手話・要約筆記通訳とは何か?

聴覚障害者に健聴者の話の内容を伝え、
また聴覚障害者が健聴者に意見や回答するためにも必要な、
手話・要約筆記通訳の問題点です。

これは、特に会社で多く見られる聴覚障害者差別事例です。

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特定非営利活動法人
パーソナルサポート ひらかた

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パーソナルサポート通信 07年10月号

■手話について、もっと知ってほしい
手話通訳のあり方、手話通訳の役割とは何か


●働いているろうあ者から職場内のことで相談を受け、
一緒に会社側と話し合いに行った時のことである。
前もって会社には「手話通訳者はこちらで用意します」
と文書で知らせてあった。
こちらが用意する手話通訳者とは、ろうあ者が希望する
通訳者である。
それなのに、当日、会社側が用意した手話通訳者と
鉢合せになった。

最初、会社の人かと思ったが「会社の方で手話通訳者
を用意した」と言われて唖然とした。
この話し合いは、何度目かの私たちと会社側との交渉の
席だった。
「前もってこちらで用意することが分かっているのに、
なぜ別に通訳者を用意するのか?」と会社に聞くと、
「公平に手話通訳をしてもらいたいから」という答えが
返って来た。

あまりにも身勝手な会社の言い分と横柄な態度に堪忍袋
の緒が切れて「会社のいう公平とはいったい何ですか?
私たちろうあ者が用意した手話通訳者を信用できない
ということですか?」と問いただした。
すると、「あなた達が用意する手話通訳者は、あなた達の
味方でしょう? 会社を弁護してくれないでしょう?」
と言われて、愕然とした。

会社は、手話と手話通訳の役割について無知であり、
全くの素人である。
なぜ事前に私たちに聞いてくれなかったのかと思う。

会社が用意した手話通訳者は、公的な機関から
派遣されており、ろうあ者が望む手話通訳者とは
違っていた。

私がこのコーナーで何度も書いてきたように、
手話には大きく分けて聴者が学ぶ「日本語対応手話」と、
ろうあ者の言語である「日本手話」の二つがある。
会社が頼んだ手話通訳者は「日本語対応手話」のみで、
私たちろうあ者の「日本手話」の読み取りと表現ができない。
こちらが用意した手話通訳者は「日本手話」を学習しており、
読み取りや表現が少しできる。

ろうあ者がどちらを選ぶとしたら、当然自分の言語である
「日本手話」が読み取れる手話通訳者に決まっている。
手話通訳の役割とは、手話を知らない人とろうあ者を
つなぐ役割があり、また、ろうあ者が発言したことや主張を、
相手にきちんと伝えるという大事な責務がある。

会社は「日本手話」と「日本語対応手話」の違いを学ぼうと
しないで、ただ弁護してくれないと困るから「公平」という
言葉を借りて手話通訳を頼んだわけである。
その時は、派遣されて来た手話通訳者を追い返す訳には
いかないので、会社の通訳をお願いした。

私たちが用意した手話通訳者には、ろうあ者側の通訳を
してもらう形で交渉が始まった。

しかし、交渉が進んでいくにつれ、会社が返事に窮する
場面が出てきた。
すると役員たちが小さい声で雑談を始めた。
しかし、派遣された手話通訳者が、雑談の内容を私たちに
手話で説明することはなかった。

その時の様子は、ろうあ者側の手話通訳者が説明してくれた。
後で会社側の手話通訳者に尋ねてみると、「会社がやばいと
思う場面では手話通訳をしない」と答えが返ってきた。

明らかに会社の味方をしているのが分かり、憤慨した。
これでは誰のための手話通訳か分からない。
手話通訳の基本的な機能は、手話を知らない相手側の
対話や会議の内容を即時に「日本手話」で伝えるだけでなく、
場面の様子を説明する役割もある。

そうでないと、先ほどの会社の役員たちが小さい声で
雑談している場面では、その場にいる聴者だけに内容がわかり、
ろうあ者だけわからないという不公平が出てくる。
こうした不公平にならないためにも、会社側も派遣されて来た
手話通訳者も「手話は誰の言葉か? 誰のための手話通訳者か?」
を真摯に考えてほしいと思う。


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この会社では、手話通訳者を聴覚障害者の
弁護人と勘違いしているのだろうか。

