「コイツらは…」の感情を抑え続けて

いつもの9:00の朝礼に、見慣れない男の人が、
15分くらいも何か話していた。
でも相変わらず会社側の配慮が欠けており、
さっぱりわからない。
上司のOさん、Yさん、それにS課長もいたので、
本来は大事な話だと思う。
それでも、この男の人は、私が聴覚障害者だと
知らされていないかもしれない。

あるいは

「あの人は聞こえないからしょうがない。
ほっとけばよい」

と伝えていたかもしれない。
どちらにせよ、私はいつも通り

「そのまま聞いているふりをしていればよい」

ということになるだろう。
よくあるのが

「わからないことがあったら聞いて下さい」

ということ。
一見したところ親切な言葉ではあるのだが、
無責任にもほどがあるだろう。
健聴者にとって、こんなに便利で都合の
いい言葉はない。
これで本当に「合理的配慮」をしたことに
なるのだろうか?

「わからないことがあったら聞いて下さい」

と言われても、元からほとんど聞こえないのだから

「何をどう聞いたらよいのかもわからない」

というのが、こちらの本音なのである。
この状況で

「自分で聞け」

と言われても、無理なのである。
皆に話し終わった後、担当者に毎日毎日
聞かなくてはならない。
それに、聞いたら聞いたで、コイツらはどうせまた、
話し言葉で話すに決まっているのだ。
どういう伝え方をしたらよいか、
コイツらには幾ら言ってもわからないのだから。

思えば私は、子供のころから

「聞いているふり」

をして、その後大変な目に遭った。

これは自分が招いた失敗だったのだが、
どうしようもなかった。

こんなことをしたために周囲の大人は皆、
私は本当は聞こえないのに

「聞こえている」

と思い込んでしまっていたからである。
今思えば、本当に取り返しのつかない失敗だった。
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by bunbun6610 | 2013-03-15 18:00 | Z1.クレジットカード会社
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ある聴覚障害者から見た世界


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