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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

ビューティフルレイン 第10話

ビューティフルレイン

美雨は圭介と話し合った末、夏休みの間だけ、
沼津のおじいちゃんとおばあちゃんの家にいることにしていた。
ところが、状況を見ていて、本当はそうではないと知った。
自分だけに本当のことを知らされていない美雨は、
機嫌が悪い。
圭介は美雨に謝り、本当のことを話す。
自分の病気のことも。

美雨はそれでも、沼津行きに納得しない。
アカネは美雨に説得したが、
それに対する美雨の反応、答えに、逆に驚いた。

当たり前だろう。
何人もの大人がなかなか決断できない、最良の選択肢を、
美雨は何の迷いもなく言い切っていたからだ。
それだけ美雨の心は純真だ。

美雨は

「父ちゃんと一緒にいることが幸せ」

だと言う。
さらに、

「(治らない病気の)父ちゃんと一緒にいて、辛くはない。
だから、これからもずっとそうしたい」

とも言う。

美雨は、圭介が亡き妻・妙子と約束したことを
知っているのかわからないが、
それはまるで美雨を通して

「どんなことがあっても、約束通りにして」

と、圭介にうったえているように思えた。

しかしそこへ、妙子との約束を守りたい、という理想と、
今のうちにしか出来ないかもしれない、
現実を直視した理性的判断との間で迷う圭介には、
決断を急がなければならない、というあせりが出ていた。

美雨の言葉に心打たれたのか、圭介の周囲にいる職場の人々が、
自信をなくしていた圭介の背中を積極的に押すように思えた。
そして皆が、本当の幸せとは何かということに気づいていく。

そうした姿は、これから超高齢化社会を迎える日本の、
理想的な社会のありようを提示しているのかもしれません。

誰もがなる可能性のある病気、障害、痴呆症の人の介護を、
誰か一人に、あるいは家族だけに押し付けるのではなく、
社会全体の人々で分担し、少しずつ助けてゆけば、
この問題は乗り越えてゆけるのかもしれません。
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by bunbun6610 | 2012-09-03 19:10 | 雑談