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蒼穹 -そうきゅう-

ずる賢い障害者と、正直すぎる障害者

障害者のなかには、職場の人間関係に適応できず、
心の病気になってしまう人もいる。(※1)


(※1)当ブログ

『聴覚障害者の職場放棄』
〔2012-09-08 18:33〕



『ろう者のうつ病』
〔2011-10-04 02:34〕



参照。



関係障害という、二次障害を生みやすい聴覚障害を持つ
人の場合は、人間関係に悩んでいる人が多く、
なかには辞めてゆく人もいる。
これは、そういう人のなかの一例である。

私は、今までに働いてきた職場のなかで、うつ病になった
人を5人知っている。
そのうちの4人は、似たり寄ったりの症状だから

「そういう心の病気になる人が、最近は増えているな」

というふうにしか、思っていない。
特別なことと感じていない、ということだ。

ところが、1人だけ、私の今の職場にいるAさんという人だけは、
他の4人とはかなり違う症状のようである。
ひとことで言えば「珍しいうつ病」なのである。

インターネットや本で調べてみたら「新型うつ病」とか
「双極性うつ病障害」という病気が該当すると思う。


Aさんは突然、会社を休む場合がある。
そんな日に、会社の人に

「Aさんは、今日はどうかしましたか?」

と尋ねてみると、決まって

「Aさんは、今日は心の調子が良くないみたいで・・・」

という、どうもハッキリとしない説明を、いつも聞く。

しかし、会社に来ている日のAさんは、とにかくうつ病には
全く見えない。
Aさんがうつ病を発症しているときは、私は勿論、会社の
人の誰もが、Aさんのそんな状態など知らないのだから、
これは信じられないのも無理もないかもしれない。
逆に言うと「いつも元気なAさん」しか、皆知らない、
ということになる。

世間では「障害者雇用の場合は、特別に甘い」と言われて
いる。
Aさんは、そのメリットを最大限にうまく使って会社で働き、
あるいは休んでいるように見えるのである。

これは仕事内容についても同様で、Aさんについては会社も、
本人のかなりのわがままを聞き入れている、という感じがする。

そうすると、

「本当は病気というより、『自称うつ病』なのではないだろうか?」

という疑問もないわけではない。
難聴者や中途失聴者が

「本当は聞こえるんでしょ?」

と疑われるのと同じことなので、自分も、そういうふうに思うのは
どうかな、とは思うのだが。
それにしても、グレーに見えてしまうのも事実だろう。


別の障害者の例では、うつ病のことで会社の産業医とトラブルに
なり、それをきっかけに、会社と話し合いの末、会社の勧める
自主退職に応じざるをえなくなった、ろう者Bさんがいる。(※2)


(※2)
『職場での聴覚障害者事件』
〔2011-01-13 18:00〕



産業医との面談のとき、手話通訳者はつかなかったらしい。

Bさんが、私に相談してきたから、私はこのことを知っているので
ある。
Bさんは、産業医とのトラブル後に、会社の人事部に呼び出される
ことになった。
Bさんはそれに応じる前に、私に相談してきたのだ。

「リストラされそうです。
一緒に話し合いの場に来てください」

ということだった。

だが、すでに社外の人間であった私には、それは不可能な話だ。
その約1年前に、私はその会社をクビになっていたのだから。(※3)


