障害者雇用助成金の問題点【再掲】



元記事〔2012-02-01 19:47〕より、再掲載。


障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年七月二十五日法律第百二十三号)

という法律があります。

 →http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO123.html

この法律の目標とする、法定雇用率が未だ一度も達成されていない理由に、
私は

「企業の障がい者雇用は助成金目当てで、
障害者雇用を実質的に増やそうとせず、
障害者をとっかえてばかりいて、
新たな助成金ばかり狙うから」

だと見ています。

会社は障害者を解雇しても、ハローワークに提出する書類には、
その事実を決して正直に書きません。
障害者を雇用している多くの会社が、
助成金欲しさに、偽ろうとしているのです。
この事実は、弁護士もよく知っています。

会社は、全く一方的に障害者を解雇していながら、

 「(障害者の)自己都合による」

 
 「すでに離職済みのため、本人の署名捺印が取れず」
 (これは、実際のM社の事例である)

などと、理由を自分勝手に書いているのです。
障害者の離職理由は、会社が一方的に書くことができるので、
何とでもできます。
(あるいは「諭旨解雇」にして、自主退職願を書かせている
事実もあります)

ハローワークは無審査で、
この書類を受理しているだけです。


(他の障害者の声からは・・・)

「社会保険労務士の入れ知恵で書類等は偽造するそうです。」

・「自己都合退職に追い込む為に、しごきと言う名のイジメ
嫌がらせで辞めさせて、又繰り返していく。」


「就労後、2年(企業が国の助成金が受給できる期間)までは大切にしてくれる」

これは障害者だけでなく、健常者も皆同じことになる
(健常者にも助成金制度はあります)と思いますが、
障害者の場合は特に、助成金の額が大きい点が
注目されます。
すると、いかに税金
(と同じお金の性質と見てよいと思います)
の無駄遣いが多いか、
ということも想像に難くありません。

=======================================

〔参考1〕
→http://jyoseikin-concierge.com/blog/jyoseikin/specific-job-shortage-jyoseikin/

「就職困難な高齢者や障害者等を雇い入れたときは・・・。
特定就職困難者雇用開発助成金がもらえるかもしれません。

特定就職困難者雇用開発助成金の対象者は、
前回の記事 で確認していただけたらと思います。

受給できる額は、中小企業においては、以下のようになっています。

・週所定労働時間30時間以上の高年齢者、母子家庭等で、45万円を2回 計90万円。

・週所定労働時間30時間以上の身体・知的障害者(重度障害者等を除く)で、45万円を3回 計135万円。

・週所定労働時間30時間以上の重度障害者等(重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者)で、60万円を4回 計240万円。

・週所定労働時間20時間以上30時間未満の高年齢者、母子家庭等で、30万円を2回 計60万円。

・週所定労働時間20時間以上30時間未満の身体・知的・精神障害者で、30万円を3回 計90万円。

特に障害者の方を雇い入れた場合の助成額が大きくなっています。
但し、金額が大きいからといって、助成金目当てで雇い入れて、
助成金をもらってから対象労働者を解雇したりすると
助成金の返還を求められますので注意が必要
です。

なお、助成金は、年度の途中で新設されるものや
条件が変更される場合がありますのでご注意ください。」



〔参考2〕
 →http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n258/n258_01-02-06.html

障害者差別禁止法の制定を
田門浩
現在、日本は長期にわたる不況に見舞われている。
障害者の雇用状況も同様に思わしくない状況である。
障害者に対する解雇も増えてきており、
私自身も解雇に関する相談を数多く受けている。

さらに、障害者を採用しているとしても障害者に対して
適切な配慮をしない会社がほとんどである。

たとえば、聴覚障害者でいうと企業内研修における
通訳保障もない会社が数多くある。
さらに、昇進や賃金額についても健常者に差を付けられている。

ここで、世界的状況についていうと、1990年に米国で
ADA法が制定されたことを嚆矢(こうし)として、
現在、全世界において43か国において障害者に対する
差別を禁止する法律が制定されているとのことである。

