蒼穹 -そうきゅう- bunbun6610.exblog.jp

ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

障害者差別クラッシュ!

==============================


『バリアクラッシュ』
アメリカのバークレーに留学していたころ、現地で生まれ
育った友人と映画館に出かけた。
バークレーでは、公の施設にスロープやエレベーターを設置
することが法律で義務づけられているのに、なぜかその映画館
の入り口には5、6段の階段しかなく、車イス利用者のための
配慮が見当たらなかった。

友人は

「ここは法律に違反しているし、ほかの所へ行こう」

と言ったが、私が観たい映画はそこでしか上映されていなかった。
にもかかわらず、友人はむりやり車イスの向きを変えて外へ
出て行こうとした。

私はとっさに車イスから飛び降り、階段を這い上がって

「ボクはここでやっている映画が観たいんだ」

と、奇声を上げた。
観たい映画を観るための“バリアクラッシュ”を怠ろうとした
友人に、怒りを放ったのだ。

バリアフリーは、決して継続的な状態ではない。
ある時点で障壁がとりはらわれたと思っても、一人ひとりの
障害程度、生活環境や時代の変化とともに、否応なく次なる
バリアが頭をもたげるに違いない。

だからそのたびに、出くわした障壁を時に根気よく、時にしたたかに
“バリアクラッシュ”していく情熱と知恵の連帯が必要になる。

それこそ、自分自身が楽しめる本当の意味でのバリアフリーを
つくり出す源でもあるのだから。」


『こころの段差にスロープを』
(松兼功/著 日本経済新聞社/発行所
1997年10月7日/初版発行)


より。



==============================




『X-MEN ファースト・ジェネレーション』は、
障害者にとっても、興味深い映画だった。

障害者の立場からすれば、あの“マグニートー”
(エリック・レーンシャー)の気持ちもよくわかる。
障害者がバリアクラッシュをしようとすれば、
健常者は反発する。
なぜか。

健常者は、自分たちが築いてきた、それまでのものを、
一部であるとはいえ、壊さなくてはならなくなるからだ。

それは彼らには損失だと考えている。
だから、それよりは自分たちを守ろうとする。
つまり、動物にも、そして人間にもある本能的な思考
というか、単純に自己防衛本能が働くのだろう。
彼らには、それが当然だと思っている。

しかし、障害者は、健常者社会を侵略しようとして、
障害者運動をしているわけではない。
健常者は、自分たちだけが「人間」だと思っていないだろうか。

「いや、障害者も人間だ」

とは、彼らも思っているだろう。
ただ、同じ人間だとは思っていないのだ。
だから“差別”があるのだ。

それを“壊す”のが、私に与えられている、天からの使命なのだ。
[PR]
by bunbun6610 | 2014-05-13 18:30 | バリア&バリアフリー