消費税増税と賃上げ

以前にニュースでもあったように、安倍首相が経営者側に
賃上げを要請している。

しかし、業界の反応はどうだろうか。

ある新聞には、次のように書かれていた。


「日本社会の高齢化や少子化で国内市場の縮小が見込まれる
状況下、ベースアップに踏み切った後に需要減少が本格化すれば
経営面での負担は計り知れない。
今後の国内自動車産業で働く従業員に最適な報酬の形はベアか、
一時金か」



「同じ生産現場で働く仲間が職場から次々にいなくなっている。
こんな状況で本当に賃金改善分を要求するのか」


「非正規従業員の雇い止めを迫られ、多くの期間従業員が
職場を去った」


そして

「後ろめたさはぬぐいきれない」

と言う。

労組側は

「春の取り組みは労使が築いてきた相互信頼と自治の上に
成り立っている。
そこに政府が介入するのは越権行為だ」


と言う。

「日本社会全体で賃上げが実現しなければ、消費増税の
インパクトを乗り越えてデフレ脱却を実現することは難しい」



消費税増税の状況に入ったら、国民も今まで下がりっぱなし
だった給料では、もう我慢できない。
すぐにでも賃上げしなければ、デフレはさらに進行してゆきかねない。

だが、安倍政権の「アベノミクス」政策だけでは、
先行きは不透明である。
おそらく「格差社会」が進行してゆくだろう。


>「同じ生産現場で働く仲間が職場から次々にいなくなっている。
こんな状況で本当に賃金改善分を要求するのか」



この言葉が、すでにそれを物語っているのではないだろうか、と思う。




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〔参考情報〕


日本の賃上げ、持続的にならない可能性も

ウォール・ストリート・ジャーナル 11月20日(水)13時18分配信


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131120-00000217-wsj-bus_all


【東京】日本では一部の労働者の賃金は来春、何年かぶりに上がる
公算が大きいが、これが持続的な伸びにつながるかどうかは不透明だ。

 安倍晋三氏が首相に就任してほぼ1年となるが、最近発表された企業
の業績からは、同氏の大規模な金融緩和と政府支出を組み合わせた
政策、いわゆるアベノミクスが実を結びつつあることがうかがえる。

具体的には、企業の利益が増えており、ベースアップ(ベア)期待、
つまり基本給が上がるとの期待が高まっている。

 政府と日銀が景気の「好循環」を創出しようとする中で、賃金の
上昇は日本の景気回復を持続させるのに不可欠とみられている。

企業の利益増が賃上げにつながり、それが消費に波及して、
企業に利益として還元されるという「好循環」創出が政府・日銀
の意図だ。

 日本企業は、円が対ドルで前年比20%以上下落していることに
下支えされて業績が回復しており、賃金を増やす意向を示している。

 世界最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車は、賃上げの見込み
について検討している企業の1つだ。

 トヨタの小平信因副社長は今月、収益が改善した企業がその一部
を従業員に還元するのは「理にかなっている」と述べた。

 こういった意向を持つのは大企業に限らない。
中堅の自動車メーカー、三菱自動車もベースアップを検討している。
同社はリストラに長期間取り組んでおり、基本給を10年以上上げて
いなかった。

 ただし、多くの企業が最近賃上げの検討を約束している中で、
一時的なボーナスの増額ではなく、賃金の一律引き上げが繰り返し
行われることを示す確かな証拠はほとんどない。

 安倍首相は、給与の増加が日本を15年にわたるデフレから脱却させ、
経済停滞に終止符を打つための必要条件であることを認識している。

 日本企業はここ数年、グローバリゼーションによる変化や国内に
おける考え方のシフトを受け、とりわけベースアップに後ろ向きに
なっている。
給与は2008年の金融危機以前の景気が拡大していた時期でさえ、
ほとんど増えなかった。

 日本では戦後の急速な経済成長期の大半において、著名な終身
雇用制度の下、賃金が個人の成績ではなく、企業収益や年功といった
要素に連動していた。
とりわけ製造業はその傾向が強かった。

 しかし、日本企業が海外に進出し、安価で柔軟性のある世界の
豊富な労働力を利用するにつれ、企業は国内で賃上げする意欲を
ほとんど失っている。
また厳しい雇用関係法が労働者の解雇を困難にしており、それが
企業の賃上げを思いとどまらせている。
企業は景気が再び悪化した場合に高い給与を払い続けたくないからだ。

