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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

「障害者の定義」について

「障害者の定義」について - 日本の場合

 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/rehab/r083/r083_005.html


この資料は、あまりに膨大な記述なので、
聴覚障害者に関係のある部分、あるいは参考となりそうな
部分だけを抜粋してみました。


『障害の定義』は、軽・中度難聴者も関心の高い項目だと
思われます。
難聴障害を持つ当事者団体が『デシベルダウン運動』を
行っているほどです。
両耳の聴力測定の数値だけで決められている現実があります。
しかも、日本の場合は、それが国際的にも非常に高すぎる
基準です。

当ブログの記事別アクセス数を見て思うのですが、
訪問者には、身体障害者手帳のない難聴者も多い
と思われます。
それだけ、就労面での悩みを持つ方は多いのではないか、
と思われます。
でも、軽・中度難聴者の就労問題は、この資料には
全く載っていません。
これはどうしたことでしょう。
多分、ほとんど知られていないのだろうと思います。

もしかしたら、今は人工内耳という方法があるようなので、
そっちのほうへ関心、興味が行ってしまっているの
かもしれない。

やはり、人生は働いて収入を得ることから始まるのですから、
それができないというのは深刻だと思います。
国が認定基準を変えるのを、待っていられません。
そこで、人工内耳が可能ならば、それに踏み切る方法も
あるようです。
確か「ハイブリッド人工内耳」とか、聞いたことがあります。



他に思うことは、働いていて思うのですけれども、
正直に言って

「聴覚障害者って、本当に身体障害者なのだろうか?」

と思うことがあります。

聴覚障害者は、耳が聞こえないという他は、
何も問題はありません。
むしろ、他の障害者を圧倒的に引き離すほどの
身体能力を持っています。
ですから、情報・コミュニケーション方法を視覚化する
ことによって、問題はほぼ片付いてしまうくらいです。
はっきり言って、健常者と変わらない労働力です。

アメリカ・マサチューセッツ州のマーサズ・ヴィンヤード島の話を、
知っていますか?


そこでは、島の人々――健聴者も、ろう者を障害者として
扱っていなかったという。

この実例と現代社会とを比較してみて思うこと、
それは、障害には二つあると思います。

一つは、身体機能の著しい減退や喪失によるもの、
そしてもう一つは、社会の直接・間接差別がもたらして
いるものです。

聴覚障害の場合は後者をなくすことで、
状況を大きく変えられる障害なのです。


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特集/障害の定義
日本における障害者の法的定義
―その現状と課題―

日本社会事業大学 障害者の法的定義研究会*

 資格制限諸法を除くと、障害者関係法の対象は
一般にその法によるサービスを必要とする人とする
のが自然である。
しかし実際には年齢、障害の発生原因(労災に限るなど)、
国籍などの制約があり、さらに法の一般的対象とされ
ても個別の給付・サービスについては保険料納付要件、
家族や住宅の状況、情報不足、交通困難、自己負担、
予算不足などで利用できないことも多い。
2人以上の聴覚障害者を雇用する事業主への助成制度
(手話通訳者委嘱など)と1人づつ雇用されている実態
との矛盾も指摘される。



 
1.障害者基本法
障害者の定義
 
基本法の障害者の定義に関する新旧条文、付帯決議、行政説明

〔障害者の定義〕

(旧)
この法律において「心身障害者」とは、肢体不自由、視覚障害、
聴覚障害、平衡機能障害、音声機能障害若しくは言語機能障害、
心臓機能障害、呼吸器機能障害等の固定的臓器機能障害
又は精神薄弱等の精神的欠陥(以下「心身障害」と総称する。)
があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な
制限を受ける者をいう。


(新)
この法律において「障害者」とは、身体障害、精神薄弱
又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、
長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を
受ける者をいう。


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>「2人以上の聴覚障害者を雇用する事業主への助成制度
(手話通訳者委嘱など)と1人づつ雇用されている実態
との矛盾も指摘される。



