「できないこと」に着眼した、支え合う教育

『だいじょうぶ3組』(乙武洋匡/著)

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人にはみな、できることと、できないこととがあります。
そして、人は自分の、あるいは人のできることに
注目するものです。
できないことには、なるべく目を向けたがらないものです。
他人からの目でも、そう願っているものです。

でも彼は子どもたちに、他者のできないことに着眼してもらい、
そこから人間として大切なこと、
すなわち多様性を認め合い、互いに支えあうことを
実践してもらうことを願っている、
と思いました。

健常者ばかりの学校で、障害者として。

実話から生まれたそんな教育ドラマというのは、
見たことがない。


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「『ただひとつ、みんなにお願いがあります』

校庭は静まりかえり、つぎの言葉を待った。

『見てのとおり、先生には手と足がありません』

赤尾が両腕を突きだす。
すると、スーツの袖がだらりと垂れさがり、
柳のようにゆらゆらと揺れた。

『きゃっ』

『気持ち悪い』

低学年の女の子から、痛々しいまでに
正直な乾燥がもれる。
ひじまでしかない両腕。
ひざまでしかない両足。
赤尾には、生まれながらにして四肢が与えられて
いなかった。

あまりに奇妙な身体に、たいていの人は大きく目を
見開いて赤尾のことを振りかえる。
だが、幼いときから何百回、何千回と同じような視線を
浴びつづけてきた彼には、そんな周囲の反応さえも
楽しんでしまうようなところがあった。

赤尾は、にこやかに続けた。

『だから、先生にはできないことがたくさんあります。
これから、先生と過ごしていくなかで、
『あ、先生、困ってるな』と感じたときには、
ぜひお手伝いをしてください』」

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by bunbun6610 | 2013-03-21 18:30 | だいじょうぶ3組
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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
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