健聴者と聴覚障害者との間に入って通訳業務
を行う手話通訳者や要約筆記者は、
そんな役割はしない。

ただ淡々と、両者の意思疎通を図る為に
通訳業務を行うだけです。

どちらか一方の味方のためでもないのです。
ただ双方のための、公平な通訳業務を行うだけ
だと思うのですが。

それを勝手に勘違いする会社が多いのは、
本当に困ったことです。

現実に、手話通訳者や要約筆記者を
会社施設に入れたがらない会社は、
非常に多いです。

なぜかというと、一番の理由が会社の秘密を
第三者に聞かれたくはないから、
だと思われます。

しかし、口が裂けても会社は、そうだとは
吐きません。

「手話・要約筆記者は必要ありません」

と言うだけです。
その理由は何かというと

「筆談するので」

と言います。
ところが、筆談はごくわずかだったり、
無知だったり不誠実な会社では、
見事に裏切る場合さえあります。

ほぼ完全に、健聴者からの一方的な
コミュニケーションで終わらされてしまうのです。

そして、結局は常に会社に有利な話し合いの
場にしてしまい、聴覚障害者差別問題を
外部の人間に見せないようにするのです。
それはそうでしょう。

見せてしまったら、その人が証人になる
こともできるのでヤバイと、
会社は思うのだろう。

しかし、先にも説明したように、
通訳者は淡々と通訳を行うだけであり、
基本的には聴覚障害者を擁護する裁判
のための証人になることはない。

もし聴覚障害者が後で

「これはおかしい」

と、聴覚障害者が思って、第三者に相談しても、
それは結局、証拠なき言われごとに過ぎず、
やはり会社はもみ消し工作をします。

あまりしつこいと、会社はその聴覚障害者とは、
雇用契約の終了に追い込みます。

会社にとっては実に都合の良いシステムにしてあり、
社内で日常茶飯事に起こしている
聴覚障害者差別問題など所詮、
たったこれだけですぐに片付くのです。

だから聴覚障害者は差別があっても、
裁判にすることもできません。

有名な話ですが、中途失聴者や難聴者などへの
通訳を行う要約筆記通訳でも、

「今のは通訳しなくていい(書かなくていい)」

と健聴者が言う場合があります。
それでも通訳者に書かれていると健聴者は
困った顔をして、あっちへ行って話す。

つまり、書かれたくないことは別の場所で話をするのだ。

健聴者は、通訳者も嫌っています。
手を振って「ノーノー! 書くな!!」の
ジェスチャーをしているのですから。

これは

「今は、聴覚障害者に知られたら困ることを
話しているんだから、通訳しないで!」

ということを意味しています。

これがもし、通訳者がいない場合だったら
どうなるのかというと、どうもしない。

そばにいる聴覚障害者のことなどほったらかしにして、
健聴者同士で堂々としゃべりまくるのです。

そして終わってから

「今の話で、こうすることに決めたから、
こんどからあなたもこうするように」

というふうに、聴覚障害者へ指示をして
終わりなのです。

その話し合いに聴覚障害者を入れず、
聴覚障害者のことも勝手に決める、
という横暴なやり方で通されることは、
会社ではしばしばあるのです。(※)


(※)参考事例
『胃レントゲン検査での聴覚障害者問題 (3)』
〔2012-01-02 22:09〕



いや、それが当たり前だと会社は
思い込んでいるし、そういう現実なのです。
「しばしば」どころではありません。


障害者差別禁止法を制定することが
必要不可欠であると同時に、
こうした事実があれば、聴覚障害者は
遠慮なく告発できる相談機関が必要だと
思います。

当ブログには、そのような聴覚障害者差別事例
をたくさん記事にしています。

(ただし、当該企業の人事部が監視していることも
あるので、その記事は常時公開設定にしている
わけではありません。)

すなわち、このブログはある企業の人事部の
秘密工作までも暴露している、というわけです。

会社に要約筆記通訳派遣を拒否された私は、
会社側の筆談と私自身の発言も、
全部書き写したのです。
それを今、持っています。
そうしたのは、この事件を社会に公表するためです。
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by bunbun6610 | 2012-10-26 18:00 | 情報保障・通訳(就労)
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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
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