ところが、日本では障害者に対する差別を禁止する
法律がない。
たとえば、職業分野においては、日本では
身体障害者雇用促進法が制定され、
昭和51年に雇用義務が強化された。
それ以来25年が経過している。

その後、同法は
「障害者の雇用の促進等に関する法律」
に改められ、法定雇用率が上昇する等の改善が
図られてきている。
それにもかかわらず、障害者雇用促進法所定の
法定雇用率を下回る企業が数多くあり、また、
前記のようにほとんどの企業が同社で働く
障害者に対して適切な配慮をしていない。

障害者に対する差別を禁止する障害者差別禁止法の
制定がないと、障害者に対する雇用状況は改善できない
ことは明らかである。
日本において障害者差別禁止法の制定の必要性が
高まってきている。

しかも、2001年8月に、国連の経済的、社会的および
文化的権利に関する委員会が日本に対して
障害者差別禁止法を制定するよう勧告したところでもある。

近い将来、障害者差別禁止法が制定されるよう強く望んでいる。

また、同法が制定された後は、その運用が問題となることが
容易に予想される。
身体障害者雇用促進法の例から明らかなように、
運用次第では法律の内容が空洞化してしまうおそれもある。

米国等で障害者差別禁止法の運用実態を学び、
これを日本に持ち帰って障害者差別禁止法について
障害者の立場に立った運用がなされるよう力を尽くしたいと
考えている。
(たもんひろし 弁護士)



〔参考3〕
障害者雇用助成金は国が出すものだけではありません。
例えば、次のような助成金もあります。

 『東京都中小企業障害者雇用支援助成金』

障害者雇用助成金には、いろいろなものがあります。

障害者を雇用しようとしない企業が悪いのに、
障害者雇用のために何で、
こんなに公金を遣わなければならないのだろうか?

障害者の給料って、年齢や在籍年数に関係なく、安いです。
それに国だけでなく都も、これだけのカネを出しています。
国が2年間、その後にも都がさらに2年間、
つまり最長で4年間も助成金をもらっていることになるのです。

聴覚障害者の場合だと

「ほとんどの聴覚障害者が、5年以内で辞めている」

と言われているので、助成金の旨みがなくなると、
また新しく雇用した障害者で新たな助成金が入っていく、
というパターンが見えてきます。

それでいて、このカネを貰っている企業は、
障害者雇用促進のためには使っていないわけです。
これでは、障害者雇用のメリットが生まれる公金の遣い方には、
ならないのです。
皆さんは、聴覚障害者に職場情報保障がない企業が非常に多い事実を、
ご存知でしょうか?

実は、聴覚障害自体は軽い障害に見えても、
聴覚障害者の転職率は他の障害者に比べ、
突出して高いのです。

別の視点で見ると、それだけ企業はこのカネをたくさん貰っている、
ということです。

これも『障害者の経済学』では、考え直してみる価値がありそうです。

→http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/05/20i5f200.htm


【参考1】
『4.雇用率未達成企業の存在を不可欠とするシステム』

 →http://www.bengodan.net/shogaisha/kinrou/0112.html

「4.(3)…2000年度の資金収支は前年度剰余金組入金198億円を
含め収入は456億円であるのに対し、支出は178億円であり、
実に278億円が次期繰り越しとなっている。
現に納付金事業特別会計は、2001年3月31日現在で273億円の
現・預金がある。


「(4) 法定雇用率をアップしたため現在は収支がプラスとなっているが、
障害者雇用促進法の仕組みを維持するためには、
法定雇用率未達成企業が多数存在することが不可欠である。

このことは1998年度の障害者雇用納付金事業特別会計の
損益計算書を見れば、一目瞭然である。
同年度の収益は198億円に対し、費用が221億円で、
23億円の当期損失となっている。

