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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

聴覚障害者の「関係障害」とは (2)

【聴覚障害者の「関係障害」とは】

当ブログではこれまでに、
感音性難聴について、何回か説明してきました。
健聴者がこの障害について正しく理解することは、
なかなか難しいものだと思います。

職場ではやはり、この障害について

「理解できていない」

と思われる健聴者もたくさんいて、
そのなかで感音性難聴者は我慢して
働かなくてはなりません。

その苦しみで、私が最も心を痛めてしまう事を書きます。
聴覚障害者の「関係障害」について、です。

これは、私が普通学校で生活していたときも、
また社会に出てからも、ずっと続いている苦しみの一つです。
決して自己努力だけでは解決できない、生涯続く苦しみの一つです。


職場にAさん、Bさん、Cさんという健聴者
がいます。
AさんとBさんの声は、私は補聴器で
幾らか聞き取れる場合があります。
それで私はAさん、Bさんとは、音声会話が
出来る場合があります。

ところが、私はCさんの声を聞き取るのが
とても苦手です。
そのためにCさんとだけは、残念ながら
音声会話がほとんどできません。

そんな事情があって、次第に私は、
AさんとBさんとは話が出来る状況が
続けられますが、Cさんは次第に私から
離れていきます。

やはり、そんな状況を見ているCさんに
とっても、きっと疎外感、孤独感が出てくるからでしょう。

私はCさんに自分の聴覚障害の性質を
説明しましたが、するとやはりCさんは、
もう私に話しかけるのをやめてしまいます。
Cさんはきっと、私と話すのをあきらめたのだと
思います。

聴覚障害者にはご存知だと思いますが、
耳の障害を打ち明けると、このように、
ほとんどの健聴者は離れていきます。
その寂しさを味わうのは嫌だから、
出来ることならば耳の障害のことは、
言いたくはないものです。

しかし、言わなければ誤解は深くなってしまいます。

でも言うと今度は、Cさんは離れてゆき、
私とはコミュニケーションが
不可能な状況になってしまいます。

私にとっては、Cさんが私から離れ、
無視しているように見えてきてしまいます。

私は決して、Cさんが嫌いなわけではありません。
Cさんもきっとそうでしょう。

でも、音声会話にこだわる健聴者にとって、
音声会話が通じない相手とは話をしないのが
当たり前です。

そして、次第に人間関係がギクシャクして
いってしまうのです。
Cさんは次第に、私とは挨拶もしなくなるとか、
音声会話も強引で刺々しくなるとか。
私が聞き取れなければ、聞こえるようにと強引に、
怒声で言ったりするようになってきます。

Cさんにしてみれば、

「なぜ他の人の声は聞き取れて、
自分の声は聞き取れないのか」

が、納得できないのでしょう。
考えてみても、おかしな障害です。
でも、感音性難聴障害とは、そういう障害なのです。

私の他にも、人間関係に苦しんでいる
感音性難聴障害の方が、
きっといると思います。

聴覚障害者が最も苦しんでいるのは、
聴覚障害そのものよりも、
この人間関係の障害が起こることのほう
ではないでしょうか。
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by bunbun6610 | 2012-06-10 16:00 | 就労後の聴覚障害者問題B