労働問題にある、聴覚障害者とのコミュニケーション


〔関連記事〕

『職場内障害者授産施設(障害者雇用) (14) 健常者の不満』
〔2013-11-27 19:00〕



『過重なノルマとサービス残業 - 聴覚障害者雇用の実態』
〔2014-03-24 19:00〕



『聴覚障害者差別の原因は、健聴者の人格的欠陥にある』
〔2014-03-31 19:00〕



『こんな上司は要らない!』
〔2014-04-07 18:30〕



『性悪者は直らない - 職場での聴覚障害者差別問題』
〔2014-04-09 18:30〕



『障害者雇用で見える、デキる上司と、デキない上司の違い』
〔2014-04-11 18:30〕



この話は、おそらく手話通訳士のような、
聴覚障害者労働問題にも詳しくなるような仕事を
されている方なら、わかると思うのだが。


以下のような、聴覚障害者による参考記事もある。

特集/聴覚障害者のコミュニケーション
『ろう者コミュニケーションの諸問題』
(野澤克哉氏 1985年11月)




以前から、職場のすべての人に

「仕事の説明など、大事な話は、
必ず筆談でして下さい」

と頼んであり、部長、人事部にも言ってもらってある。

ところが、それを守らない上司が一人だけいる。
もう、このブログにも何度も出ているが、
その人がF上司である。


この日も、仕事を頼んできた。
一番、私に仕事を頼むF上司が、肝心な筆談を
しないのである。
理由は、彼が面倒に思っているからである。


【事例1】(ヒヤリハット)

書類ファイルの紙切れに「3月3日(月)」とだけ
書いてあった。

いつものように、F上司は早口で仕事の説明をした。
私は、聞こえないので、F上司の話が終わった
後に、推測で

「この書類は3月3日(月)にやる仕事ですね」

と言ってみて確認したら、F上司は

「違う」

というジェスチャーをし、やっと筆談を始めて

「3月3日までにやって。
だから、今日やって下さい」

と言った。
(こうなるから、初めから「筆談してください」と
言っているだろ!)

危うく、間違えるところだった。

これは確かに、聴覚障害者の労働問題では、
よく間違えやすいこととして事例紹介がある。

「~にやる」と「~までにやる」という日本語は、
わずかな助詞の違いに見えるが、意味は違う。
聞き取りにくい、あるいは聞こえない人に対して、
音声言葉で説明をすると、こういう重大ミスにも
つながりかねないので、皆さんも注意したいところだ。


【事例2】(ヒヤリハット)

いつものように推測力を働かせて、F上司の話を
聞き取ろうとした。
あれ? 今のは、どうもよく聞き取れない。

「ひがしむらやまにいってください」
(東村山に行って下さい)

「ひがしやまとにいってください」
(東大和に行ってください)

どっちだったのかな?

F上司が間違えて言ったのか、それとも私が
聞き間違えたのかわからなかったケースである。

書類で確認することで、わかった。
「東大和」と書いてあったのだ。
仮に、F上司が「東村山」と間違えて言ったとしても、
「東大和」に行くのが正しい、とわかる。

私は

「東大和ですね」

と確認のために言ってみたら、F上司はびっくりして、
もう一度書類を確認していた。
どうやら、F上司が間違えていたようだ。
こんなこともあるものなんだと、驚いた。


【事例3】(ヒヤリハット)


「たかはしさん」(高橋さん)

「たかさきさん」(高崎さん)

これも、どっちなのかわからなくなってしまった
事例である。
私は「高橋さん」と聞いたような気がしたのだが、
F上司が用意した書類には「高崎」とある。
しかし、自分の耳には自信がないので

「もう一度確認すべき」

と思い

「この書類、名前が高崎さんでいいのですか?」

と聞いてみたら、何と! 信じられないことに
F上司の手書きミスだったことが判明。
F上司は私の出発直前に慌てて、修正した。

あわや、ミスになるかもしれないところだった。
変な話だが、自分の耳に自身が持てなかった
のが、かえって良かった例である。


【事例4】(ヒヤリハット&問題事例)

その他にも、F上司の場合、書いてもらった
字があまりにもひどいクセ字で、
読めない場合も多々あった。
それで

「何て書いてあるのですか?」


と聞き返したり

「字をもう少し読みやすく書いて下さい」

と何度もお願いした。

しかし、直らないので結局、
私も読み飛ばすようになってしまった。


【事例5】(ヒヤリハット)
聴覚障害者のなかには、数字の聞き取りに弱い
人もよくいる。
たとえば、時間や数量などである。
例えば、口型が似ている数字は見分けにくい、
母音が同じ数字は聞き分けにくい、とか。
それで、単純なコミュニケーションでも、
3回くらいは聞き返すことがよくある。
私は「じゅう」が聞き取りづらくて「11時」なのか
「1時」なのか、わからなくなってしまう場合がある。

