最近、うれしかったこと

ある日、床屋さんの前で開店時間を待っていたら、
一人の若者が何かを尋ねてきた。

若者;「○×△■☆・・・」

私;「は?」

若者;「○×△■☆・・・」

私;「え?」

若者;「○×△■☆・・・」



若者の質問は短い言葉だったので、始めは口を読み取ろうとした。
けれども、意外と口の動きが小さかったこともあり、
結局読み取れなかった。

私;「すみません。
実は私は、耳が聴こえないのです・・・」

すると、若者は驚きもせず、すぐにポケットからスマートフォンを
取り出して、

若者;「○○体育館」

と入力し、私に示した。
私は、すぐに理解した。

私;「あぁ、○○体育館は、この道を真っ直ぐ行くと信号機のある
十字路があります。
そこまで行けばありますよ」

若者;お辞儀をして、何かを言う(「どうもありがとうございました」)。


相手が何をして欲しいのかは、聴覚障害者は相手の表情、
仕草を見て、すぐにわかる。
だから、聴覚障害者に道を尋ねるときは「○○体育館」
と書くだけで充分なのだ。

お辞儀の仕方で、丁寧なお礼を言われていることもわかる。
だから、何でもかんでも文章にして書く必要はないのだ。
道で出会う聴覚障害者は、別にお客様ではないのだから。

スマートフォンは、最近はマナー問題でいろいろと言われて
いるし、私も非常に不快なものだと思っていた。
でもそれが、今回は聴覚障害者と健聴者との橋渡し役に
なっていた。

それにしても、聴覚障害者とこんなにスマートな
コミュニケーションができる人は珍しい。

高齢者のほうが、聴覚障害者に対して、失礼な振る舞いを
する人が圧倒的に多い。
なぜかと考えたら、それも当然だろう。
今までも、平然と聴覚障害者差別をしてきた人たちなのだから。


高齢者も道を尋ねてくる人は少なくないが、私が

「耳が聞こえません」

と言うと、10人中10人の人が相手にしなく
なってしまう。
問題なのは、その冷たい態度である。
聴覚障害者を、自分と対等な人間として、見ていないのである。

この人たちこそ、そんな世の中をつくってきた人たちなのだ。

もう、この人たちがつくった“聴覚障害者差別”を滅ぼそうではないか。
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by bunbun6610 | 2013-12-21 18:00 | コミュニケーション能力
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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
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