費用の内訳を見ると支給金が179億円、一般管理費が38億円となっている。
1998年度は法定雇用率1.6%に対し、実雇用率1.48%であり、
49.9%の企業が未達成である。

このように法定雇用率を達成していないにもかかわらず、
納付金会計は大幅な赤字決算
である。

いわんや、すべての企業が法定雇用率を達成すれば、
障害者雇用促進法の仕組みそのもが根底から
破綻するのは必至である。」


【参考2】
『ろう者を雇用しているのに、手話通訳がつかない』 ~ろう者の証言から~

「私は、ろう者です。
会社では筆談で仕事の説明をしてもらっています。
でも、健聴者の筆談はよくわかりません。
それで『手話通訳を用意してほしい』と頼むのですが、
そう言うと

『キミはもういい。あっちへ行っていい。
他の人に頼むから』

と言われ、相手にしてくれなくなります。
こういった問題は、何とかならないものでしょうか」


下は、役所・障害者福祉課の掲示ポスターより引用しました。

〒163-8001
東京都新宿区西新宿2-8-1 都庁第一本庁舎31階
担当窓口/東京都 産業労働局 雇用就業部 就業推進課
                 障害者雇用促進係
TEL/03-5321-1111  内線37-725

【東京都中小企業障害者雇用支援助成金】

支給要件
 
 ①特定求職者雇用開発助成金の支給が
  平成20年3月31日~平成25年3月30日までの間
  に支給対象期間が満了となった後も、
  引き続き雇用を継続する事業主。
 
 ②中小企業であること。
 
 ③障害者の就労場所が都内であること。

 ④障害者の雇用管理を適正なものにするため、
  相談員の巡回訪問、相談を受けること。

【助成内容】
 重度身体障害者 … 一人当たり月額3万円(定額)

 上記以外 … 一人当たり月額1万5千円(定額)

 6ヶ月ごとにまとめて支給(支給期間は最長2年間)


障害者は、会社で2年目が終わる頃になると、
不安感を抱く人もいます。
2年が経ったときには、ちょうど国の
特定求職者雇用開発助成金の支給が
切れるときだからです。

すると、その後の「雇用契約更新なし」もありえます。
そうすると障害者はまた仕事を探さなければ
ならないので、障害者は一番心配する時期なのです。

会社によっては、中にはハローワークに2年以上も、
全く同じ内容の求人票を出しっぱなしに
しているところもあります。
(もちろん、障害者はこの求人票に
応募しても無駄だからと知るようになると、
誰も応募しなくなります。
このような、求人票を出しているだけで採用しない
企業もあります)

採用人数が1人でも10人以上でも、
その累計応募者数が50人以上であっても、
それでも採用人数ゼロ、
という会社も多数ありました。

また、たった1回の会社面接会に、
50人以上の障害者が並ぶ会社もあります。

それでも、募集は続けているが採用しない、
という会社はたくさんあります。

そういう差別状況は、税金で賄われる障害者雇用助成金で、
少しでも変えていくしか、今まで方法がなかったのです。
障害者差別実態を変えてゆかない限り、
これからもそうでしょう。
だから障害者問題と社会経済学は無関係ではないのです。

だから、財政的に余裕のある東京都は、
こういうことも行っているのかもしれません。

企業としては、また別の障害者に入れ替えて、
新たな助成金をもらったほうが、
メリットがあるので、そうなる可能性も高いと言えます。
決して、自己能力を低評価しているわけではありませんが。

以前にハローワークの人から

「障害者差別はどうしようもない。
ガマンできなくなったり、契約終了させられそうになったら、
そうなる前に転職先を見つけたほうがいいよ」

というアドバイスをもらいました。
でも、もうそんな気にもなれません。
障害者雇用なんて、どこの会社でも同じだからです。
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by bunbun6610 | 2012-05-15 21:05 | 人気記事(再掲)


ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

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