『手話を通じて聾者とコミュニケーションをとるにあたって』

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 『手話を通じて聾者とコミュニケーションをとるにあたって』

 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1079628500


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ベストアンサーに選ばれているのは、
ろう者の手話講師です。


まだ手話初心者のうちだと、実際、
多くのろう者からはよく

「そのうちに、自然にわかってくるようになる」

などというアドバイスをもらったりします。

しかし、慣れてきて、手話が上達していくのは、
大勢の手話学習者のなかでも、
ほんの一握りの人たちだけです。

その証拠に、地域の手話講習会では、
最初の入門コースは受講生が50人以上もいても、
半年も過ぎると半分近くにまで
減っていくことはよくあるものです。

進級していくにつれてさらに減り、
進級試験があるとまた減ります。

最終的にはやはり、手話通訳者を養成するための
手話講習会なのですから、
厳しくなっていくのは当然でしょう。


(ここからは、ろう者の言語である「日本手話」と、
手話学習者が使う「日本語対応手話」の違いに
ついての話しになるので、
両者を混同しないように注意して読んでください)



ある人(ろう者、健聴者とも)が

「手話を覚えるのは、
英語やフランス語を覚えるのと同じようなものだ」

と言っていましたが、私の場合は、今はそうは思えません。

文法、言語文化として違うのは手話でも外国語でも、
確かに同じだとは言えると思います。

でも、やはり音声言語と視覚言語の特徴は大きく違うという点を、
一番知るべきだと思いました。

英語もフランス語も日本語も、音声言語です。
でも手話は違いますよね。

実は、手話といっても、日本語対応手話では音声言語と
同じ語順で手話を表せますが、
日本手話では違う語順になる表現もかなりあるのです。

だから

「音声言語を使いながら手話を使うのはやめたほうがよい」

と、ろう者は言っているのだと思います。

詳細は下記の動画をご覧になられたら、よくわかると思います。

http://www.bbed.org/move/index_vol01.html


それでは、日本語対応手話は今後一切、
やめたほうがよいのでしょうか?

それが、そうとも限りません。

手話通訳ではやはり、日本語対応手話も使います。

また、ろう者ではありませんが、実は、日本語対応手話を
必要としている聴覚障害者もかなりいます。
例えば、下記のブログのように、です。

http://ameblo.jp/ayamisasaki/entry-10963735643.html

http://rokumangoku.naganoblog.jp/c27490.html



手話サークルでは、必ずといっていいほど、

「誰のために手話を学ぶのか?」

という議題が永遠にあると思います。

つまり、サークルに通う目的です。
それは、人(会員)により様々です。

会社の仕事が終わった後の時間を使って、
カルチャーとして学んでいたい、
という人もいるでしょう。

歳を取ってきて、難聴になってきたから、
手話を勉強しておいたほうがいいかな、
という自分の老後の保険として、
手話を学んでおく人もいるでしょう。

サークルにいる皆が一緒に、
手話コミュニケーションを楽しんでいるから、
自分もその中に入って楽しみたい、
という人もいるでしょう。

あるいは、ろう者と交流したい、
ろう者の言葉を覚えたい、
という人も確かにいるでしょう。

それら全ての人に対して、手話サークルで
まとめて教えられている手話というのは、
日本語の語順に従って、手話単語で表現する、
というものでしょう。

「その教え方にこそ問題がある」

と言うろう者も非常に多いのですが、
それが手話講習会でも手話サークルでも、
現実にやっていることなのです。

手話サークルのメンバーのほとんどは、
自分たちがそこで最初に習う手話が、
ろう者の言語(日本手話)ではなく、
手話初心者向けにカスタマイズされた
「日本語対応手話」だということを
全く知りません。

だから、わざわざ

「本当のろう者の言語を学びたい」

という気が起こらないものだし、
たとえ起きたとしても次第に、
数が多い健聴者仲間に紛れ込んでいるほうが、
居心地がいいものだと思うようになります。

手話サークルでも、日本語対応手話を使う人は
マジョリティーです。
そして、日本手話を使う人はマイノリティーです。
(という言い方はできると思う)

日本手話を使う人々は、手話サークルでも
少数民族のようなものであり、
言語的少数者なのです。


かくして、サークル内でも、
日本語を話しながら手話をしている者たちと、
ゲストのろう者、手話通訳者を目指している者たちとに、
自然とグループに分かれるのが必然です。

結局、それは異なる言語圏を表しているとも
言えなくもなくなります。

日本手話と日本語対応手話は異なる言語であるがゆえに、
相容れないものなのだと思う。

勿論、ろう者と話せるようになりたければ、
ろう者のいる日本手話グループに入ったほうが
よいのです。

いつまでも日本語対応手話の仲間のほうにいたら、
そのままです。
そこを越えられるかどうかが、
ろう者の手話へ入ってゆけるかどうか、
になるのです。

それぞれの人々が国境みたいな説明になってしまいましたが、
単に「聴こえる」「聴こえない」というだけでなく、
言語圏として分かれるのだと思います。

どの言語も好き嫌いせず自然に覚えていき、
そして相手によって使い分けられるとよいと思います。


〔参考記事〕
当ブログ
『手話を学ぶ「はじめの一歩」は、聴こえない体験からしてみよう』
〔2012-01-08 23:58〕

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by bunbun6610 | 2013-04-05 18:00 | 手話
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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
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