『こころの段差にスロープを』(松兼功/著)(11/13)障害者の自立に最も必要なこと

『こころの段差にスロープを』
(松兼功/著 日本経済新聞社/発行所
1997年10月7日/初版発行)



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「もちろん、障害をもつ人たちと付き合っていくには、障害をもたない人が
手を貸さなければならない場面が多々出てくる。
でも、それはその人と付き合うための手段であって、根本的な目的ではない。
根来君も私も未知数の可能性が広がる高校時代に、そのことに気付けた
ことが何よりの幸運だったろう。

「あの時の功ちゃんの言葉が、きっとボクの人生を変えたんだよ・・・」

当時よりかなりお腹が出てきた根来君は、しみじみと言った。
そして、ひと口酒を口にして一語一語かみしめるように、キャンプのまとめの
ミーティングで私が言ったその言葉を反復してくれた。

「ボクたち障害者は健常者に甘えていてはダメなんだ。
自分たちからどんどんいろんな世界に飛び出して、相手に自分のことを
わかってもらおうとする努力をしていかなければならない」

こうまではっきりと主張できたのもまた、根来君たちと出会い、障害という
垣根を超えた付き合いができたから、素直に声にできたのだろう。
同様に彼も五日間の共同生活を体験していたからこそ、私の言葉に心を
動かされたのに違いない。
根来君はその後、仲間と障害をもつ人たちを親元から一時的にあずかる
センターを開いた。」(P183)



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ヘレン=ケラーの言葉を思い出す。
ヘレンはろうあ者だったが、ろうあ者とは随分違う。
なぜだろうか。

それは、育った環境によると思う。
様々な人と交流できたからこそ、あのような人格形成が
なされたのではないだろうか。
そうしたことが、障害のあるなしに関わらず、
全ての人の自立に必要なことだと思う。


ろう学校の廃止や、インクルーシヴ教育に反対する、
あるろう者は、こう言った。

「健聴者の学校なんか行って、一体何になるというのだ。
学校を卒業したら、みんなバラバラになるだろ。
何にもならないぞ。

でも、ろう学校は違う。
卒業後も、ずっと仲良くしていられるんだ。
これが我々の社会(ろう者社会)の財産、幸せなんだ」


ヘレンも、それはわかっていただろう。
しかし、ヘレンは別の道を進んだ。



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『『ヘレン=ケラー自伝』(ヘレン=ケラー/著 今西祐行/訳)
(4/5)ベル博士』
〔2014-05-04 20:00〕



より引用。



「やさしい中にも、きびしいはげましのあることばでした。
『石のかべの歌』という、わたしの詩集ができたときには、
――あなたが、美と音楽の世界から追放されている人間でない
ことがもういちどわかって、たいへんうれしい。
――と書きおくってくださいました。
こんなにきびしくわたしをはげましてくださったかたは、ベル博士
のほかにはありませんでした。
大学の卒業がまぢかにせまっていたころのことです。
博士は、卒業したらなにをするかとおたずねになりました。
『卒業したら、サリバン先生とふたりで、人里はなれたところにすみ、
しずかにものを書いてくらしたいと思います。』
と、わたしは答えました。
すると、博士は、いわれました。
『あなたのこれからの仕事をきめるのは、あなたではないんだよ。
わたしたちは、ただ宇宙を支配している大きな力の道具にすぎないのだ。
いいかい、ヘレン。
じぶんを一つの型にはめてしまってはいけないんだよ。
本を書くのもいいだろう。
演説してまわるのもいいだろう。
なにかを研究するのもいいと思う。
できるだけ多くのことをしてごらん。
あなたが一つでも多くの仕事をすれば、それだけ、世の中にいる目の
見えない人や、耳のきこえない人をたすけることになるのだよ。』」
(P171~174)」



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『『ヘレン=ケラー自伝』(ヘレン=ケラー/著 今西祐行/訳)
(5/5)マーク=トウェーン』
〔2014-05-05 20:00〕



より引用。



『わたしのすすむべき道』(P190~199)

