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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

スウェーデンの障害者差別禁止法

『立教大学 社会福祉ニュース
スウェーデンの新差別禁止法 -スウェーデン滞在を終えて
所員:河東田 博』

http://www.rikkyo.ac.jp/research/laboratory/ISW/sfnews29-1.html


>「新差別禁止法は、既存の差別禁止法を全て廃止し、
新たな差別禁止条項を加えて策定された法律である。
新差別禁止法は

「性差、性同一性障害、民族・人種、宗教・信仰、
障害、性的指向・年齢に対する差別を禁止し、
他の人々と同じ価値と可能性を持てるようにする
ことを目的」(第1条)

とし、6章から成っている。

…(中略)…

スウェーデン政府はこの法律を

「今までにない強力な差別禁止法である」

と宣伝に務めているが、障害者団体などは

「差別に関する政府の認識は驚くほど貧困で、
今回出された新差別禁止法もあいまいで不十分である」

と批判的である。

ニアンコ・サブニ(Nyamko Sabuni)統合平等大臣
(Integrations- och jämställdhetsminister)も

「期限内に各自治体が十分な手続きが取れるように
要請を行ってきましたが、まだ十分ではありません」

と本法の不十分さを認めている。

しかし、これまでの雇用という限られた枠を超えて
船出をしたことだけは確かである。」



次のような、興味深い見解があります。


資料名; 『EU 諸国における障害者差別禁止法制の展開と
障害者雇用施策の動向
(調査研究報告書No.81) サマリー』


http://www.nivr.jeed.or.jp/download/houkoku/houkoku81_summary.pdf


>「これまで労働市場のマクロの状態を把握する
指標として「労働力率」と「失業率」が使用される
ことが多かった。
「労働力(=就業者+失業者)」の範囲に含まれる人
だけが労働政策の対象者で、それ以外の
「非労働力」は労働とは関係がない福祉政策の対象者
であると明確に線引きされていた。
しかし障害者の場合、雇用環境の調整の程度が
就業意欲と大いに関連するため、環境があまり
整備されていない段階では、無職状態で求職活動を
積極的にしないケースも多いことから、
「失業者」とならず、「非労働力」になってしまうことが
多い。
したがって、現在の障害者の「労働力率」や「失業率」
は過小に評価されている。



現在の日本の障害者の法定雇用率は、
たったの1.8%です。

「そんなに少なくていいはずがない」

と思うでしょう。
おそらく、疑問は当然だと思います。
重度身体障害者を雇用した場合は、
企業にダブルカウント適用されることも、
おかしいと思うはずです。



>「就業率が50%以上と高い国は、
デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ポルトガル、
オーストリア、オランダである。
重度障害者に限定した就業率では、ポルトガル(38.1%)、
フランス(37.3%)、スウェーデン(33.2%)、
オーストリア(32.3%)が高い比率を示している。(1998)」



>「・合理的調整措置を提供しない場合における
正当化の主張を認めないこと。

・離職後6ヵ月以内であれば、元の雇用主に対して
不服を申立てることができる。

・障害を理由とする差別によって解雇された場合、
従来は労働裁判所は復職の勧告しかできなかったが、
復職を命令することができるようになったこと。

・障害を理由とするハラスメントについては、
他の差別禁止法との関係において、明白に禁止される。」



>「差別禁止を通じて障害者の雇用を促進していく
上では、権利保障の手続きを整備するとともに、
差別禁止立法において特徴とされる「合理的配慮」の
提供義務をどのように遂行していくかが重要である。



>「.EU 諸国における保護雇用の展開をみると、
ドイツでは、1974 年の重度障害者法によって
ワークショップが規定され、労働能力が50%以下
であると判定されるとワークショップで働くことが
ふさわしいとみなされる。
フランスでは、2005 年法によってそれまでの保護雇用
の場が改められ、AP(障害者適応企業)、CDTD(在宅就労)、
EAST(就労援助サービス施設)となり、
一般雇用に向けた施設としての転換が進んでいる。

イギリスでは、1970 年代からレンプロイ公社が
保護雇用の役割を担ってきた。
スウェーデンでは、政府出資100%のサムハルが、
積極的労働市場制作によってもなお一般雇用が
不可能な障害者に対して、保護雇用の機会を提供している。」




>「.障害者差別禁止法制では、求職、転職、職務配置など
における障害を理由とする差別や不利益な取り扱いが禁止
されるが、職務の遂行について雇用主に「合理的配慮」
ないし「合理的調整」を行うことが義務づけられることが
特徴である。

EU 諸国では、単独の差別禁止法又は雇用関係法において、
この趣旨を反映した規定が設けられており、それと同時に、
雇用主がその義務を履行できない場合についても規定され
ている。」




>「一定の合理的な配慮があれば就労機会が拡大する
障害者にとっては、障害者差別禁止を中心とした
障害者雇用施策が有効であろう。
しかし、「機会の平等」だけでは、生涯にわたって就労する
機会に到達できない障害者も数多く存在することも事実であり、
今後も保護雇用の機会を提供することの意義が改めて
問われている。
国際的な視点では、究極的には、機会の増大と、
結果平等の確保が、車の両輪として機能的に融合しつつ、
個々の障害者にとって、最も意義のある就労(decentwork)
を実現することに収斂していくことが望まれる。」

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by bunbun6610 | 2013-01-30 18:00 | 国連・障害者権利条約