NHK『バリバラ』 障害者の悩み -就労 (2)

  NHK『バリバラ』

4月26日(金)夜9:00~9:30放送
テーマ; 『就労・障害者の悩み』


〔関連記事〕当ブログ

『NHK『バリバラ』 障害者の悩み -就労 (1)』
〔2013-04-21 18:00〕



今年4月から障害者の法定雇用率がアップし、
障害者が就職するチャンス!

と思いきや、企業の理解が思うように進まず、
就職できない障害者は依然として多いようです。


ある重度身体障害者の証言では、
障害者本人の働く能力よりも、
まず介助が必要になるのかどうかで、
採否を判断されてしまう。
誰かの助けが必要なら、もうそれだけで
落とされている現実がある、という。

重度障害者の自立支援を行っている
竹中ナミ氏(社会福祉法人プロップ
・ステーション理事長)は、
前回(※1)に続き、自分たちでNPO法人
でもいいから立ち上げて、
働く場をつくってしまえばいい、という。


(※1)
『NHK『バリバラ』 障害者の悩み -就労 (1)』
〔2013-04-21 18:00〕
参照。



高次脳機能障害者(※2)Aさんの質問


(※2)高次脳機能障害
病気や事故などで脳に損傷を受け、
記憶や行動などに障害が起きる後遺症。




Q;「面接で自分の障害について、
自分がどう困っているのか、
どう言ったらいいのかわからない」


Q;「面接で、自分の障害をどこまで
言えばいいのか?」



軽・中度難聴障害者の悩みと、
どこか似ていますね。

高次脳機能障害は仕事に就けたとしても、
それに支障が起きる障害なので、
会社という厳しい組織の中で働くのは、
かなり難しいのではないだろうか。

さすがにアドバイザーのなかからも、
なかなか良い提案が出てこない。

街中に高次脳機能障害者が集まる施設
(NPO法人か?)がありますが、
健常者のサポートスタッフの支援を
受けながら、何か作って販売しているのを
見たことがありますが。


秦 政氏(障がい者就業・雇用支援センター
理事長)は、その人の障害は見えるか、
そうでないかに注目し、アドバイスしていました。

難聴障害者も補聴器を装用しているとはいえ、
高次脳機能障害と似たようなもので、
見えない、あるいは見えづらい、
そして配慮が得られにくい障害のほうに
入ります。

クローズで就職している難聴者には、
長髪にして、補聴器を見えづらくしている人も
います。


ハッキリと分かるのは、見えない障害のことは、
言わなければお互いのためにはならない、
問題解決にもならない、ということです。

本人にしてみれば、面接で正直に言うと
それで終わり、という厳しい現実ではある
けれども、それでも言うべきなのだろう。

秦氏も

「後で分かるとダメージが大きい」

と言う。

面接では障害のことは説明して、
それでも理解し、雇用してくれるという会社を
探すより他にない。
そんな会社はほとんどないのが現実だと
分かっていても。


秦氏は

「面接では、障害のことよりも自分のウリを
いっぱい出せばいい」

とアドバイスしています。

秦氏; 「ご自分でウリは分かっているん
ですか?」

Aさん; 「好きなことなどには集中できます」

秦氏; 「自分の出来ること、得意なことを
一つずつ書き残しておけばいかがですか?
ウリをいっぱい出せばいい。
周りの人の声も聞きながら、いっぱい書いて
みると、いっぱいありますよ」


結局、相談者(Aさん)には、秦氏の

A;「障害を伝えるとともに、自分のウリも
いっぱい出す」

がベストアンサーに選ばれましたが。



身体障害者第一級のBさんの相談は

Q;「介助が必要だと就職出来ないの?」


これって、障害者自立支援法でも問題に
なると思うんですけれども…。

介助費用を誰が負担するのでしょうか?
福祉予算から全額出るのでしょうか?
それとも、会社も負担しなければならなく
なるのでしょうか?

