傲慢な健聴者に優しい聴覚障害者?

聞き取れなかったら、何度でも聞く私のことを知って、
ある手話通訳者から、こう言われたことがあります。

「あなたは、優しすぎるね」

ろう者のほうが健聴者相手に、
ストレートに言うからだそうです。
聞いてもわからなければ

「分かりません」

とハッキリ言うそうです。

私も一応は言ってみますが、
言ってみたところでどうにもなりません。
言葉が喋れるから、余計にそうなるのかもしれません。

だから結局、そのうちに「うなずき障害」も使います。
これが後に大問題を引き起こしてしまうわけですが、
それでもわかったふりをするしかありません。

傲慢な健聴者に押されて、自分で罪を被るしか
なくなるわけです。
それが「優しすぎる」と言われた理由なのでしょう。

正直、分からず屋の健聴者を「責められない」というより
「責めようがない」のです。
それと、やはり「人間関係」を恐れて、
強くは言い出せないこともあります。

強く言って相手の対応が変わったこともありますが、

「あなたはいつもこんなやり方でしか、
言えないのですか!」

「自己主張が強すぎる!」

と批判されたことも少なくありませんでした。
聴覚障害にまつわる、諸々の問題は、
やんわりと言うだけならば結局は無視されるし、
かと言って強く言うと批判されやすいものです。
どちらかしかないのです。

あるろう者は、補聴器を装用していますが、

「言葉までは聞こえない」

と健聴者に説明しています。
話の内容まではわからなくても、
音を聞きたいから、というのが
補聴器を装用する理由だと話していました。

それを聞いた健聴者は「?」の表情で、
こう話していました。

「音だけ聞くために補聴器なんか、
要らないよなぁ。
何であの人に補聴器が必要なのだろうか?」

どうも、私との比較で言っていたようです。

私の場合は、補聴器で幾らか聞き取って、
それに自分の想像力で補い、

あなたが今言ったことの意味は、要するにこうですね、
という感じで言い返しています。
それは結構当たる場合もあります。

でも、全然当たらない場合も少なくなく、
その時はかなりこっ酷く、怒られます。

「話を聞いていない!」

とか、

「黙って、人の話をちゃんと聞いて!」

と強い叱責を受けます。
私は、筆談もしない健聴者に合わせようと、
必死に理解しようとして、確認してもらう意味で
言い返しているつもりだったのですが…。

ろう者はそうではなくて、
「相手の口を見て読み取っている」
のだと説明しています。

筆談などの配慮がないのは、どちらも同じ状況です。
でも、コミュニケーション力に差があります。
明らかに私よりも、ろう者の方がコミュニケーションも
スムーズに出来ているのです。

ろう者の読話能力が優れているのは、
ろう学校から口話教育を受けてきて、
口を読み取ることにも優れた能力を
身につけてきたお陰だと思います。

昔の手話禁止による厳格な口話教育には、
ろう者から批判がありますけども、
大人になってから読話を身につけることは、
かなり難しいことだと思うので、
ろう者はこの点ではよかったのではないだろうか、
と思うことさえあるほどです。
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by bunbun6610 | 2012-06-11 22:16 | 就労後の聴覚障害者問題B
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ある聴覚障害者から見た世界


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