『なかなか定着しない理由について』
2013年 10月 24日
http://blogs.yahoo.co.jp/uchayamamingkun2000/35313220.html
炎のジョブコーチ
『なかなか定着しない理由について』
〔2013/9/28(土) 午前 8:47〕
先日ある就労支援の集まりで企業の担当者の方
からの質問がありました。
弊社は障害者を雇用してもなかなか定着しない・・・
と障害者雇用の難しさをこぼされました。
すると、会場の方からご指摘がありました。
定着しないには原因がある、一つはいい人を採って
いないこと、もう一つは働きにくいことが上げられる、
との意見がありました。
なるほど、確かに。
その的を射たような答えに、質問された方はすごすごと…、
何かご自身の気づきがあったようです。
確かに、面接では人柄よりも障害が軽い人に目が
いったり、支援機関のエントリーというだけで採ったり、
逆に人柄ばかりで職業能力に目がいっていないと、
苦手な仕事やモチベーションが持てない仕事について、
その後の働きにくさになってしまいます。
さらに、業務に達成感ややりがいが設計されていなかったり、
育成プランなどキャリアに応える仕組みが不在だったりすれば
働きにくい職場になります。
その障害特性や個人に応じたキャリア形成が働き続けるため
には重要です。
もう一つ思ったことは、「障害者は定着しない」の「障害者は・・・」。
健常者×障害者、一般社員×障害のある社員と気づかない
ところで区別しているところで発生しているように思います。
このことが問題の本質を見えなくしているように思います。
「こちら側の課題かも・・・」との気づきが、問題解決や成長など
次のアクションにつながります。
一方、「障害者は定着しない」では思考停止のままとなります。
これはビジネス一般に必要なスキルでもあります。
=====================================
これは、聴覚障害者の場合にも言えると思います。
『ろう学校の進路指導・支援に期待すること』
(岩山誠氏〔聴覚障害者〕)
という資料があります。
図2を見てみると、聴覚障害者の場合は「障害上の理由」で
辞めた人は他の障害者と比べて、かなり低くなっています。
そして退職理由で高いのは
「職場の人間関係」
「賃金、労働条件」
「仕事内容」
の順になっています。
聴覚障害者の多くは
「自分の障害を苦にしているのではない」
ということです。
>「健常者×障害者、一般社員×障害のある社員と
気づかないところで区別している」
この言葉の意味するところは、わかりやすく言うと、
縄張り意識とか、ヘンな住み分けをしている、ということだろうと
思います。
少し前に、当ブログで『職場内障害者授産施設』という
シリーズを書きましたが、そこに書いてあるような事例です。
それは会社や健常者が最も嫌う言葉でハッキリと言うなら
「職場内で障害者差別を行っている」
ということなのです。
有能な障害者なら、辞めて他を探して当然だと思います。(※)
(※)当ブログ
『優秀なろう者が辞めたのはなぜ?』
〔2013-06-01 18:00〕
参照。
==================================
【参考/追記(10月31日)】
『(就労支援)仕事の中に挑戦があるか 』
〔2012/9/11(火) 午前 0:12〕
http://blogs.yahoo.co.jp/uchayamamingkun2000/archive/2012/09/11
障害者雇用や就労支援において、「働き続けること」に少しずつ
注目が集まっています。
業界用語の「3年目の壁」が働く人の「なれ」や「集中力の低下」
など本人側の問題でなく、仕事から得る充実感や仕事を通して
成長する機会に関係することが分かってきたように思います。
特別支援学校の先生から聞いたのですが、3年目で辞めてしまう
のは辞めさせられるのでなく、自分から辞めるのが多いのだとか。
友達の会社が良く見えたり、もっと給料の高い仕事、違う仕事を
したい…らしいのです。
本来なら、入社3年目といえば、少し責任ある仕事にチャレンジ
させてもらえたり、周囲が見えてきたりして仕事が面白くなってくる
時期です。周囲の期待も、自分自身もちょっと刺激がほしくなる頃
です。
一方、障害者雇用では、多くの職場で「達成感」や「挑戦」が業務
に設計されていません。
茂木健一郎先生の脳科学の本には、挑戦すること、乗り越える
ことは脳にとって最大の刺激であり成長の機会…とありましたが。
そんなわくわく感がなければ逆に長く働き続くるのはムリでは…
なんて思います。
障害に関係なく、仕事を通した自己実現が感じられなくなった時点
で仕事への魅力(動機付け)は失われます。
最近は定着後のフォローで訪問する時は、働いている人がどこで
充実感を感じれるか、そしてその人の仕事観はどんなか、そんな
ことを意識して見ています。
炎のジョブコーチ
『なかなか定着しない理由について』
〔2013/9/28(土) 午前 8:47〕
先日ある就労支援の集まりで企業の担当者の方
からの質問がありました。
弊社は障害者を雇用してもなかなか定着しない・・・
と障害者雇用の難しさをこぼされました。
すると、会場の方からご指摘がありました。
定着しないには原因がある、一つはいい人を採って
