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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

合理的配慮を欠く、企業の聴覚障害者雇用

当ブログ

『9歳の壁』
〔2012-09-13 18:30〕

にある問題は、どうやって解決していけば
よいのだろうか。
ろう者に仕事を確実に覚えてもらうには、
どんな方法があるのだろうか。

私は日本語(主に筆談だが、音声も若干ならば)で
理解できる聴覚障害者ですが、
その経験で提案するとしても、
やはり健聴者も音声説明はやめて、
視覚のみで理解できる説明に専念したほうが、
良い結果に結びつくと思います。
本人の学習能力の向上とかは、
その後からで大丈夫なのではないか、
と思う。
むしろ、健聴者のほうが、なぜその悪い癖を
やめられないのだろうか。
9歳の壁ができてしまった根本原因は、
これではないかと思うのだが。

ただ、すべての健聴者に、悪い癖を止めるのが
完璧にできるわけではありません。

はっきり言って、できる健聴者とできない健聴者が
いるので、聴覚障害者の指導役となる健聴者を選ぶには、
適性を見極めることも重要だと思います。
これをせずに誰にでも任せていると、いろいろなトラブルが
起こったりします。

実際にトラブルが起きた典型例が、当ブログのカテゴリー
『就労後の聴覚障害者問題』のなかに、
たくさん述べられているのです。

ですから、聴覚障害者への指導役は、
能力だけではなく、特に人格的に優れた人が
求められると思います。

それから、実際の教え方ですが、これは聴覚障害者が
少しずつ理解できるようになるまで、一緒にやってみる方法が
一番良いと思います。

ただ、この方法だと、見ている他の健聴者からは

「おママゴトをやっている」

と言われたりすることもあります。
(実際にありました)

当ブログの

『あるろう者が、会社から言われたこと』
〔2012-09-18 18:30〕

には

「一人でやる仕事を二人でやらなくちゃならない」

という、上司の不満が述べられていますが、
周囲の健聴者からは正にそう言われてしまうのです。

そのように、健聴者と同じ教え方で仕事を覚えて
もらわないと困る、という固執した考え方が、
今の多くの会社では当たり前なのです。
それが平等だと思っているらしいのです。
そして「合理的配慮」を「特別扱い」だと
勘違いしているようなのです。

健聴者ならば、言われたことは一度で覚えるような
厳しさが当然であり、それを聴覚障害者にも
求められるのが当然かつ公平であり、
対等なのだと健聴者は考えていると思います。
果たしてそうでしょうか?

多くの健聴者は、聴覚障害者とのコミュニケーション
方法そのものから間違えてしまっています。
これではやはり、無意味です。

聴覚障害のハンディは健聴者がたやすく
考えているように、聴覚障害者の自己努力だけで
どうにかなるものではありません。

当ブログを長い間読まれてきている健聴者にも、
聴覚障害者問題の本当の背景は、
理解できないのでしょうか。

実例にもとづいて述べますが、会社が無責任な
健聴者に聴覚障害者への指導役を押し付けると、
そのしわ寄せは必ず聴覚障害者に回っていきます。
そして、聴覚障害者を雇用しても辞めていく、
というパターンが続き、やがてその会社は聴覚障害者
のほうが問題だと考えるようになり、聴覚障害者を
雇用するのをやめてしまう場合もあります。

聴覚障害者がふさわしくない指導役に対し、
我慢し続けたとしても、精神的に非常に苦しみます。

場合によっては、聴覚障害者からブログ等に
会社の差別事例を暴露される、という事例も起こるのです。

聴覚障害者は

「この人の説明がよくわからない。
けれども、教えてもらっているんだから。
それなのに理解できない自分のほうが、
悪いのだろうか」

といったふうに自分の障害から起きる問題と
深刻に受け止め、我慢しては苦しみ続ける
場合もあります。

そして我慢できなくなると、
場合によっては職場放棄してしまったり、
反抗して先輩上司に手を出したりする事例もあります。

こうなってしまうと、聴覚障害者だけに「悪い」という目を
向けられてしまう場合もあります。


あるいは、うつ病になって会社を休み続けるように
なるろう者もいます。

私自身もそうした体験者で、
それに耐えて耐えた挙句、精神が分裂していくように
思えました。
職場にいる毎日、心の中で葛藤し続け

「一体、本当に正しい心とは何なのか?」

と悩むようになっていました。



あるいは、健聴者には

「聴覚障害者の心の問題」

という見方をされてしまうだけで、問題の背景など一切
無視されてしまいます。
そして、聴覚障害者は辞めさせられたり、
我慢し続けていても周りには無視されるだけなのです。

私も過去、上司に

「我慢できないのか!」

と注意を言われただけ、ということがありました。

これらはもはや、手遅れになった事例です。

聴覚障害者が我慢して待っているだけでは、
会社の本当の理解は進まないのです。


会社はあまりにも無能、かつ、ひどいやり方だと思う。
それでも、こういうパターンは現実にたくさんあるのです。
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by bunbun6610 | 2013-01-18 18:00 | 就労後の聴覚障害者問題B