ブログトップ

蒼穹 -そうきゅう-

テレビ字幕の普及で変わったことと、今後の要望

『聴覚障害者もテレビで日本映画やドラマ、
バラエティ番組を楽しめるようになった今』



昔は、日本映画も、テレビドラマやバラエティ番組にも、
全く興味がなかった。

その私が、これらのテレビ番組を観るようになったのは、
テレビ字幕がだいぶ普及してきてからだった。
それも、じっくりと観るようになったのは、まだ数年前
からでしかない。

テレビに字幕が初めて付いた頃なんて、いつのことなのか
わからないほど昔だろう。
つまり、聴覚障害者でも知らない人が多いのではないだろうか。

字幕のことを知って、障害者手帳で『アイドラゴン』
という聴覚障害者福祉用の字幕デコーダの交付を受けると、
早速字幕放送も観れるようにはなった。
だが、当時の字幕は今のものとは大きく違い、見づらく、
質が悪かった。
それに何と言っても、デコーダがあっても、肝心の字幕の
ついた番組が少なすぎた、ということが、最大にして、
どうしようもない問題点だった。

それで、字幕のついた番組を探すのも面倒になり、結局、
観ることもなくなってしまっていたのだ。

その字幕つきテレビ番組を再び観るようになったきっかけ
というのは、デジタル放送が主流になる頃、つまりアナログ
放送が終了する頃だった。

誰もが、アナログ式のテレビからデジタル式に買い換えなけ
ればならなかった。

それに伴い、テレビ字幕の普及も着々と進むようになって
いた。
このように変わっていったのは、難聴者団体の要望努力も
大きかったのではないかと思う。

デジタルテレビには字幕ボタンがあるので『アイドラゴン』
の役目も終わった。

社会でこう変わると、その分の障害者福祉予算も減るという、
社会全体でのメリットがあるのである。

おかげで、やっとテレビ字幕のつく番組を観る機会が、
私にも増えてきた、というわけなのである。

しかも、情報面、文化的にも閉ざされていた聴覚障害者の生活が、
かなり明るくなってきた。


テレビ朝日放送『日曜×芸人』(今年3月で終了)は、毎週
欠かさずに観ていた。
あの情報保障は素晴らしかったので、ものすごく笑えた。


『聴覚障害者・難聴者情報保障の最高峰番組だ!
 テレビ朝日『日曜×芸人』
〔2014-03-12 18:30〕




反対に、日本テレビの『笑点』はわざわざ生字幕がついていても、
観ないのだ。
あれは字幕の遅れ(タイムラグ)がひどいから、健聴者が幾ら
笑っていても、聴覚障害者は面白くなかったりする。
コマーシャルの都合で字幕がチョン切れるというのも、
聴覚障害を持つ視聴者にとっては、許せない感情になる。

最近よく観ているのは『ルーズヴェルト・ゲーム』である。

これはTBSで3月に放送された『リーダーズ』みたいに、
瀕死の状態になった企業の再生への道を描いたドラマで、
リストラのシーンも数多くあるあたり、働いている障害者に
とっても、身近に感じられる。

でも、実際の障害者リストラの場合は、慣れるとあんな
悲壮感はない。
障害者雇用促進法の長短というものがあって、
雇ってくれる企業は幾らでもあるから、そのうちに淡々と
受け入れるようになる。
結局、国が用意した助成金のお陰で、生活の保障はされる
ようなものだ。
健常者もそうなるといいか、それとも嫌だろうか。
障害者は、重い障害ともなれば選べないが。


この前の『日曜洋画劇場』で初めて、日本映画の
『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』も観た。


最後のシーンで大泉洋扮する探偵が弓子を救った後、弓子が

「私が兄(マサコ)を呼んで一緒に暮らすと言っていたのに、
呼ばなかった。
その私が兄を避けていたから」

というような意味のことを言っていた。
探偵は

「うぬぼれるなよ。
マサコには、素晴らしい仲間がいて、幸せ者だったんだ。
だから、弓子が呼んでも、行かなかっただろう」

というふうに言っていた。
一見、そんなに気にすることのないような会話かもしれないが、
障害者の立場から見て、この言葉には共感した。
日本映画を観て、そんな感動をするようになったのも、
テレビ字幕が普及してからだ。
日本人なのに、それまでは

「日本映画はどうせ、下らない」

とばかり、思っていた。

ただ日本映画だけは、映画館では日本語字幕のつく日に
わざわざ行かなければならないとか、映画館に予約したほう
がいいのだろうかとか、かなり大変になるので、テレビの
日曜洋画劇場とか、レンタルで古くなった映画を観るしかない。

頭にきたのは、外国映画でも日本語セリフには日本語字幕がないこと。
字幕がついているのも、聴覚障害者に配慮してではなく、
もともとは健聴者のためにつくったものだとわかった。

例として

『ウルヴァリン SAMURAI』

などがある。


最後に、もう一言。

ソフトバンクのコマーシャルに、白い犬が出ている。
最初は、人と会話しているように見えても、犬は「ワン」とか
「ワンワン」と吼えているだけなのだと思っていた。
この犬は「ホワイトワン」と言うのか? 名前はあるのだろうか?
それも私は、まだ知らない。

しかし、実はこの犬が、日本語でしゃべっているらしい。
誰か有名な人の声だそうだ。
手話サークルの健聴者から、初めて手話で知った。
多分「ホワイトワン家族」とかいうので、犬はそのパパか?

さて、ここで聴覚障害者問題だ。
私が犬の口を見ても読話は無理だ。
それなのに字幕もない。
このコマーシャルは、何とかならないのか。
ソフトバンクさん、こんなに長くやっている長寿コマーシャル
なのだから、聴覚障害者をのけ者にしないように、
聴覚障害者にも意味がわかるように、もう早く、
字幕をつけてほしい。
[PR]
by bunbun6610 | 2014-05-15 18:30 | バリア&バリアフリー