いないこと、もう一つは働きにくいことが上げられる、
との意見がありました。
なるほど、確かに。
その的を射たような答えに、質問された方はすごすごと…、
何かご自身の気づきがあったようです。
確かに、面接では人柄よりも障害が軽い人に目が
いったり、支援機関のエントリーというだけで採ったり、
逆に人柄ばかりで職業能力に目がいっていないと、
苦手な仕事やモチベーションが持てない仕事について、
その後の働きにくさになってしまいます。
さらに、業務に達成感ややりがいが設計されていなかったり、
育成プランなどキャリアに応える仕組みが不在だったりすれば
働きにくい職場になります。
その障害特性や個人に応じたキャリア形成が働き続けるため
には重要です。
もう一つ思ったことは、「障害者は定着しない」の「障害者は・・・」。
健常者×障害者、一般社員×障害のある社員と気づかない
ところで区別しているところで発生しているように思います。
このことが問題の本質を見えなくしているように思います。
「こちら側の課題かも・・・」との気づきが、問題解決や成長など
次のアクションにつながります。
一方、「障害者は定着しない」では思考停止のままとなります。
これはビジネス一般に必要なスキルでもあります。
=====================================
これは、聴覚障害者の場合にも言えると思います。
『ろう学校の進路指導・支援に期待すること』
(岩山誠氏〔聴覚障害者〕)
という資料があります。
図2を見てみると、聴覚障害者の場合は「障害上の理由」で
辞めた人は他の障害者と比べて、かなり低くなっています。
そして退職理由で高いのは
「職場の人間関係」
「賃金、労働条件」
「仕事内容」
の順になっています。
聴覚障害者の多くは
「自分の障害を苦にしているのではない」
ということです。
>「健常者×障害者、一般社員×障害のある社員と
気づかないところで区別している」
この言葉の意味するところは、わかりやすく言うと、
縄張り意識とか、ヘンな住み分けをしている、ということだろうと
思います。
少し前に、当ブログで『職場内障害者授産施設』という
シリーズを書きましたが、そこに書いてあるような事例です。
それは会社や健常者が最も嫌う言葉でハッキリと言うなら
「職場内で障害者差別を行っている」
ということなのです。
有能な障害者なら、辞めて他を探して当然だと思います。(※)
(※)当ブログ
『優秀なろう者が辞めたのはなぜ?』
〔2013-06-01 18:00〕
参照。
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【参考/追記(10月31日)】
『(就労支援)仕事の中に挑戦があるか 』
〔2012/9/11(火) 午前 0:12〕
http://blogs.yahoo.co.jp/uchayamamingkun2000/archive/2012/09/11
障害者雇用や就労支援において、「働き続けること」に少しずつ
注目が集まっています。
業界用語の「3年目の壁」が働く人の「なれ」や「集中力の低下」
など本人側の問題でなく、仕事から得る充実感や仕事を通して
成長する機会に関係することが分かってきたように思います。
特別支援学校の先生から聞いたのですが、3年目で辞めてしまう
のは辞めさせられるのでなく、自分から辞めるのが多いのだとか。
友達の会社が良く見えたり、もっと給料の高い仕事、違う仕事を
したい…らしいのです。
本来なら、入社3年目といえば、少し責任ある仕事にチャレンジ
させてもらえたり、周囲が見えてきたりして仕事が面白くなってくる
時期です。周囲の期待も、自分自身もちょっと刺激がほしくなる頃
です。
一方、障害者雇用では、多くの職場で「達成感」や「挑戦」が業務
に設計されていません。
茂木健一郎先生の脳科学の本には、挑戦すること、乗り越える
ことは脳にとって最大の刺激であり成長の機会…とありましたが。
そんなわくわく感がなければ逆に長く働き続くるのはムリでは…
なんて思います。
障害に関係なく、仕事を通した自己実現が感じられなくなった時点
で仕事への魅力(動機付け)は失われます。
最近は定着後のフォローで訪問する時は、働いている人がどこで
充実感を感じれるか、そしてその人の仕事観はどんなか、そんな
ことを意識して見ています。
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【追記】(2023年11月18日)
昔、ILOの報告書で、聴覚障害者の『離職率』は40%超だと知ったことがある。
今も変わらないのだろうと思う。
「音声による支配」も、深刻だと思う。
それによって、彼らの文化まで壊されていく。
アイヌ民族と同じように・・・・。
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>「「障害者は定着しない」では思考停止のままとなります。」
なるほど。
原因をつくっているのは双方が考えられる、
という考え方もあるのだろう。
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by bunbun6610
| 2013-10-24 19:42
| 聴覚障害者労働問題・相談