会社は面接の段階からそんな疑問、
不安を抱くと思います。

東京でも、雇用している企業はなかなか
ないと思います。

在宅就労という方法があるのですが、
それはナビタイムジャパン(※3)という会社が
実施しています。
道路や街中の様々なデータを集めて、
何かをする仕事のようです。
実際に、ハローワークの障害者雇用枠でも、
この求人票を見ました。

(※3)
http://recruit.navitime.co.jp/challenged/challenged_entry.pdf



他にもコンピュータを使う情報処理の仕事を
する会社では在宅で、仕事の指示連絡などは
メールでやっている、という会社もあります。

これだったら聴覚障害者でもできるじゃないか、
と思うかもしれませんが、意外と高いスキルが
求められているようで、先天性聴覚障害者の
ように情報障害を受けていた障害者の場合、
ちょっと能力が不足していると言われたりします。

ところで、聴覚障害者の場合も介助者では
ないけれども、実は通訳者を必要としたい場合
であっても、通訳者の派遣を認めてもらえない
という問題点があります。
それと共通点がある事例だと思います。

問題は費用面だけではありません。
通訳者のケースと同じように、
介助者も会社が雇用契約を結んでいるわけ
ではないので、要するに部外者です。
すると、会社に介助者や通訳者の守秘義務
のことを言っても、会社の中のことを知られる
のを極度に嫌います。
だから、介助者も拒否している、
という理由が考えられると思います。
この問題は、会社役員の理解、承認が
なければ、絶対に解決しません。
現実を見れば、障害者差別禁止(合理的
配慮の実施義務規定)の法律でも出来ない
限り、絶対に無理だと思われます。

聴覚障害者と同じ壁にぶち当たっている、
とも言えそうです。



Q;「面接で説明ができない、パニックになる」
 -発達障害者Cさん


A;「説明できるところまで説明すればよい」


森藤啓次郎氏(障害者を雇用している
物流会社 社長)
「これはうちの会社の面接であったこと
なんですけれども、本を一冊持ってきたと。
確か200ページぐらいの本だったと
思うんですけれども。
1ページ目から最終ページまで分からない
ことは国語辞典で全部調べて、
余白に書いてあるっていうふうなところを
見た瞬間に、あっ、彼、努力できるんやと。
『この本、一体どれだけかけて読みました?』
と聞いたら、
『半年かかりました』
と。
半年もかけてこのことが続けられるんやと。
もう、彼に決めました。」

ダメなところはダメなことでハッキリしといて、
いいところをきちっと伝えると面接官に響く。



Q;「双極性障害―そううつの波で転職を
繰り返す。
自分はどうすればよいのか?」 ―Dさん


他に、そううつの波があって、自分から辞めたり
解雇されたりして、何社も転職を繰り返している
障害者もいましたが、この人はそれまで障害を
隠して就職していた、という。
障害を隠すのは生活のため、と考えていたという。


これに対するベストアンサーは

A;「三ヶ月周期で来るのものなのだから、
それで仕事も変わる、と割り切る」

ほうがラクだという。


それはわかっているんですけれどもね…。
現実問題として、就職できないと
生きていけないじゃないですか。

個人的意見ですが、この矛盾の多い日本社会
を障害者が生きていくには、善だけではなく、
必要悪というのもあると思うんですけれども。
(注;苦渋の告白になりますが、
これは私の奨めとしてではなく、
率直に体験から話していることです。)


そこを、テレビに出ている健常者のアドバイザー
は、どこまで深刻な問題として考えているの
だろうか?


クレーン事故も、容疑者の犯罪を弁護する
わけではありませんが、そんな疑問がある
んじゃないか、と思います。
あの事件の背景にも、もしかしたら、
このような障害者の就労問題があるのかも
しれません。
もしそうだとしたら、健常者中心の社会が
つくった矛盾が生んだ犯罪、ということになる
のではないでしょうか。(※)


(※)当ブログ

『元運転手らに賠償命令=母親も責任、
1億2500万円―クレーン車事故・宇都宮地裁』
〔2013-04-24 22:09〕


参照。




〔参考情報〕

『障害を隠して就職活動していますか?』




最後に、秦氏はそううつの波で転職を繰り返す
障害者に

「(あなたがクローズで今まで働いてこれたのは)
能力があったからでしょうね」

とか何とか言っていました。

確かにこの相談者の場合、後天性障害者なので、
もともと能力があったのでしょう。
しかし、それは他の障害者と比較出来ること
じゃない。
両者は最初から、スタートラインから違っていた
のですから。
Dさんは元健常者だから、健常なときに能力を
身につけることが可能だったのだ。
Dさんの場合は、いわゆる”恵まれている障害者”
のほうに入るだろう。
だからといっても、先天性障害者は能力がない
のではない。

健常者社会からの障害者差別によって、
無能力化されてきたに過ぎないのだ。

日本の健常者は皆、まだそれをわかっていない
と思う。
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by bunbun6610 | 2013-04-30 18:00 | Eテレ『バリバラ』


ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

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