職場の人に筆談させる方法


「合理的配慮」とは

 →http://www.asai-hiroshi.jp/mysite6/homepage/gouriteki.html

世の中は「聴覚障害者社員への筆談は合理的配慮」というより、

「(筆談するもしないも)個人の自由意志で対応すればいいこと」

「その人に善意があれば、してもらえるかも」

「筆談が苦手な人もいるから、強制はできない」

「忙しい人もいるから、全員に筆談を求めるのは無理」

といった考え方が強いです。
これでは保障ではなく、単なる周囲の人の任意努力次第
にすぎません。

あるいは、よくあるのが

「聴覚障害者は口を読み取るのが
上手な人が多いから(筆談しなくてもわかる)」

という一方的な固定観念を押しつけられ、
封じられてしまうこともあります。

なかには、中途失聴者の私のほうから

「私は耳が聞こえませんので、筆談でお願いします」

と頼むと、相手の健聴者はスムーズに紙とペンを差し出してくれます
(なぜか、私のほうに)。
それからさらに用件を話すと、健聴者は筆談用紙を使わず、
また声で喋り出します。
それで私は
「あの…私が聞こえないので、筆談していただきたいのですが…」
と言い出すと、健聴者は「あ、そうか!」という表情になり、
やっと気がつきます。(本当によくあることです)

こちらがお客という立場で、耳マーク
(当ブログ2011年5月25日に紹介)
が設置されているところでも、こんなことがしばしばあるのですから、
まだまだ理解が進んでいないんだな、と感じるのが正直です。

「素晴らしい対応をして下さるところもありますが、
それはごくわずかなところにしか過ぎず、他はだいぶ差があり過ぎる」

と感じるのは私だけではないんじゃないか、と思います。


さて、本題です。
今度紹介する方法は「お願い」ではなく「要望」です。
ハイリターン-ハイリスクな方法ですから、注意が必要です。

この方法を試みる前に、相当の準備が必要です。
まず「お願い」をし、それでも職場環境が改善されず、
なおかつ、業務ミスが避けきれない、という場合に、
出番がくるというものです。

これを言っても、この問題をまだ放置する職場があるとすれば、
相当レベルの低い職場環境ということになるでしょうが。

「お願い」をしても、周囲の人に筆談をしてくれない人がいたら、

 ①その人の名前、
 ②どんなトラブルが発生したか、
 ③それはいつのことなのか、
 ④目撃証人はいたか、

可能な限り詳しく記録した文書をつくっておくのです。

そしてこれを理由に

「業務上の大事なコミュニケーション方法は
改善されなければなりません」

ということを会社に伝えるのです。

改善要望を出すところは、問題を起こしている部署とは関係外のところが
いいと思います。(私もそうしました)

人事部もよくないかもしれません。
なぜなら、障害者雇用担当がいる部署は相談を受けるといっても、
人事評価や雇用契約に関わるところですし、もし採用を決めた人が
問題を隠してしまうような人だったら、もみ消される可能性だって
ゼロではありません。
(この予測は私の場合、残念ながら的中しました)

私は、本社のコンプライアンス部に、自分で伝えました。
そこは各部署が会社のコンプライアンス規程に則って、
業務が遂行されているかどうか、厳正な監視を行う部署だからです。

信頼度の高い方法(私の場合、精度の高い文書にして、相手の目の前で、
自分で読み上げた)で伝えれば、コンプライアンス部は調査に
乗り出す場合もあります。
そういうことは、どこの部署でも重く受け止めるので、すぐに改善する
ことが多いのです。

こういう場合、通訳者の派遣も認められているので、遠慮しないで頼み、
自分から職場環境の改善に取り組んでいってほしい、と思います。

私はさらに

「このような単純ミスが起きるのは、コミュニケーションの方法が
不適切だからで、使用者として職場の改善に取り組まない会社の方に
責任があります」

と、ハッキリと言いました。
かなり強気なやり方と言えば、そうなりますが、リスク管理上でも
問題なのですから、当たり前の通報だと思っています。
これは勿論、効果がありました。

私は「世の中は甘くない」という言葉の本当の意味は、
次の通りなのだと思います。

つまり、何もしないでガマンして、相手のほうが変わってくれるのを
待っている人には、何も変化は訪れて来ないのだと。

昔、ある障害者からも「権利は、闘って勝ち取るものなのだ」という言葉を、
聞いたことがあります。
聴覚障害者よりも、他の障害者のほうが、こうした権利意識が高い人を
よく見かけます。

もちろん、こういうことをする社員にはすぐクビを切りそうな会社だったら、
こういう真面目な努力よりも、さっさと転職先を探すほうがいいです。
これは、ハローワークの助言でもあるので、信頼できるし、
確かに他にいい方法はないと思います。

ただし、転職活動の面接で「辞めた理由」に

「前の会社は筆談してくれなかったから」

などと言うのは禁物です。
入社前はそういうことは封印し

「自分の能力をもっと生かしたいから」

とか説明し、相手の

「ほぅ、どんな能力を?」

という興味を引き出して、話を広げていくほうがいいと思います。

もちろん「能力」というからには実績もちゃんとわかる職務経歴書も
書いていないと信用されません。

面接のポイントは、現役のキャリア・カウンセラーのアドバイスが
良かったと思いますので、それはまた後に取り上げてみたいと思います。
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by bunbun6610 | 2014-06-16 18:30 | Z1.クレジットカード会社
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ある聴覚障害者から見た世界


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