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蒼穹 -そうきゅう-

聴覚障害者が“聴覚障害者差別(労働問題)裁判”を起こす難しさ

『聴覚障害者差別の原因は、健聴者の人格的欠陥にある』
〔2014-03-31 19:00〕


上のような精神的苦痛を受けたことは、
今の会社だけではなく、
これまでにも数え切れないほどある。

以前に、随分と悩んだ挙句、まず会社ではなく、
その差別をしている特定個人を訴えてはどうか、
と考えた。

個人を訴えることにする理由は、密室の中での、
その人による差別行為であった、という事実で
あったこと。

そして、会社の人事部は会社として

「聴覚障害者に筆談などの配慮をするように」

との指示を、私の直属上司にきちんと与えており、
会社に非があるとは思えなかったからだ。

にもかかわらず、その人がその指示を守らな
かったのであるから、その人の責任問題として
問うべきではないか、と考えた。

その方向で弁護士に相談してみたことがあった。
複数の弁護士に相談してみた。

一人は聴覚障害者の弁護士、他の二人が
健常者の弁護士だった。
そのうちの一人の、健常者の弁護士さんの回答
が下の例である。


『弁護士への法律相談 (1)』
〔2011-03-17 18:00〕



弁護士さんが言うには、会社の姿勢を問う裁判
になる、と断言している。
そうなると結局、私は会社という巨大な組織を
相手に、一人で裁判を闘わなくてはならない。
これは、想像を越える、大変なことだろうと思う。
その通りで、この弁護士さんは

「相手(Oさん)は必ず反論してくるだろう。
この反論では、あなたにとって辛い内容になる。」


「それだけでなく、何でも、可能な限りのあなたの
問題点を出してくるだろう。」


などといった予想を出している。
これは弁護士さんの実務経験から言っている
ことで、まぎれもない現実となるだろう。

それに、たった一人の人格不良者がいるために
会社を相手取り、裁判を起こすなんて、やり過ぎ
なのではないだろうか、と言われそうな気もする。

とはいえ、だからと言って聴覚障害者差別を
我慢する、というのではおかしな話だ。

さらに、そもそも会社の味方にしかならない人間
ばかりを集めた、密室内の差別だったというのに、
誰が聴覚障害者側の証人など引き受けるだろうか。


結局、裁判を進めるには困難があり、辛い道のり
であるばかりか、まず裁判の途中で、退職に追い
込まれてしまう可能性が濃厚だと思った。

実際、会社の命令で出社することを禁止されたのだ。
相談した労働組合でさえも、雇い止めになる可能性
を言ってきた。
障害者の雇用契約は一年毎と、短いので、
会社相手にすると、結局、何らかの理由をつけられて
「雇い止め」にされる可能性が、極めて高いと思う。

他にも、困難になる点がある。
密室での差別となると、それを証言してくれる人が、
どうしても必要になる。
それを、その密室内で一緒に働いていた人に頼める
だろうか。

裁判の証人になってもらうことで、その人も雇い止め
に追い込まれるかもしれない。
健常者も、ほとんどが一年毎の契約社員だから、
その可能性は極めて高いと思った。
裁判で闘うということは、そういう大変なことだと思う。
テレビのように「訴えてやる!」なんて言うのとは、
ワケが違うだろう。

証人になってくれる人がいなかったら、
あるいは会社の妨害工作などによって、
その証言さえも潰されたり、証言を否定する人物
がもし現れたら、共倒れになってしまうだろう。
そんな道に協力してくれなんて、恐ろしくて誰にも
頼めない。


でも、最近のJリーグの差別的横断幕への厳正な
処分(※)
を見て、裁判所もあのように
判断してもらえる可能性はあるのではないだろうか。
それには、やはり理解者の協力を得ることが大切
だと思う。



(※)

