仕事なのである。
障害者だって、そういうことに誇りを持って、仕事を
しているのである。

そのカタログがなかったり

「あいにく、価格表が今、品切れでして・・・」

などと言う営業マンがいたとしたら、お客様はその人を、
その会社をどう思うだろうか。

「親会社直系の、この会社の店にわざわざ頼んで
いるというのに、この無様な対応は何だ!」

と怒りたくならないだろうか。

主婦だって、冷蔵庫の中の食材がムダにならないよう
にと、ジャガイモ1個も腐らせないようにと、一所懸命
考えて買出しや、調理をするではないか。
給料が安いコックの世界だって、同じだ。

なのに、数百万円もする商品を売るための、高価な
カタログは、腐るわけでもないからと

「だからドンブリ勘定でやればいい」

と思っているようだ。
この感覚は、明らかにおかしい。


それでもう、前々にカタログを担当したことのある人
に聞いてみた。
すると

「それは違う」

という。

「カタログは、古くなったら使えないよ。
年に何回も改訂するものもあるから。
だから、必要量をこまめに調べて、発注するのが当たり前。
過不足が出るなんて、ありえない。

だからカタログは、今が一番ひどいね。
SAさんもE上司も、やる気がないから、こうなったんだよ。
オレのときなんか、カタログの仕事がある日は、その分だけ
早く出社して、責任を持ってやってたんだから」

私;「そうですよねー。
コックの世界だって、それが当たり前ですし。
どこの世界だって、同じじゃないですか。
あのカタログって、原価は高いですよ。
古くなって捨てたら、幾ら損するのか、考えたことがある
のかな」


この話は結局、次々と社内の人に広がっていった。

どうやら、真面目に働く聴覚障害者がいるからと、
この仕事を私に丸投げしはじめたのだろう。

E上司とSAさんのやる気のなさが露呈していったのだ。
その結果、職場内の人間関係にも悪影響を及ぼしはじめた。

SAさんも私も、お互いに毎朝の挨拶すら、しなくなった。

E上司も、仕事の指示は私にするけれども、
その時に筆談を面倒がってやらず、口で言うだけなので、
次第に対立が激化していった。


その後、私は本件を人事部にも密告した。
そうしたら、ある日、SAさんはD上司に厳しく怒られていて、
それからは、渋々とカタログ作業をやるようになった。
しかし、発注量の不整合性は未だに直っていない。

なるほど・・・。
SAさんは要するに“落ちこぼれ社員”というわけか。

道理で、ダメな仕事しか出来なくて、営業成績も悪い
わけだ。
何しろ、下から5番目くらいの成績のときでも、
まだ良かったほうなのだから。
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by bunbun6610 | 2014-06-20 18:30 | E.大手カー・ディーラー
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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
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