 安倍首相は企業利益を労働者に還元させる異例の取り組みとして、
政府、経営者、労働組合の3者から成る政労使会議を設置した。
政府は賃金を上げ、雇用を拡大した企業を対象にした減税策も打ち出した。

 日本労働組合総連合会(連合)は来年の春闘で、5年ぶりに少なく
とも1%のベースアップを求める見通しだ。

 慎重な日本企業は通常、基本給を引き上げる前に、さらに1年かけて
景気回復の持続を確認する。
このため、企業が来年、賃上げに合意すれば、それは過去のこうした
慎重な企業慣行を絶つことになる。

 しかし、多くのエコノミストは、企業が主として、ベースアップではなく、
特別ボーナスの支給を通じて賃金を引き上げるとみている。
こうすることで、事実上の固定費の増加を回避できるからだ。

 富士通総研の米山秀隆上席主任研究員は、

「企業収益は明確に上昇していており、大企業は賃金に還元できる
ところまできている」

と述べながらも、

「持続的に賃金が上がっていくかは、現時点では見通せない」

と話した。

 読売新聞が今月、大手企業105社を対象に行った調査によると、
およそ3分の1の企業が賃上げを検討していると回答したが、
ベースアップによる賃上げを検討していると回答した企業は8社に
とどまった。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの鈴木明彦調査部長は、
企業が慎重な姿勢を維持しているのは、内需が弱いといった
理由で売上量が利益と比較するとそれほど伸びていないためだと
述べた。
同氏は

「賃金上昇が、全体として広がりを持つことは期待しがたい」

と話した。

 また、多様化した雇用形態により、労働者が企業業績の回復の
恩恵を受けることが困難になっている。
企業は給与支出と社会保障費を抑制するため、より待遇の悪い
非正規労働者の雇用を増やしている。
非正規労働者は現在、日本の労働人口の35%を占める。

 そんな中、カメラ大手のキヤノンなど、一律の給与制度ではなく、
職責や成績をベースにした給与制度に移行する企業も増えている。

 このような変化は、景気が明らかに回復しているにもかかわらず、
全体の給与額が大幅に改善しないという結果をもたらしている。
9月の従業員に対する給与支払総額は、ボーナス支払額が前年
同月比5.5%増加したにもかかわらず、修正後ベースで0.2%減少
した。

 三井不動産の佐藤雅敏常務執行役員は今月、企業は全体として
ベースアップという大胆な一歩を踏み出せるほどの自信を持てずに
いるとの見方を示した。
同氏は「これが安倍首相が政労使会議を開催している理由である
公算が大きい」と話した。


【関連記事】
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最終更新:11月20日(水)13時47分





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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140102-00000005-wordleaf-bus_all


2014年「アベノミクス」で
賃金は上がるのか?


THE PAGE 1月2日(木)20時0分配信


安倍首相が昨年打ち出した「アベノミクス」は、円安基調や株価上昇
などにつながり、景気を好転させたといわれています。
しかし、大胆な金融緩和で物価上昇を目指すことから賃金上昇も
不可欠ともいわれます。

過去の景気回復局面では「実感なき景気回復」とやゆされるなど、
賃金は十分に上がったとはいえませんでした。
安倍政権では賃金アップの方向性も打ち出していますが、果たして
思うように上がるのか。

個人消費や雇用・賃金の問題に詳しい、三菱UFJリサーチ&コンサ
ルティングの尾畠未輝さんに聞きました。


賃金が上がるために必要な条件

ーーーーアベノミクスで賃金は上がるのか?
一番難しい質問ですね。
賃金が上がるためには、景気が一時的ではなく、継続的に良くなる
ことが必要です。
企業の儲け、つまり収益が増えれば、モノが売れて不足してくる、
そして人出が不足してくる。
そうなると、高いお金がつくようになる。
需要が供給より増えるとモノのお金も人のお金、つまり賃金も
上がってくるという構図です。

それがある程度長い間、継続して景気が良くなって、企業活動が
活発になることが大前提です。
景気の回復が今のようにずっと続いていけば、賃金が上がってくる
可能性はあります。


