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蒼穹 -そうきゅう-

職場内障害者授産施設 (5)障害者差別禁止法の必要性 保護から権利へ

実は、Bさん(脳性マヒ障害者)のような状況に
置かれた障害者の事例が、
ある本にも載っています。

それが、当ブログの過去記事にも掲載してあります。


当ブログ

『企業における聴覚障害者差別と、差別禁止法の必要性』
〔2012-10-23 18:00〕


より。


私も今までに、障害者雇用をしている、たくさんの会社を見てきましたが、
どこの会社でも似たような状況でした。

一番感じたのは、働く障害者に対する能力の評価が、
著しく不適当だと思いました。

それに起因する、著しい職域差別があると思いました。

雇用前の採用選考にも、採用後についても、
やはり差別がある、と思いました。





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『当事者がつくる障害者差別禁止法 保護から権利へ』
(「障害者差別禁止法制定」作業チーム編/現代書館)


「『地元では優良企業と言われる会社に障害者枠で入社したが、
やめるまで仕事は何もなかった。

単純作業さえさせてもらえなかった。
公共職業安定所にも会社の指導を何度も頼み、
自分でも会社に訴えたが、何の効果もなかった。

それまで持っていなかった身体障害者手帳を
就職に有利かと思い取ったのだが、
レッテルを貼られただけ。

自分は、普通学校に通い、障害者枠ではない労働も経験し、
障害を重荷に感じたことはなかったのに、
重荷に思うようになってしまった。』

職場で自分の価値を否定されることで、
彼は自信喪失となり、今も人と接するのを
避けたいと思ってしまうと言う。

会社側の

『障害者枠雇用だし、仕事をしてケガでもされては困る。
ただそこに居てくれればいい』

という『特別扱い』の結果、彼は、
職場で何もやることのない長い一日を過ごすことに
なった。

『本当にみじめで、他の人に見られるのも
屈辱的だったし、悔しかった』

と彼は言う。
雇用の対象にはされていても、職場で実際に能力を
発揮する労働者として期待される対象とは
なっていなかったのだ。

障害をもつ人に対する差別禁止・権利法の基底に
流れるのは

『障害をもつ人も社会の構成員として
他の構成員と同等であり、適切な援助や環境整備
によって自立できる』

という人間観、自立観である。
障害をもつ人は、働く上で、その人固有のニーズをもっており、
それを満たすためには支援が必要となる。
障害者雇用は“数合わせ”ではない。
職場に障害をもつ人とそうでない人とが共に居ればよい
というものではないのだ。
障害をもつ人にとって不備な職場環境が変わらなければ、
実のある新規雇用にも継続雇用にもつながらない。
逆に、周りの職場環境や労働条件をその人固有の
ニーズに合わせて改善・調整することによって、
障害をもつ人は、働く場を得、職場で能力を発揮し、
職業生活を向上させ、働き続けることが可能となる。

それは、法的に未整備な現在でさえ、情報通信環境の
発展という追い風を受け、情報機器等の支援ツールの
活用によって活躍の場を見出してきた、パイオニア的
当事者の実践が既に実証済みである。

割当雇用の対象者をとらえる際、身体障害者手帳、
療育手帳(または『愛の手帳』)によって障害の範囲と
程度を確認することからわかるように、
現在の割当雇用制は、『障害者』を限定し分類・等級化
することを連動している。

しかし、WHOの1980年国際障害分類(ICIDH)、
2001年5月採択の国際障害分類改訂版(ICF)
の流れが示すように、障害はその人に属するのではなく、
障害をもつ人と環境の間にあるもの、さらには、
障害はあらゆる人に起こりうるものとしてとらえられる
ようになってきた。

これは、人と人との間に、障害の有無に関して決定的な
境界線を引くことを否定し、カテゴリー別に分断・排除
するのではなく、あくまでも人を一個人として見ようと
いうものであり、雇用の場もそのような接触の場として
期待されている。
人を分類することで、障害をもつ人個々に固有であるはずの、
環境調整ニーズを具体的に把握することはできない。

障害をもつ人に対する差別禁止・権利法の制定に際し、
一定程度の雇用が確保されるまでの間、
時限的に法定雇用率設定による割当雇用制を設ける
という選択肢もありえようが、これまでの割当雇用制が
残してきた功罪を検証し、慎重な制度設計をしなければ
ならないことは言うまでもない。
『障害』と『雇用の場における能力』とはどのような
関係にあるのか、何を障害と定義するのか。
検証は、そこまで立ち返るものでなくてはならないだろう。」
(29~31ページ)


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【追記(10月31日)】

『仕事をさせてくれない会社…』
〔2010/2/17(水) 午後 11:57〕

http://blogs.yahoo.co.jp/uchayamamingkun2000/archive/2010/02/17

以前担当した会社のことですが、配属された集配センターの
担当者から

「(失敗すると・間違えると)怖いから、ちょっと…」

といって、なかなか仕事させてくれません。

確かに郵便物の誤配は業務に支障をきたすかもしれませんが、
ジョブコーチとしては集中支援の期間になるだけチャレンジ
させていただき失敗もしてほしいというスタンスです。
何処でつまずいているのか、どうすればいいのかなど、
職場の人と一緒に考える期間だからです。

でも、
何時までたっても本格的な仕事が始まりません。

ジョブコーチはダミー(宛名を書いた封筒)で練習し精度を
数値化し確認する方法を提案しますが、本当の郵便物と
間違えて配達されると心配、ということで却下。

終に

「このままでは支援計画通り進みません」

と申し出ると、その担当者

「リスクを考えると仕事を任せられない」

とのこと。

そう言われると、そこまでということになります。
残念ならが会社のレベルとしか言い様がありません。

ジョブコーチのモチベーションも低下、がんばる企業担当者
にはジョブコーチも影響を受けるのですが、後ろ向きの企業
担当者からはマイナスの影響を受けます。

ジョブコーチが居なかったら放置されるのではないかなど
先行きの不安も感じます。
もう一つの会社の方がよかった…。

人の才能を見つけられない職場は、当然に人も成長しません。


ジョブコーチを燃やすのは企業担当者の本気です。

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by bunbun6610 | 2013-09-10 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題B