(※3)詳細は

『会社が障害者解雇するときの極秘面談』
〔2012-10-16 20:00〕



参照。



この会社(M社)がクビにした人間を、立会人として認めるはずがない。

ともかく、私はM社の狙いが何なのか、すぐにわかった。
それは、Bさんが恐れている通りだ。
だから、やはり結果も、予想通りになるだけだった。

Bさんも結局、この事件をきっかけに、会社にうまいこと利用されて、
自主退職に追い込まれたのだ。
ちょうど、当ブログの情報

『森・濱田松本法律事務所 高谷知佐子弁護士』
〔2012-09-03 23:30〕



『「ほっともっと」運営会社、強引な退職勧奨の実態
「仕事取り上げる。退職願書いたら?」』
〔2013-12-20 19:00〕


と、非常に酷似している。
やはり、Bさんも

「あなたとはもう、ウチとの信頼関係もなくなりました」

などと言われたのだろう。

形の上では、Bさんの自主退職になっている。
だが実際には、これはM社の人事部常務取締役K・K
仕組んだ“辞めさせ工作”だ。
私も同じ手段で、辞めさせられた。

やり方は「ほっともっと」の例と同じだ。
「信頼関係がなくなった」という言葉から始まり、さまざまな
方法で圧力をかけてくる。
そのため、外部へ知られることのないように、必ず密室の
中へ呼び出される。
そして始めのうちは、物柔らかな言い方でも、要求に
応じないと、高圧的になってくる。
この様子は、私にも念のために、裁判に備えて残しておいた
記録文書があるので、そのうちに当ブログで公開するつもりだ。

Bさんの場合も、やはり次のように話している。
これは当時のメール文が残っていないので原文の通りではなく、
私の記憶から再生したものだということを、前もってお断りしておく。


「途中からは泣き出してしまい、何度もM社に留まれることを
懇願した。
すると、K・Kさんは

「そうしてあげてもいいが、次は許さないし、退職金もないよ」

などと言われた。
やっぱり、あなたの言う通り、厳しい条件を突きつけられました」


そして、Bさんはその場で、次のように結論を出した。
おそらく、M社がBさんに

「今、この場ですぐに「辞めます」と言え」

という意味の圧力をかけていたのだろう。
相手を降伏させるには、弱ってきたところへ畳み掛ける戦法が
最も有効だからだ。
私も、そのように仕向けられたからだ。

そうすることによってBさんを窮地へ追い込み、早く終わらせる
という狙いがK・Kにはあっただろう。
これはリストラの成功率を上げる、効率的な方法だと思う。
M社のほうは、新しい助成金の獲得に向けて目を光らせ、
“辞めさせる”気が満々だっただろう。


そして、K・Kの思惑通りに、Bさんは、私にはこう明かした。


「一緒に付き添ってくれたジョブコーチの

「もう、お金をもらって辞めたほうがいい。
病気を治すことが先だ」

という助言に従うことにし、『自主退職願』を出すことにした」


会社にとっては、このほうがメリットがある。
またBさんにも、退職金をもらって、円満退社することができるのだ。

(でも、騙されない人にはわかると思いますが、この退職金は実は
「自主退職に応じる」という交換条件としての“エサ”なのです)


それからしばらくして、Bさんは「再就職したい」と話した。


私;「病気は治ったの? 面接では会社に
「前職を辞めた理由」を何と話すの?」

Bさん;「うつ病になったので、辞めました」

私;「「志望動機」とかも聞かれてくるけど、何て言うの?」

Bさん;「うつ病を治すためです」

私;「そんなことを言ったら、どこも採用しないよ。
面接シミュレーションを何度も繰り返して、面接対策を立てた
ほうがいいよ」


そういえば

「ろう者は何でも、正直に言ってしまう」

ということも、よく聞く話だ。
しかも、ろう者の場合「ストレート言葉が多い」のだそうだ。
面接中の質問時間になると、ろう者はすぐに

「給料はいくら?」

と聞き出す場合もある、という。
聴覚障害者労働問題学習会で、実際に報告された例だ。

給料が幾らなのか、聞いてみること自体は、別に問題もない。
だが、彼らが選考で落とされる本当の理由は、その聞き方など、
ようするにコミュニケーション方法にありそうである。
これは健聴者のコミュニケーション方法を普段から学んでいないと、
対処が非常に難しい。
だから誤解を恐れずに言うなら、これがろう者に難しいのは、
当たり前だといえる。
また話し方についても、何でも自分の気持ちなど、正直にさらけ
出してしまうと、他人よりもずっと多くの損をしてしまう。


「会社の人のほうにも、もう少し、聴覚障害者の特性というものを
理解して、そして教育にも時間を割いてもらえないものだろうか」

と思う。
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by bunbun6610 | 2014-01-20 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E