「しかし、もっとかなしいこともありました。
それは、あのパーキンズ学院の院長でおられた、アナグノス先生のことです。
それはまだわたしが少女のころのことですが、アナグノス先生は、
サリバン先生とわたしを、学院にひきとってくださろうとなさったことがありました。
これに反対なさったのは、サリバン先生でした。
先生は、わたしが一つの学校の内部でだけ生活するということは、
私の教育のさまたげになると、お考えになったのです。
身体障害者というものは、もし、ふつうの環境においておくことができるならば、
そのほうが、かれらだけの生活をさせておくよりは、はるかによいのだ――
これがサリバン先生のお考えでした。
いろいろないきさつから、もしわたしが、あのときにあのまま、学院の中でくらす
ようになっていたら、いまごろもっと幸福になっていたかもしれないと、
考えないでもありません。
なぜなら、学院では、だれもがゆびで話をするのですから、なんの不自由も
かんじなかったでしょう。
それに、わたしは目の見えない子どもがとてもすきなのです。
それに、わたしはアナグノス先生に、おとうさんのようにしたしんでいました。
そして、サリバン先生を、わたしのところへおつれしてくださったのが、
アナグノス先生だったのですから。
しかし、わたしたちは、学院をさりました。
アナグノス先生は、そのとき、「サリバンは恩知らずだ。」と、おいかりに
なりました。
しかし、もしまだ先生がこの世においでになりましたら、あのときのサリバン
先生のなさったことが、けっきょくただしかったのだということを、わかって
いただけたと思います。
わたしの一生をひきうけようとなさった人々の中には、まるでわたしを主役に
した劇を、わたしが考えだしたかのようにしくみ、それがうまくいかないばかりに、
すっかりめんぼくをつぶされるようなかたもありました。
ルーマニアの美しい王妃さまがそうでした。
王妃は国じゅうの盲人を一つのところにあつめて、たのしいホームと仕事を
あたえようと計画されたのです。
それは、「光の炉(ろ)べ」という、うつくしい名前の町になることになって
いました。
その仕事をわたしにてつだえといってこられたのです。
その計画は、たいそうりっぱなものです。
しかし、盲人を独立させるための仕事ではありません。
わたしは、おてつだいできませんと、返事をだしました。
王妃はたいそうおいかりになり、わたしが、じぶんの利益しか考えない女
のようにお考えになったようです。
それきり、文通もとだえてしまいました。
わたしはいま、わたしにあれこれさしでがましいことをけっしてなさらなかった
かたがたに、心から感謝したいと思うのです。
ふしぎなようですが、そういうかたがたにかぎって、ほんとうにわたしをたすけ、
わたしをよろこばせてくださったのです。
ベル博士も、マーク=トウェーン氏もそうでした。サリバン先生はもちろん、
母もロジャース氏も、みんなそうです。
そしていつも、わたしの仕事はわたしがじぶんでえらべるようにしておいて
くださいました。
わたしは、じぶんのすすむべき道にまようとき、いつも常緑樹の林にいくのです。
夜のあいだ霜にいためつけられた花や葉が、朝になるとまた身じまいをただして、
りりしく大空を見あげています。
それを見ると、わたしは心をうたれるのです。
また、そんな林をあるいていると、いつも、くらい土の中で、せっせと苦労している
根の歌をきくような気がするのです。
根というものは、じぶんのさかせたうつくしい花を、けっして見ることはできない
運命にあるのです。」(P196~199)」




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『『車椅子からウィンク 脳性マヒのママがつづる愛と性』(1/2)』
〔2013-09-16 18:00〕




「障害を持たない人たちと行動することは、
周りの人々にさまざまな波紋をひろげることになる。
そんななかからほんとうの人と人とのつき合いが生まれてくる。」


「障害者を無視する人、拒否する人に、
障害者もごくありふれたひとりの人間であることを
認めさせなければならない。
そのためには、むりやりにでも、
私たちの存在を見せなければならない。
小さな外出にも、そんな意味がある。」


「私たち脳性マヒは、社会にとっては煮ても焼いても
食えない存在なのだと思う。
煮ても焼いても食えないところからはじまる
開きなおりがなくては、私はこんなに若い夫と
恋はできなかった。
大地を生む決心もつかなかった。」


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『『車椅子からウィンク 脳性マヒのママがつづる愛と性』(2/2)』
〔2013-09-16 19:00〕



「自分たちの願いは自分たちの声で訴えなければ
夢をつかむことはできないのだということがわかった。」」


「もちろん、施設にいれば生きていくことはできる。
施設では最低限必要な介助は保証されるが、施設には、
障害者のほんとうの自立生活はないというのが私の考えだ。
障害者は施設を出て、自由と自立を手にしなければならない。
私たち障害者が街なかでふつうの人に溶けあって
自立生活をすることには、ふたつの意味があると思う。
ひとつは、障害者が社会から隔離されないで、
ふつうの町でふつうに暮らすこと
――人間らしく生活することだ。
そしてふたつめは、ふつうの人たちが私たち障害者を
毎日の生活のなかに受け入れ、
みんなで一緒に力と心を寄せ合って生きることを
学ぶことである。
そのためにも、私たちは『施設の充実』ではなく、
『安心して地域で暮らすための介助システムの充実』を、
役所に要求しつづけている。」


「私たち障害者は、長いあいだ、人から世話を受けること、
だれかしらと一緒にいることに慣らされている。
ともすれば、介助者に際限なく依存してしまいがちだ。
その結果、いま、なにをしてもらいたいのか、
自分で考え、自分で決めて相手に伝えることさえ、
しなくなってしまう。
介助の人のいうまま、されるままにはならないまでも、
親切で気ごころの知れた介助者の先まわりケアに
全部をあずけてしまったり、自分ひとりで決めるべきことまで、
相談して決めるようになってしまう心配がある。
これは必ずしもいいこととは言えない。」


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by bunbun6610 | 2014-06-11 18:30 | バリア&バリアフリー


ある聴覚障害者から見た世界


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