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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

要約筆記派遣の利用実績にみられる、聴覚障害者の問題点

※手話通訳者・要約筆記者の派遣事業とは

  →http://www.city.kawaguchi.lg.jp/kbn/20100062/20100062.html

  →http://www.tokyo-shuwacenter.or.jp/

引き出しの中を整理していたら、
ある年度の手話通訳者・要約筆記者派遣事業の
派遣実績データが出てきました。

中身をよく見ると、年度が変わるとデータにも
違いが見られました。

ろう者が主に用いる手話通訳者派遣実績では、

ある年の利用目的は「生命と健康」は49%
             「働く権利」は13%
             「人権の保持」は9%

その翌年の利用実績では「生命と健康 は55.6%」
                「人権の保持」は6.7%
                「働く権利」は4.9%

です。
当然だと思いますが、命に関わることで、
病院での手話通訳利用が圧倒的に多いと
思われます。

ところが、難聴者や中途失聴者が主に用いる要約筆記だと、

ある年の利用目的は「働く権利」は36%
             「生命と健康」は15%
             「人権の保持」は2.5%

その翌年の利用実績では「働く権利」は何と53.5%
                「生命と健康」は13%
                「人権の保持」は10%

でした。

他に目立った特徴は「文化と教養」目的では、
手話通訳・要約筆記ともダウンしていました。

文化教養よりも、他のことで通訳を利用する
聴覚障害者が増えているのではないか、
と考えられます。

また、主にろう者が利用している手話通訳では、
利用実績にあまり変化はみられないようなのですが、
要約筆記だと「働く権利」の利用目的が突出して高く、
しかも増えています。
これは一体、なぜなのでしょうか?

当ブログでも聴覚障害者の就労問題のカテゴリーを
設けていますが、一日の訪問者が100人を超える
こともあります。
アクセス数の高い記事のほとんどが、
聴覚障害者の就労問題について書いたものなのです。

ということは、聴覚障害者で仕事(就労前、就労後)に
関し、悩んでいる人が増えているのかもしれません。

当ブログでも、できるだけ具体例でその問題点を
紹介していますが、社会がこうしたことについても、
対策を考えるべきではないでしょうか。

特に、障害者手帳の交付が受けられない難聴者
への対策がないのが心配だと思います。
働かせてもらえないケースも多いからです。

また、働けても職場での理解が進まなく、
最悪では本人が辞めていく、
転職を繰り返すケースも多いと
思われます。

この難聴者問題の放置は、社会にとっても痛いと思う。
なぜなら、社会がいろいろな人を生かせていないからです。

障害者手帳がない難聴者では、通訳を利用できない
地域も多いと思うので、実際に困っていて、
相談できない難聴者はどれだけいるのか、
ほとんどわかっていないのではないか、
と思われます。
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by bunbun6610 | 2012-06-04 19:22 | 就労前の聴覚障害者問題A