聴覚障害者の“簡易コミュニケーション方法” - 私の場合

『聴覚障害者の“簡易コミュニケーション方法” - 私の場合』

聴覚障害者にもさまざまな人がいるが、
これは私が日常生活で、しばしば用いるコミュニケーション
方法である。

ただし、こういうコミュニケーション方法は一方的なので、
社交的な場で使うと嫌われる場合もある。
TPOにも注意したい。

相手の健聴者いわく

「お前と話していると、つまらない」

のだという。
そりゃ、そうだろうな。


ある日、駅のホームで電車が来るのを待っていた。

電光掲示板に何かが流れている。
人身事故の影響による、電車の遅延情報だ。
すると、音声アナウンスも出ているのだろうが、
私にはわからない。

しかし、周りの人は何かに反応しているようで、
皆同じような動きをし始めた。
そして、このホームには人がどんどん減っていった。

他のホームを見ていたら、向こう側のホームには
たくさん人が集まり出していた。
私は、人々の流れに従って、電車に乗り、
そして目的地に着くことができた。

このように、視覚情報から状況を理解し、
判断して行動する特性が私にはある。
どうしても必要となれば、駅員に尋ねる場合もあるが。

駅員に尋ねる場合でも、通常はまず私が尋ねて、
そして駅員は口頭で返事を言うが、
それも私は視覚情報の面だけで理解する。

あちこちからやって来る人々との対応に追われて、
忙しい駅員だから、仕方がないと思う。
だから私は、人に何かを尋ねる場合は、必ず工夫を入れる。
それは、質問を一つずつ、細切れにすることである。

一問一答形式にすると、相手側もY-N(Yes-No)
疑問文の対応になる。

こうすることで、聞こえない私は、相手の返事は表情
(眉や頬、口、首の動きなど)、ごくわずかな視覚情報だけで
推測可能になる。
(音声の言葉を理解するのではない)

だから、私ならば

「ここから新宿へ行くには、どうやって行けばいいですか?」

という尋ね方はしない。

「今、新宿へ向かうことができる電車は、
山手線ですか? 湘南新宿ラインですか?」

という尋ね方もしない。
推測力を働かせて、落ち着いて

「山手線は動いていますか?」

と尋ねる。
そして、もし「Yes」とわかったら、今度は

「山手線で新宿まで大丈夫ですか?」

と、慎重に話を進めて、繰り返すように尋ねる。
これが重要な確認になるからだ。
もしNoだったら、別の質問を考えて尋ねる。
Yesが出るまで、こういうふうに尋ねまくるのだ。

YesかNoかがわかれば、コミュニケーションができる
のだから、この方法は聴覚障害者には大変便利だ。

こうすることで、確実性が増す。
相手の返答の範囲が限定的になるように仕向ければ、
推測力は効果を期待できるのだ。

だが、こういうわけなのだから、自分が客の立場ではなく、
仕事とかだと、相手はこんなコミュニケーションに
面食らってしまい、だんだんと返事が面倒になってくる
人もいるようだ。
そうなってくると、健聴者の確認ミスが原因で失敗をする
こともある。

けれども、仕事の大事な話だからこそ、聴覚障害者との
コミュニケーションには、こういう慎重な方法が大事
なのではないか、と思う。



ところで、駅のホームでは、健聴者の行動を見ていて、
気になることがある。

最近は、電車を待つホーム上の「乗車位置」「乗車口」
(「整列位置」)と書いてあるところも増えている。
そこに列になって並ぶ、というルールもあるわけだ。

にもかかわらず、それを守らず、誰も並んでいない所で、
後から勝手に待って、電車が来ると一番先に乗り込んで
しまう人が、老若男女を問わず、結構いるものだ。

本人は「得をした」といい気になっているようだが、
その姿は「恥」にしか見えない。
目の見えない人ではあるまいし、「おかしい」と思うものだ。

聴覚障害者だったら、こんなことをする人がいるとは
思えないような気がするのだが・・・。

なぜそう考えるかというと、耳が聞こえない分、
視覚情報を広く、十分に取り入れて行動する人が多いと
思われるからである。

だから、聴覚障害者には、そんなマナーの悪い人は
いないような気がする・・・多分だが。

健聴者は、視覚情報を十分に見て理解していない、
と思われる。

学校教育から、考え直す必要があるのかも・・・?
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by bunbun6610 | 2014-02-24 18:30 | コミュニケーション能力


ある聴覚障害者から見た世界


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