北朝鮮のろう学校:「英語なく水準低い」…調査のドイツ人
2014年 04月 22日
http://mainichi.jp/select/news/20140421k0000e040183000c.html
北朝鮮のろう学校:
「英語なく水準低い」
…調査のドイツ人
毎日新聞 2014年04月21日 15時00分
(最終更新 04月21日 15時46分)
世界ろう連盟(WFD)の北朝鮮担当を務める
ドイツ人聴覚障害者、ロバート・グルンドさん(28)
がこのほど来日し、国内9カ所で北朝鮮の聴覚
障害者の実態について海外で初めて講演した。
同国の障害者を巡る実態報告は世界的にも
珍しいとされる。
グルンドさんはろう学校が少なくとも4校あり、
授業が手話で行われていることなどを明かした。
【黒田阿紗子】
グルンドさんは15歳のとき、テレビで見た
WFDの手話放送で世界で唯一、聴覚障害者
の数が「ゼロ」と紹介された北朝鮮に興味を
持ち、2004年に初訪朝。
「ろうの人はいますか」などと首都・平壌の路上
で質問したが会うことはできなかった。
転機は06年。
北朝鮮側の計らいで聴覚障害者に会った。
WFD会長に援助の輪に入れるべきだと手紙
を書いたところ、21歳で新設の北朝鮮担当
に任命された。
これまでに数十回訪朝し、12年からは平壌
に駐在している。
◇聴覚障害の子 自宅に隠す親
グルンドさんの話によると、北朝鮮は1959年、
金日成主席の指示で8校のろう学校を設立。
そのうち訪問を許可されたのは元山(ウォンサン)、
咸興(ハムフン)、成川(ソンチョン)、峰泉(ボン
チョン)のいずれも地方都市の4校で、
外国人の訪問は初めてだったという。
一方で、平壌にろう学校はない。
「正確な理由は不明だが、平壌は障害者が
いないように見せていると聞いたことがある」。
ただ最近は平壌でも車いす姿などの障害者を
見かけることが増えているという。
ろう学校に通うのは6〜15歳。
授業は手話で行われる。
北朝鮮国内の一般の学校と比較すると、
主要科目の英語がないなど
「教育水準は遅れている」
と指摘する。
北朝鮮側からは
「8校で約1250人の学生がいる」
と説明を受けたというが、訪問時に確認した
ところ1校約20〜60人で、
「実際は数百人にとどまるのでは」
とみる。
聴覚に障害のない親は障害のある子供を
自宅に隠しがちで、ろう学校の存在も知らない
ことが多いとみられ、学生の大半は両親も耳が
聞こえない、いわゆる「デフファミリー」だった
という。
◇通学いまだに義務化されず
北朝鮮では障害者は通学が義務化されて
いないといい、グルンドさんは
「北朝鮮のすべての子供が教育を受けられる
よう支援したい」
と話す。
グルンドさんは現在、北朝鮮側から土地の
提供を受けて朝鮮ろう協会の設立準備を進める。
「どこに何人の聴覚障害者がいるか分からない。
実態を調査し、集まって交流できる体制を
作りたい」
2月下旬に東京都内であった講演は聴覚
障害者を対象に開かれ、グルンドさんの国際
手話を訪朝経験のある新潟県在住の聴覚
障害者、桑原絵美さん(33)が日本手話に
通訳した。
初の講演先に日本を選んだ理由を問うと、
グルンドさんは
「日朝には拉致など難しい問題があるが、
障害者の支援は別次元の大切な問題。
近い国だからこそ理解してほしい」
と語った。
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北朝鮮のろう学校:
「英語なく水準低い」
…調査のドイツ人
毎日新聞 2014年04月21日 15時00分
(最終更新 04月21日 15時46分)
世界ろう連盟(WFD)の北朝鮮担当を務める
ドイツ人聴覚障害者、ロバート・グルンドさん(28)
がこのほど来日し、国内9カ所で北朝鮮の聴覚
障害者の実態について海外で初めて講演した。
同国の障害者を巡る実態報告は世界的にも
珍しいとされる。
グルンドさんはろう学校が少なくとも4校あり、
授業が手話で行われていることなどを明かした。
【黒田阿紗子】
グルンドさんは15歳のとき、テレビで見た
WFDの手話放送で世界で唯一、聴覚障害者
の数が「ゼロ」と紹介された北朝鮮に興味を
