職場内障害者授産施設 (1)役所の障害者福祉課で

だいぶ昔のことですが、役所の障害者福祉課へ
用事があって出かけたときのことです。

その頃、私は障害者手帳を取得して
あまり経っていなくて、
障害者雇用促進法のことも、
まだ知りませんでした。

当時の私の場合は、会社に障害者雇用枠で
雇用されたわけではなかったようで、
おそらく一般枠での雇用でした。

障害者が一般枠で雇用されるというのは
珍しいかもしれませんが。

別の言い方をすれば、私は障害者雇用促進法に
よる“差別”をほとんど受けていませんでした。
ですから障害者であった私でさえも、
障害者雇用促進法なんて、
名前も実態も全く知りませんでした。


「障害者雇用促進法は差別だ」

という言い方には、健常者にはかなりの抵抗感が
あるかもしれません。

「何を言っているんだ。
障害者雇用促進法は働けない障害者のために、
障害者が雇用されるように企業に義務づけた
制度だよ。
だから、それによって多くの障害者が、
恩恵が受けられるようになったのだ。
差別なんて、とんでもないことを言うな」

あるいは、こうも言われるでしょう。

「障害者って、いいよね。
能力がなくたって、
特別に雇用してもらえるんだから」

確かに、そう言われても仕方がない事実が
あると思います。

けれども「恩恵=特別扱い」は、
障害者の視点では「差別」と感じる場合も、
やはりあると思うのです。

健常者だけでなく、恩恵に甘えて生きてきた
障害者にもわからない、と思いますが。


さて、話を役所のことにもどすことにします。

その役所の障害者福祉課の窓口へ行き、
対応してくれる人を呼んだのですが、
まず非常に背が低い女性が出てきました。

ところが、ウロウロする感じで、
すぐにどこかへ行ってしまいます。

それでまた呼ぶのですが、またすぐに姿を現しても、
またすぐどこかへ行ってしまいます。

私は

「この女性は、何をしているのか」

と、少しイライラしてきました。

すぐ近くに、他の職員も何人かいましたが、
皆忙しそうにしていました。

「ははぁ・・・。これがお役所対応なのだな・・・。
それにしても、なぜここに障害者がいるのだろうか・・・?」

と素朴に、思ったものです。
後になって、つまり私も障害者雇用を経験してから

「あの人も障害者雇用だったのだな」

とわかるようになりました。

障害者雇用なんて、
どこも同じような状況ですから。

職場で大人の障害者を見ているというのに、
まるで子供のような感じでした。

何もさせてもらえない、
誰にも相手にされない、
何もすることがない障害者・・・。


私は、この異常と思える実態から、
本で読んだ、あの言葉を思い出しました。


「永遠の子どもとしてしか、私たち障害者はみられていないのです」
(障害者の権利を擁護してきた弁護士、故ティモシー・クック)
( 当ブログ『障害者は、永遠の子ども?』〔2012-03-28 00:48〕 )
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by bunbun6610 | 2013-09-02 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題B

ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610