非正規雇用の増加の影響

ーーーー継続的な好景気が必要だと。
ただ、今までなぜ賃金が上がって来なかったのかというと、一人
ひとりの賃金が落ちているということもありますが、やはり賃金が
安い人、つまり非正規の人たちが増えてしまっているからです。
賃金の高い人が減って、賃金の低い人が増えると、平均の賃金
でみると、どんどん下がってくることになります。
こうした短時間労働者らが増えたことが平均の賃金を上がりづらく
させてきました。

これから景気が良くなっていけば、企業も正社員を雇おうかとなる
かもしれませんが、まだ少し先行きが不安だという気持ちがあれば、
非正規で雇うという流れは変わらないかもしれない。
そうすると、「賃金押し下げ圧力」はずっと続くことになるので、景気
は回復しているのに、なぜか賃金が上がってこない、という可能性
もないとはいえません。

ーーーー正社員の賃金は上がってる?
正社員の賃金はそこまで下がってはいませんし、上がってはいません。
物価が90年代後半からずっと下がっているので。
ここ10年で非正規雇用が増えました。
その流れが一気に変わるということは考えにくい。
ただ、景気が継続して回復すれば、モノも人も不足してくるので賃金
が上がるきっかけにはなります。


中小企業まで波及するのか

ーーーー大企業と中小企業の格差もある。
収益とモノの関係でいくと、業績がいいのは大企業。一方で、人出が
不足しているのは中小企業。
みんな大企業志向が強い中で、中小企業は賃金が安いのでなかなか
働きたがらない。

大企業は儲けが出ているので、賃金を上げようと思えば、簡単では
ないが、上げられなくもない。
ただ人も足りている。
むしろ人件費を下げているから収益がいいという側面もあります。
いま注目されている春闘の賃上げでも、賃金を上げますと言う企業が
出てきています。
大企業は、リーマンショックの後、一時的に悪い時期もありましたが、
継続して業績が良くなっているので、政府が賃上げ要請したことに
対して、素直に応えることができた部分もあると思います。

一方で、中小企業はどうかというと、人出が不足しているので、
できれば賃金を上げて人を集めたい。
ただ収益はどうかというと、まだまだ経営状況が厳しく儲かっていない。
なので賃金が上げられないという状態。
そこでギャップが生まれてしまっていることが一つ問題です。

ポイントとしては、中小企業まで収益改善の流れが広がってくるのか。
日銀短観などでは足下でも広がりつつあるという調査結果が出て
きています。
それが続けばいいのですが。
ただこの春に予定されている消費税アップの影響は、どうしても
中小企業にしわ寄せが来やすい可能性があるので、消費税増税が
一つの大きなヤマになってくくるでしょう。
まず8%へのアップを乗り越えることができるかどうかですね。


どれくらいの景気回復が必要?

ーーーーどれくらい景気回復が続けば賃金にも反映されるのか
景気の回復が、時間がたてば本当に波及していくのか、それとも
構造的に日本は大企業は良くても、中小企業は何年経っても
良くないという状況なのか、これまで疑わしかった部分はあります。

少なくとも、今後景気回復が続いて、消費税増税があっても、
あまり景気が悪くならなかった、となれば、企業にとっても消費者に
とっても一つの自信につながるかもしれません。
そこで「安心」だということになれば、設備投資を増やそうとか、
人出が不足するから賃金を上げよう、という動きにつながります。
非正規ではなくて正社員を採ろうという流れに少しでもなれば。

ただ、ずっと20年くらい景気が悪くなっているのを続けて見ていると、
今年1年くらい景気が良くなったくらいでは難しいかもしれない。
だいぶムードは変わりましたが、自信が持てるかというと、まだ不安
な部分はあると思います。
いずれにせよ、そうした企業のマインドが変わるためにも、継続して
景気が良くなることが大事です。


■尾畠未輝(おはた・みき)
調査部 研究員 2008年3月慶應義塾大学大学院経済学研究科
修士課程修了。
同年4月三菱UFJリサーチ&コンサルティング入社。
金融機関経営コンサルティング業務を経て、現在、調査部で個人
消費、住宅、雇用・賃金など家計部門を中心に国内マクロ経済調査
を担当。
日本経済新聞「ゼミナール(賃金はあがるのか?)」連載やプライム
コンサルタント「プライムブックレット」、財団法人労務行政研究所
「労政時報」および「HR Watcher(コラム)」など定期寄稿。

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by bunbun6610 | 2014-01-10 18:30 | 社会


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