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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

NHK『バリバラ』 ここがヘンだよ! 健常者 第2弾 (2)

NHK『バリバラ』

 『ここがヘンだよ! 健常者 第2弾』



同番組の新企画、逆バージョン
「障害者のこういうところって、ヘンじゃない?」編

ろう者が離れている相手を呼ぶ方法

「物を投げるのは相手を呼ぶときの合図」(※)
…妻が夫にテレビのリモコンを投げつけて呼ぶ


(※)
「“物を投げて相手を呼ぶ”という行為は、
家庭のなかで、または親しい者同士で
行われることがありますが、
聴覚障害者の誰もがやっているわけでは
ありません」



一口に「聴覚障害者」といっても、いろいろな人がいます。
この点はできるだけ、誤解なきようにしたいと思います。

テレビでは、単に「聴覚障害者」という字幕表示でしたけれども、
今回の『バリバラ』でゲストに出演していたのは、
ろう者(Deaf)夫婦です。


手話を見れば、違いが分かります。
それは母語によって、使う手話も違うからです。
手話を少しでも勉強した人ならば、どういう聴覚障害者なのか、
その違いは一目瞭然に分かります。


要するに、手話もそうなのですが、
根本的な文化の違いもあります。
つまり、ろう者(Deaf)には「聾(ろう)文化」という
文化を持っているわけです。
両親がろう者、周りにもろう者がいる環境で育ったので、
自分たち(ろう者世界)はそれで普通だと思っています。

ですから当然、健聴者とは違っています。

でも、聾文化を知らない中途失聴者や難聴者の場合は、
ずっと健聴者社会で過ごしてきているので、
健聴者と大差はありません。
見た目だけで“難聴者”だとは、わかりづらいかもしれません。
耳の障害は補聴器や筆談など、健聴者と同じく日本語で
補う場合が多いようです。

さて、テレビの証言ビデオであった、
ろう者(Deaf)夫婦の

「モノを投げつけて相手を呼ぶ方法」

は、健聴者社会のなかで育ってきた
聴覚障害者の場合は、さすがにしないと思います。

他にも、健聴者や難聴者、中途失聴者もあまりしないと
思うものでは、ろう者だと異性同士でも、
カラダのどこか(肩、背中など)に手で触れる、
あるいは軽く叩くなどして呼びあったりします。

でも中途失聴者・難聴者だとやっぱり、
身体に触るという行為はしません。

健聴者と同じく、分かるまで声で呼ぶとか、
相手の視界に回り込んでから、身振りなども交えて
話しかけるとかします。


証言ビデオを見て、私もやはり聴こえない立場は
同じですので、健聴者とは方法が違うということ自体は、
別に驚くことではありません。

ただ、やはりこれは疑問だな、と思う点もあります。

例えば

 ①なぜ壊れる可能性のあるもの、
  相手は痛いと思うものを投げるつけるのだろうか?
  (テレビのリモコンやゴミ箱まで)


 ②ビデオでは、二人にそれほど距離がなかったのに、
  どうしてわざわざ物を投げつけるのだろうか?
  呼びたいときは、どうして自分から相手のそばまで
  行かないのだろうか?


この理由は、私にもわかりません。

この理由に、ろう者(Deaf)夫婦は、
ろう者社会の文化的背景を挙げているのですが、
その説明で納得できた視聴者は、
果たしてどれぐらいいたのだろうか。

どうも、文化が違うという説明だけでは、
納得は難しそうに思います。
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by bunbun6610 | 2013-05-23 18:30 | Eテレ『バリバラ』