どこの会社でも、人事部が聴覚障害者を分散配置させていますが、
その理由がこれでわかりましたね。

大きな会社でも、内部は関連会社の部屋が幾つもあり、
障害者が一人だけ、雑用係として雇われている会社もあります。
名目は別会社なのですから、フロア全体では何人も障害者がいても、
一会社に一人ずつしかいないのと同じということになります。


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 〈障害程度による除外〉
 聴覚障害が重度に限定されているため、福祉法による
補聴器の交付率(一定人口あたり)がヨーロッパの
10分の1以下で、文字放送アダプターの普及台数は
「聴覚障害者数」の2~3倍にもなっている。



 〈等級の問題〉
 1993年5月20日の朝日新聞は「矛盾だらけの障害者の等級」
(編集委員、田辺功)という記事を載せ、人工臓器の場合は
術前状態で判定する制度の下で、ペースメーカーを埋め込んで
仕事に飛び回りゴルフを楽しむ人が最重度の1級となっている
現実、視野に厳しい基準の下で、1級の視力障害者が3級の
視野狭窄の人を手引きする現実など、認定基準の問題を指摘した。


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同じ等級の聴覚障害者で、人工内耳をして効果のあった人、
なかった人は、それでも両者は同じ等級のままなのだろうか?
ろう者には人工内耳は効果が期待できない、と言われる。


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4.障害者の雇用の促進等に関する法律
障害種別の格差
 
 現に公的機関を通じて採用寸前まで行きながら「手帳がない」、
「雇用率にカウントされない」ことが分かって契約を解消される
事例は珍しくない。

雇用率にカウントされない障害者はもともとそこへの就職の
可能性はなかったのだといえなくもない。

しかし以前には障害のない求職者との競争だけですんでいた者が、
制度の発足によって雇用率にカウントされる障害者とも
競争しなければならなくなったことは事実である。


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これは障害があるにもかかわらず、手帳がないので会社が
「手帳がないからダメです」と断っている事例なのだと思います。
手帳のない難聴者もこの中に入っているでしょう。

会社が障害者を雇うとき、その能力を評価するのは稀だと思います。
障害者であることを伝えるならば、やはり会社は

「手帳がないとダメだ」

と言うでしょう。

また、会社の希望によっては、ダブルカウント障害者が有利になる
場合もあることを示しています。


ダブルカウントの障害者を雇うと、企業は少ない障害者雇用数で
罰金を逃れ、障害者雇用助成金がもらえるメリットがあります。

通常は障害者1人雇うと、シングルカウント(1カウント)ですが、
なかには0.5カウントの障害者もいます。

ですから、ダブルカウントは障害者を2人雇っているのと同じ、
と見なされます。

そうすると、それだけ、法定雇用率達成に近づきやすくなるわけです。
でも、だからといってどこの会社もみな、これをやり出したら、
働ける障害者の数は少なくなってしまいます。
法定雇用率を達成してしまえば、それ以上の障害者は雇わない
のですから。

ダブルカウントの存在は、“水増し処理”と同じです。
それを国として認めているという、ある意味では、
とんでもないことなのです。
確かに、雇えば助成金ももらえやすくなります。

ダブルカウント障害者を多く雇っている会社というと、
普通は、何も知らない人ならば

「重度障害者をたくさん雇っているなんて、
いい会社なのですね」

と思うかもしれません。
しかし、場合によっては、これは障害者雇用の
“粉飾決算”を見せているのと同じなのです。

過去には、茨城県の水戸にあった会社だったと
思いますが、その工場では重度障害者ばかりを
雇っていたが、実際には虐待をしていて、
給料も公共機関への届け出をごまかし、
ほとんど無給で働かせていたという事件がありました。
もちろん、多額の助成金ももらっていて、
社長のカネになっていました。
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by bunbun6610 | 2013-09-28 18:00 | 国連・障害者権利条約