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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

障害者雇用でも、会社の「手話は今、勉強中です」に騙されないように

就労継続支援A型事業所(※)

(※)〔参考記事〕
当ブログ

『「就労継続支援A型事業所」とは?』
〔2012-12-24 18:30〕

参照。



「今年3月からスタートする新規事業で、
聴覚障害者も含めて、
障害者を20~30人募集している」

という、就労継続支援A型事業所の面接を
受けたことがあります。

精神障害者やそのご家族の方などが、
利用料を払って利用(通所)する地域障害者施設です。
そこで一緒に働く障害者スタッフを募集中だということです。

ほとんど自宅に引きこもりがちの精神障害者が、
社会復帰へ向けて活動を再開する場として、
専門家が精神障害者を様々な側面から支援しながら、
自立していくことを目的としている施設です。

当面は当施設を利用希望する精神障害者や
その家族などから、利用料を頂いて施設で
自炊や趣味のお菓子作り、
あるいは芸術活動などをしながら、
利用者たちで楽しんだり、地域の人にも鑑賞
してもらったりしているそうです。
将来は、作ったものを販売もしてみたいそうです。

そういう精神障害者の居場所をまず提供して、
社会復帰に向けさせているようです。

そこで働く専門家のほかに、様々な障害者も雇用し、
皆で精神障害者の自立を支援していく事業、
ということです。

その障害者雇用の面接を受けてみたのですが、
私はやはり自分が、他の障害者とは違う難点を
持っていることを、不安視していました。

聴覚の障害で起こる、コミュニケーション障害、
関係障害など、様々な二次障害のことで、です。

健常者ともうまくいかないというのに、
果たして利用者(お客様)の立場である精神障害者から、
聴覚障害について理解をちゃんと得られて、
問題なくやってゆけるだろうか?

だが不思議なことに、書類選考がすぐ通り、
面接まで進めることになりました。

面接で、面接担当者にこの不安点を正直に話すと、
担当者(健常者の方)は

「こちらのスタッフも障害者については理解しているので、
聴覚障害のスタッフにも、フォローはしますよ」

などと言います。
聴覚障害者であっても、採用に前向きな雰囲気でした。

勿論、そういった言葉には、もう色んな会社で、
今までに何度も騙されてきたので、
最初から信用しませんでした。
そこで、私は質問をどんどん突っ込みました。

もしも、それに対する安心できる返事があれば、
採用してほしい、と思っていました。


私;「具体的には、どんなサポートがあるのでしょうか?」

担当者;「こちらでも今、手話を勉強しているスタッフが
いますが、手話はまだ…」

私;「手話は勉強中の人もいるが、まだ誰もできないと…?」
(「本当にこの人自身は、聴覚障害者にサポート
できるのだろうか?」と思った)

担当者;「手話が出来なくても、筆談サポートをしますから…」

私;(言い逃れのような返事に呆れながらも)
「ですが、あなたは今、筆談していませんよね。
だから(どうせそうなるだろうと思っていたから)私は、
要約筆記者を同行させているのです」

担当者;「要約筆記者って、何ですか?
要約筆記者は就労後も、使えるんですか?」

私;「手話・要約筆記通訳は、障害者自立支援法で
認められる範囲内でしか、使えません。
会社面接では無料派遣が可能ですが、
就労後も利用するには、事業者が費用負担しなければ
なりません」

担当者;(もう諦めた様子で)「そうですか…」


この人は、障害者支援をする専門家だというのに、
障害者自立支援法のことも、何も知らないようだった。

この人はどうやら、障害者支援の事業をして、
そこでも賃金の安い障害者を雇用して、
金儲けをしようとしているらしい。

それだけではない。
私の横に要約筆記通訳者がいるというのに、
どんどん早くしゃべっているので、
話すスピードと通訳のスピードがかなり違ってしまう。
それで会話に間が空く理由もわからなかったらしい。
私が通訳を見てからでないと話せないということが、
わからなかったらしい。

どうやらこの人は、聴覚障害者の通訳を見るのも初めてらしい。

精神障害者の専門的支援員であるかも知れないが、
聴覚障害者についてはズブの素人だと思いました。

「これで仕事をするときには、本当に大丈夫なのかなぁ?
やっぱり、入社後が心配だ」

こう思ったものです。


実際には、雇用後になっても、部下に指示をするだけで、
聴覚障害者への合理的配慮に責任を持たない健聴者
というのは大勢います。
だから、私はこの担当者の話を信用しないことに決めました。


聴覚障害者の読者の方にも、会社などで

「手話は勉強中です」

と言われ、しかし実際にはいつまでたっても
全然手話を覚えてくれない、
また代替コミュニケーション手段にも
筆談をしてくれなかった、
という経験をさせられた人は、
きっとたくさんいるのではないでしょうか。

騙されて、騙されて、妥協すればどんどん騙されて、
結局仕方なく、我慢して働くだけの、
辛い労働になりやすいものです。

もうそうなる前に、自分で見抜くのが賢いと思います。




【追記】(4月10日)
「ブラック社会福祉法人」というのがあるのかないのか
知りませんが、インターネットで調べると実際に出てきます。

http://antiblacknpo.blog.fc2.com/blog-entry-10.html


読んでみて、まさにブラック企業の特徴モロ出しの内容、
だと思いました。

私も面接に行ってみた会社、何となく怪しいと思いました。
求人票には仕事の内容は一つしかないのに、
給与額に幅がありすぎでした。
確か月額11~16万円くらいと書いてありました。

「何でこんな求人票をハローワークに出しているんだろう?」

と思ったものです。

おそらく、これはエサだと思います。

通常の障害者求人ではありえない条件だった為に、
聴覚障害者も含む、いろいろな障害を持つ応募者が
殺到したそうです。

ところが、面接になってみても、雇用条件の具体的な
話は全然出てきませんでした。


利用料を頂いている精神障害者に、芸術活動や
お菓子作りなどを自由にやらせることは何ら
違法ではないけれども、その作品を商品として
販売するのは、一体何に相当すると思うでしょうか?

よく考えて、賢い判断をしましょう。
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by bunbun6610 | 2013-04-09 18:00 | 就労前の聴覚障害者問題A