見えない障害「聴覚障害」を、社会はどう見るか?

副題;『佐村河内氏の“聴覚障害者偽装疑惑”で思うこと』


新垣隆氏の記者会見以来、マスコミの間で

「(佐村河内氏が)聴覚障害者というのも、
ウソなのではないか」

という疑惑がある。

そして、次々と、いろいろな証言が、
マスコミの間からも飛び出した。

私も、そこが気になっていた。

正直に言って、それらを読むと

「ウソの可能性も、本当の可能性も、
どっちもありえる」

と思うからだ。


>「但し、それはかなり体調に左右されるので、
体調が悪い時は耳元ではっきりゆっくり話して
もらっても聞き取れないこともあります。」
佐村河内氏の謝罪文〔※〕より)



〔※〕『佐村河内守氏謝罪文(2014年2月11日)』
〔2014-02-15 13:49〕
 参照。




これを読んでも、マスコミは

「まだウソをつくのか!」

と、全く信用しないだろう。

しかし、同じ聴覚障害者の私から見ると

「これは本当の可能性も、十分ある」

と思える根拠もある。

私も、耳鳴りには変化がある。
「変化がある」と思うのは、
本当はおかしいのかもしれない。

「気にすると、よけいに気になる」

と、他の聴覚障害者からも言われたことがある。
だから、気にしないで、他の事に集中力を使えば、
多少は気にならなくなる。

それはそうだ。
聴力が良くなる(回復する)、ということとは
違うのだろうが・・・。

ただ、これだけでは、やはり信用されないだろうから、
今回はさらに、他の聴覚障害者の状況証拠も、
つけ加えよう。


「・・・体調と聴力にはかなりの関係がある模様。
耳鳴りは「常に」だそうです。」


この文は、当ブログの、ある記事の中からの引用だ。

その聴覚障害者本人にも何らかの迷惑、
特に“偽聴覚障害者”がまだいるのではないか、
という疑いがかけられてしまう心配がある。
だから、それがどの記事なのかは、
ここでは直接教えないことにする。

今まで、このブログを長い間、読んでくださった人ならば、
わかるでしょう。
しかし、騒動がきっかけで、いきなり読みに来た人には、
わからないかもしれない。

聴覚障害の説明には、やはり長い時間と、
ものすごく大変な説明力が必要だ。
しかし、この騒動を見ると現在の佐村河内氏に、
それができるとは思えない。


他に気になるのは、
佐村河内さんの長髪だ。
長髪スタイルは

「自分の聴覚障害を隠したい」

と思っている難聴者等に多い。

自分の障害を受容できていない人には、長髪にして、
補聴器が見えないように、髪で隠す人が多い。
装用する補聴器も、パワー不足の耳穴式補聴器を
無理に使っているろう者もいる。
補聴器の色も肌色と、目立たないほうを選びたがる。

こうすると会社面接でも、軽度難聴者ならば、
気づかれにくくて有利、ということもあるだろう。
周囲の人に障害者だと分からないほうが、
いろいろと不利にならない場合も多い。
就職では「一般雇用」か「障害者雇用」になるかで、
やはり待遇面で大きな差別に遭うのも事実だ。
もし障害を隠せるならば、自分で選択できる余地が
生まれる。

佐村河内さんの場合は、おそらく補聴器を使用している
はずだと思うのだが・・・。

長髪で補聴器を隠すと、このように長短両面があるが、
実際、佐村河内さんの著書を読むと、障害を隠したがる
理由があったようだ。

佐村河内さんの場合は、現在も補聴器を使用している
のだろうか?
していたとしても、あの長髪では、他人にはそれが全く
わからないだろう。
新垣さんにも、補聴器が見えていなかったのだろうか?
それとも、使わないで聞こえていたのだろうか?

もしハイパワー型の補聴器を使用しているのなら、
2級でも音は何とか感知できて、不思議ではない。
残存聴力の程度にもよるが。
2級だからといって、その全ての人が残存聴力ゼロなの
ではない。

補聴器だけでなく、読話など、視覚情報も可能な限り併用して、
相手の言う事を理解している聴覚障害者は少なくない。

そうやって、聴覚障害を少しでも克服するコミュニケーション術
を持ってるのが、中途失聴者の場合は、むしろ当たり前だろう。

そうすると、つき合いの長かった新垣さんでも、

「聞こえていた」

と勘違いしてしまう可能性も、なくはないのでは
ないだろうか。

しかし、もし今、補聴器もなしで聞こえるようになって
いるのなら、驚き、いや、ほとんどあり得ぬ奇跡ではないか、
と思う。

これは、聴覚障害者だから、容易に推測できることだ。

しかし、聴覚障害者の世界を全く知らない「健聴者社会」
の目は、そうならない。
疑惑という、非常に厳しい目で見られることだろう。

やはり、「聞こえる」「聞こえない」だけの、
健聴者特有の二元論で、聴覚障害者をバッサリと
切り捨ててしまうだけなのだろう。

さらに、18年間も佐村河内氏とのつき合いがある新垣氏の
証言があれなのだから

「18年もつき合いのあった新垣氏でも、
佐村河内氏の聴覚障害に気づかなかったのか?」

とは、誰も思わないだろう。

仮に、現在は聴覚障害の程度が軽くなっているとしても、
謝罪会見では、佐村河内氏は、手話通訳者を必ず
同行させるはずである。

通訳をつけてまたごまかすとかではなくて、彼がそうして、
そして万全の体制で会見に臨むべきなのだ。

体調により、聞こえの状態が変わる、というのならば、
なおさらそうしないと大事な記者会見で、
きちんと答えられず、またもや、どんどん疑われて
しまうことになるだろう。


謝罪会見では、集まった記者たちがこぞって、
いろいろな手口で、佐村河内氏が本当に聞こえているか
どうかを、執拗に試しに来るのではないか。
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by bunbun6610 | 2014-02-15 19:05 | 難聴・中途失聴

ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610