佐村河内氏問題で考えさせられたこと -「聴覚障害の身体障害者」認定基準への疑問

『<佐村河内氏>聴覚診断 最も軽い6級に該当せず手帳返』
〔2014-03-07 23:52〕




佐村河内氏問題で考えさせられたこと
 -「聴覚障害の身体障害者」認定基準への疑問



聴覚障害の身体障害者手帳を取得できる最低条件は、
現在では両耳の聴力70dB以上となっている。
他の該当算出方法もあるが、音は聴こえても、
人間社会のなかでの活動には困っている。


日本国憲法第25条では

「25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む
権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障
及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」



と定めている。

「健康で文化的な」そして「社会福祉」、これらの点において、
同じ日本国民である軽・中度難聴者等は、
今の障害者認定基準で保障されているといえるのだろうか。

もし、難聴者が結集して、憲法違反の訴訟を国に対して、
各地で起こしたらどうなるだろうか?
600~2000万人いると推定されている補聴器の潜在ユーザー
が、次々と国を相手に訴訟を起こしたら、当然、社会問題
になると思う。

聴覚の障害を調べる方法として、
まず純音聴力検査は片耳ずつ測定する。
それで、どちらか一方でも70dBを下がれば、障害者には
認定されない。

ただ実際は他にも条件はあるので、詳細は下記情報を参照のこと。

『障害者認定についてです』
〔2005/02/26 18:46〕



ところが、感音性難聴障害を調べる語音明瞭度検査では、
両耳にヘッドフォンをつけ、本人が聴こえる音量で言葉の
聞き取れる率を割り出すのである。

例えば、もしも左耳のほうが聴こえがよいと思い込んでいる
難聴者が被験者だったとする。

純音聴力検査で測定したら、左70dBだったが、右は60dB
だったとする。

そうするとその時点でもう、障害者には該当しなくなってしまう
のであるが、語音明瞭度検査までやってみたら、なぜか
聴覚障害者並みに成績が悪かった、という場合、
果たして、その被験者は「健康な人の範囲内である」と言える
のだろうか。

聴力の勝っている右耳が、実際には左耳よりも言葉を聞き取る
聴能がないため、そういう結果になってしまう、ということも考えられる。
私の記憶では、語音明瞭度検査では、ヘッドフォンをして、
両耳で聴く検査だったと思ったのですが・・・。

つまり、結局のところ、純音聴力検査のみの診断に等しく、
感音性難聴のことは十分に考慮されていないのではないか。


実際に私は昔から、右耳で人の話を聞き取るのは苦手だった。
現在は左右の耳の聴力がほとんど同じになるほど低下していても、
人の話を聞くことに関しては、現在でも左耳のほうがまだ補聴器
の効果があるくらいだ。

ただし、右耳はあまり効果がないから必要ない、というわけではなくて、
両耳装用にしたほうがやはり効果がより高まるのは事実だ。

それと、以前は純音聴力検査の結果を見て、医師や補聴器屋さんは

「右耳のほうが聴こえがよいので、右のほうが聴こえやすいはずですよ」

とか

「高音域がよく聴こえているので、音質を高音域に調整しましょう」

と言って、補聴器を調整してくれた。
しかし、その調整者たちはやはり、感音性難聴を理解していなかった
ようなので、彼らが調整した補聴器では、最良の結果が得られなかった。

では、補聴器の良い調整とは、どういうものなのかというと、私の体験では、
ユーザーの聴こえの具合を、いろいろと試しながら、時間をかけてでも、
きめ細かに調整し、しかも何度でも調整し直してくれる調整者がお店に
いること、だと思う。

これをもしも、面倒がるお店だったら、ダメだと思う。
買うかどうかを決定する前に、十分に与えられる試用期間を利用して、
試してみるといい。
悪いお店だと「早く決めて」と、せかしてくる。
そこでもしも不安だったら、例え品物はそこそこ満足できそうなもので
あっても、買うのはやめたほうがいいだろう。
必ず、高い買い物で終わってしまうはずだ。

私は昔、これを怠って購入し、満足できず、何台も買い換えていました。
役所の福祉課と癒着していた業者に完全に任せきりでいた。
しかし、今の補聴器屋さんと出会って、ようやく

「今まで自分は、大損していたな」

と正直に思った。
あまりにも情報入手が困難なものだから、このように後悔して
しまうケースが多いのだ。

話がだいぶそれてしまったが、これも大事な話だ。


暴露話になってしまうが、純音聴力検査しか検査を実施しない
身体障害者認定医は、今でも実際にいる。
理由は、やはり法律で定めた基準にしたがって、医者も淡々と
結論を出しているだけだからではないだろうか。
両耳70dBの壁がある以上、どうしようもない。
また、難聴は診たところでどうせ治せない、ということも大きな
理由だろう。

ここに、生活保護バッシングと同じような、水際作戦、
そのために都合のよい立派な法制度の壁をつくり、
多くの難聴者が苦しめられている現実があるのではないか、と思う。

日本国憲法は、ただのお飾りに過ぎないのだろうか。

「両耳70dB以上」

という桁外れな基準しかない以上、語音明瞭度検査なんてやっても
無駄だと、初めから思っている認定医もいるのだろうか。
だから語音明瞭度検査をやらないで、高額の診断料(5000~8000円
だったと思う)を取っている医者もいる。

こうした状況も、軽・中度難聴者が見捨てられている、
厳しい現実だといえないだろうか。
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by bunbun6610 | 2014-03-14 20:00 | 難聴・中途失聴

ある聴覚障害者から見た世界


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