『差別横断幕:浦和に無観客試合 Jリーグ初の処分』
〔2014-03-13 21:03〕



「発信者の意図の問題よりも、受け手が明確に差別
されたと意識を持ちうる表現であれば、(差別だと)
そう思う」



「クラブが差別的な掲示を放置したのは、差別的な
行為に加担したと同じ」




〔関連情報〕

『三菱東京UFJ銀行の聴覚障害者差別裁判の判決(2009年4月)』
〔2012-04-03 21:26〕





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『弁護士への法律相談 (1)』
〔2011-03-17 18:00〕より引用。



弁護士による話のポイントは次の通り。

「あなたが会社を訴えるつもりではなくても、
会社は使用者責任の追及になることを心配していると思う。
Oさん個人に問題があったのか、それとも会社の
システム上問題で起きたことなのかが、ハッキリしない。
それでも裁判所は最終的には、会社に責任があるかどうかを、
問うのではないか。
裁判所への提出資料(日記)を読んでも、
詳しい事情を理解するのに時間がかかる。
書式はパソコンで作っても、手書きとパソコンで作ったもの
両方を合わせてもOK。
訴えるときは弁護士も必要ない。

相手(Oさん)は必ず反論してくるだろう。
この反論では、あなたにとって辛い内容になる。
聴覚障害を理由に今までの取り扱いをしてきたわけでなく、
能力の問題などと言われる可能性がある。

それだけでなく、何でも、可能な限りのあなたの問題点を
出してくるだろう。
あなたのキャリアでも、能力の不足ではないと
証明することが重要。
両親、兄弟、先生などではなく、
利害関係のない第三者による証言が必要。
前の会社の人とか。

社会的観点からの問題提起としてなら、やる意味はある。
しかし勝訴するとなると、話は別。
能力が証明でき、障害者に基づく差別的対応を
一つずつ指摘することになる。
そして、職場での障害者雇用として違法である、
という結論に持っていく。
だから違法性を見出すということでは、
やはり会社の責任という判断にならざるをえない。
個人が会社のルールを無視して違法な対応を
あなたに対してしてきた、
という事実の証明が必要になる。

障害者の権利擁護の裁判を私が扱ったことはないが、
団体関係で熱心に扱う弁護士はいるだろう。
まずは、こうした弁護士を探すのが近道。

「もし負けたり、勝てないとなったら、あなたはどうなるのか?」

という質問では、手続き上のリスクはない。
あなたが負けるだけ。

Oさんは会社に相談しているので、個人として落ち度や
悪気があるとは到底思えない。
それなのに個人責任にしてしまうのは、
酷だと裁判官も思うのではないか?
だから、Oさん個人を責めるのは難しい。
会社の姿勢を問うこと。

会社は裁判を嫌がる。
それは、お金、時間、労力もかかるから。
裁判をやれば、会社はあなたとの雇用契約の
更新不可もありえる。
裁判を起こすのではなく、会社に対応をよくしてもらう
ために努力する、という方法もある。
ただ、これは難しいと思う。

結局、有効な方法は見つからないが。
個人的に言うが、あなたの味方を社内に一人でも
多く作るのが良いと思う。
弁護士のアドバイスとしては、弱気になるけど。

政治的意味で、勝訴を目的にしない裁判もある。
それであれば、その志を持つ弁護士を探すのが近道かと。

ただ、目的がそれであるなら、社内で味方をつくり、
理解者が増えれば、それで政治的勝利とも言える。
長い目ではだが、裁判までしなくても。

けれども、裁判をするとなると、
社内の味方は得られにくくなるだろう。
結局、何を目的にするか、で手段も変わる。

あなたのストレス、疎外感を気づかない人に
気づかせる方法を探るのが第一。
次に理解者を得て、その次に改善の方向に行くと思う。
その第一が今なのだし、裁判により第一が途絶えてしまうことも。

あなたの理解者をまず一人つくる。
私に話したように話して、気づいてくれる人をつくる。
これはできないか?

私;「それができるのなら、この問題は先人がすでに解決している。
   できないのは、未だ誰もなし得ない、永遠に困難な問題だったからです。」

弁護士;私は聴覚障害の方との相談は初めてで、その抱える問題に、
     今日初めて気づいた。 〔ここで、時間切れのため、終了〕」


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by bunbun6610 | 2014-04-03 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題B