さらに、これも【事例1】と同様、助詞の聞き取り
間違いと併せて、意味を取り違えてしまったり
するケースまである。

「1時までに戻って来て」

「1時には戻って来て」

「1時に戻って来て」

どれも「1時」という時間制約の言葉であるが、
意味の微妙な違いはある。

F上司は

「1時頃には戻って来て」

と言う場合もあるが、意味が曖昧なので、
仕事の命令としてはふさわしくない、と思う。

こういうケースでは、私が

「1時ですか?」

と聞き返して、上司が

「そうです」

というやり取りができたから、というのでは
ダメなのだ。
1時にどうしておくかも、大事なのだから。


【事例6】(ミス)

KUさんから仕事を頼まれた。
終わったときに、問題が発生してしまった。

書類に訂正が必要になったので訂正したが、
訂正印が必要になった、とのこと。

それで、そのことをメモ書きにして、
KUさん宛にし、グループの取りまとめ役
・F上司に書類とセットにして渡した。

後日、その書類の仕事に取りかかると、
訂正印がないことに気づいた。
それで、そのことをKUさんに連絡した。
ところが、KUさんは

「何のことだかわからない」

と言う。
それで

「F上司から私の書いたメモ書きをもらって
いませんか?」

と聞いたら、返事は

「もらっていない」

だった。
訂正印がなければ、書類を受け取ることができないので、
その仕事は途中で中止になってしまった。

原因はF上司が忘れていたことにあったようだ。



【事例7】(ミス)
途中で中止せざるをえなくなった業務も、何度かあった。

F上司の考えたやり方は、仕事の段取りが無茶苦茶で、
合理的でない。

これでは効率的な仕事ができないため、時間が上手く
使えない、交通費の無駄も出ている。
パワハラに近い命令(要求)もあった。


【事例8】(ミス)
F上司の指示で動いたが

・強行軍みたいなスケジュールを指示する。

・はじめから

「時間的に、これを今から全部やるのは無理だ」

とわかる指示を与えてくる。
(「パワハラ」に近い)

・目的地へ着いた途端に、なぜか中止命令。

「すぐに帰って来い」

と言われた。
原因は、担当者のミス。
そのため、時間も交通費も無駄になってしまった。


そしてついに、私も

「これでは、F上司とは正確なコミュニケーションが
できない」

「仕事が効率的にできない」

ということで、部長と人事部にも事例報告し、
対策を考えてもらうよう頼んだ。
F上司が書いた拙い筆談の紙切れは保存しておき、
人事の人に証拠として見せた。
こうすると、より効果的である。

そして、その約2週間後、人事異動があり、
F上司は別の部署へ飛ばされてしまった。
突然のサヨナラ劇になってしまったが、もともと、
F上司はこの部署の人からの評判が良くなかったので、
それでよかったようであった。

Sさんは、私の入社時から

「あいつ(F上司)、キライなんだよなぁ。
あいつの仕事は、頼まれてもやらなくていいからな」

と言っていた。

実際には

「頼まれたらやるのが仕事」

だから断らなかったが、やっているうちに、
どんどん要求がエスカレートしていったので、
F上司が嫌われる理由がわかったのである。

D上司はこう話していた。

「(F上司とは)最初だけ、仲良くやっていたけれども、
今は犬猿の仲だよ。
6年間もやってきたけど、これで良かったな。
仕事の段取りは下手だし、ミスも多いし、
ウソもつくし・・・。
『何枚舌を使うんだ?』と思ったよ」

それを聞いた私も

「いなくなって良かったんだ」

と思った。

職場の飲み会があっても、いつもF上司だけは
欠席だったので、初めのうちは

「なぜなのだろう?」

と思っていた。
だが、だんだんとわかってきた。

一言で言えば、今の職場ではF上司は誰とも
不仲なのである。

最後となる歓送迎会でも、やはりF上司だけが
欠席だったので、やはり異動したほうが
よかったくらいだったのだ。

その時には、私は別のグループの人に、
こう打ち明けた。

「D上司とE上司のグループでは、
仕事が終わったことを報告すると、必ず
「ありがとう」と、お礼のメールをくれるのに、
F上司のグループだけ、お礼のメールも
くれない人がいるんですよ。
そのグループの、みんなではないのですけれども、
なぜか、F上司のグループだけは、
みんなバラバラなんですよ」

と言うと

Kさんは

「それはね、やっぱし、そのグループのトップ
(F上司)のせいなんだよ」

と見抜いていた。

くだらない愚痴話と思うかもしれないが、
実はこれは健常者の人にも、有益な話だと思う。
社内の人の本当の人格を知りたければ、
その職場で雇用されている障害者や、
女性にこっそり聞いてみるとよいだろう。
障害者や女性に対してこそ、その人の真の人格、
本性が顕れるからだ。
障害者だからといって、侮るような健常者は、
いつかその人も人事部などへ告げ口されて、
左遷部門へ飛ばされるかもしれない。

F上司は、今は男ばかりの、たった4人しか
いない職場の、一番下っ端として働いている。

というわけで、障害者のいる部署は、
パワハラ上司として名高かったF上司が
消えたため、今はみんな幸せになった様子である。

皆さんも、参考にして職場の差別解消に一役
買ってほしい。
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by bunbun6610 | 2014-04-25 18:30 | E.大手カー・ディーラー


ある聴覚障害者から見た世界


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