持ち、2004年に初訪朝。
「ろうの人はいますか」などと首都・平壌の路上
で質問したが会うことはできなかった。
転機は06年。
北朝鮮側の計らいで聴覚障害者に会った。
WFD会長に援助の輪に入れるべきだと手紙
を書いたところ、21歳で新設の北朝鮮担当
に任命された。
これまでに数十回訪朝し、12年からは平壌
に駐在している。
◇聴覚障害の子 自宅に隠す親
グルンドさんの話によると、北朝鮮は1959年、
金日成主席の指示で8校のろう学校を設立。
そのうち訪問を許可されたのは元山(ウォンサン)、
咸興(ハムフン)、成川(ソンチョン)、峰泉(ボン
チョン)のいずれも地方都市の4校で、
外国人の訪問は初めてだったという。
一方で、平壌にろう学校はない。
「正確な理由は不明だが、平壌は障害者が
いないように見せていると聞いたことがある」。
ただ最近は平壌でも車いす姿などの障害者を
見かけることが増えているという。
ろう学校に通うのは6〜15歳。
授業は手話で行われる。
北朝鮮国内の一般の学校と比較すると、
主要科目の英語がないなど
「教育水準は遅れている」
と指摘する。
北朝鮮側からは
「8校で約1250人の学生がいる」
と説明を受けたというが、訪問時に確認した
ところ1校約20〜60人で、
「実際は数百人にとどまるのでは」
とみる。
聴覚に障害のない親は障害のある子供を
自宅に隠しがちで、ろう学校の存在も知らない
ことが多いとみられ、学生の大半は両親も耳が
聞こえない、いわゆる「デフファミリー」だった
という。
◇通学いまだに義務化されず
北朝鮮では障害者は通学が義務化されて
いないといい、グルンドさんは
「北朝鮮のすべての子供が教育を受けられる
よう支援したい」
と話す。
グルンドさんは現在、北朝鮮側から土地の
提供を受けて朝鮮ろう協会の設立準備を進める。
「どこに何人の聴覚障害者がいるか分からない。
実態を調査し、集まって交流できる体制を
作りたい」
2月下旬に東京都内であった講演は聴覚
障害者を対象に開かれ、グルンドさんの国際
手話を訪朝経験のある新潟県在住の聴覚
障害者、桑原絵美さん(33)が日本手話に
通訳した。
初の講演先に日本を選んだ理由を問うと、
グルンドさんは
「日朝には拉致など難しい問題があるが、
障害者の支援は別次元の大切な問題。
近い国だからこそ理解してほしい」
と語った。
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>「「ろうの人はいますか」などと首都・平壌の路上
で質問したが会うことはできなかった」
この点は、昔の『聾唖学校』を作って分離教育、
分離社会を築いていた、日本と同じだと思う。
日本も昔は(『障害者雇用』が今ほど普及していなかった頃は)、
聾唖者を見なかった。
「聴覚障害者」という言葉も、なかった。
(2021年1月21日追記)
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【追記(参考記事)】(2023年2月28日)
『障害とは何か?』(木島英登バリアフリー研究所)
2017年 04月 06日
『障害とは何か?』(木島英登バリアフリー研究所) : 蒼穹 -そうきゅう- (exblog.jp)
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何度も訪朝したことがある故・アントニオ猪木氏が言っていたように、
北朝鮮も、昔の日本に似ていて、障害者を隠していた。
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【参考記事】
『障害者は、いま』(大野智也/著)(1/6) ― 日本政府は、障害者数をごまかしていた?
2020年 04月 25日
『障害者は、いま』(大野智也/著)(1/6) ― 日本政府は、障害者数をごまかしていた? : 蒼穹 -そうきゅう- (exblog.jp)
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by bunbun6610
| 2014-04-22 07:30
| 聾教育